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ブックレビュー

歪められた真実 昭和の大戦(大東亜戦争) 井上 和彦著


 「今次の対米英戦は、支那事変をも含め大東亜戦争と呼称す」と、日本政府は昭和16年12月12日の閣議で決定していた。戦後当たり前のように使われてきた「太平洋戦争」の呼称そのものがGHQによる「歪められた真実」の象徴なのだと本書。

 「無謀な作戦の連続だった」「アジア諸国に皇民化教育を強要した」など、先の大戦が常に批判にさらされてきた「定説」は本当に正しいのだろうか。

 “軍事漫談家″の異名を持つ著者が大東亜戦争を実際に戦った多くの日本軍将兵を取材し、戦跡を歩き、現地の人に話を聞いて回った「今まで日本人に封印されてきた史実」を紹介する。

 ▽真珠湾攻撃は「奇襲」ではなかった▽もの凄い応募者数だった朝鮮人、台湾人の志願兵▽米軍が賞賛したマリアナ諸島の玉砕戦▽実は大戦果を挙げていた特攻隊の真実▽日本はアジア独立の希望の星だった――など12の「真実」を提示。大東亜戦争再評価のきっかけになればとの思いが詰まった一冊だ。

 (WAC刊、1650円)

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