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ブックレビュー

「戦うことは『悪』ですか」 葛城 奈海著

  ジャーナリスト、俳優で公募予備自衛官(予備3陸曹)を務める著者による初の単著。「日本の心を未来に伝えるために」取り戻すべきことを提示している。

 著者は現場に赴く取材を心掛け、尖閣諸島海域へこれまでに15回渡航。3・5メートルの荒波の中を11時間かけて渡り、現場の状況を目の当たりにしたこともあった。

 全8章で構成した本著では、尖閣諸島海域への渡航のほか、北朝鮮による邦人拉致などについてつづる。

 「皇統を守る」の章では、旧宮家の臣籍降下による皇室の男子減少に触れ、万世一系の皇統を継承するために小異を捨てて世論を大同団結させる必要を訴える。

 古くから日本の衣食住に欠かせなかった大麻の規制、商業捕鯨の禁止、さらに「自衛隊のあるべき姿とは」の章では、自衛官が制服を着て靖国神社に参拝できない現状に疑問を投げ掛ける。

 著書はこのほど、「アパ日本再興大賞」を受賞した。戦うことイコール悪というGHQによる呪縛から解き放たれ、「真の自立国としての日本再興を果たさなければなりません。本書がその一助になれば、幸甚です」と語っている。(扶桑社刊、1540円)

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