創刊70年を迎える『朝雲』は自衛隊の活動、安全保障問題全般を伝える
安保・防衛問題の専門紙です

　空気を切り裂くようなスピードで大空を駆け抜け、スモークで鮮やかに軌跡を描く――。そんなブルーインパルスのダイナミックな姿に感動した人は少なくないだろう。航空写真家・粒木友香里氏もその一人。ブルーに魅せられ松島基地に通い、１０年にわたって撮り続けた１１０点を収録する。

　航空祭での展示飛行とそれを見上げる子どもたち、東京オリンピックに向け特別編成になったブルーインパルス、松島基地での訓練風景など、テーマを６つに分けブルーのさまざまな姿を取り上げる。パイロットや機体だけではない。飛行を安全に行うために整備に汗する地上クルーにもファインダーを向け、華やかな展示がチームによって支えられていることを伝える。

　特に目を引いたのは、著者がブルーに同乗して空撮した作品。遥か地平線が球形を描き、キャノピー越しに見る地上の景色の美しさと迫力に圧倒される。本書を見たら、今度は本物のブルーインパルスを見に行きたくなるような、そんな写真集だ。

　冊子版のみ購入者特典付きで、カバー下の裏表紙にあるＱＲコードから、粒木氏が２０１７年に月刊『Ｊウイング』で連載したフォトエッセイを閲覧できる。

　（イカロス出版刊、２６４０円）