時の焦点<国内> 米比合同演習
- 5月13日
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本格参加を抑止力向上に
「海洋強国」を掲げる中国は軍の近代化を進め、東・南シナ海や西太平洋で挑発行為を繰り返している。アジアの安全を守るには、日米同盟を強化し、同志国との協力を深めることが重要だ。
米国とフィリピン両軍が主催する多国間の合同軍事演習「バリカタン」が、南シナ海などで4月20日~5月8日に行われた。豪州やフランス、カナダなども加わったこの演習に、自衛隊が初めて本格的に参加した。
陸海空の3自衛隊は、離島への上陸阻止を念頭に置いた訓練に加わった。陸自は、地対艦誘導弾の実弾射撃も行い、米比両軍などとの連携を確認した。サイバー防衛隊は、各国のサイバー部隊と図上訓練などを行ったという。参加した自衛隊員数は計1400人にのぼる。
実戦的な訓練を通じ、各国の装備品の運用状況や、指揮命令系統を確認できれば、有事の即応能力は高まるだろう。
イランを攻撃した米国は、アジアの戦力を中東に割いている。このためアジアに「力の空白」が生じかねないと懸念する声は多い。
日本は、アジアの安定に米国の抑止力が欠かせないことを粘り強く米国に説かなければならない。同時に今後も多国間演習に積極的に参加するべきだ。
日本はこれまでもバリカタンに参加していたが、大規模な部隊派遣は行っていなかった。今回、合同演習に本格的に参加できるようになったのは、昨年、日比間で隊員のビザ取得や武器弾薬を持ち込む手続きを簡略化する円滑化協定が発効したためだ。
日比両国間では、秘匿性の高い軍事情報を交換するための協定締結に向けた協議も進んでいる。安保協力のレベルをさらに引き上げるためにも、協議を急ぎたい。
中国は近年、南シナ海に人工島を造成し、軍事拠点化を進めている。中国海警局の船舶などはフィリピンの船舶を威嚇している。身勝手な振る舞いは看過できない。
フィリピンと台湾を結ぶバシー海峡は、日本にとって重要な海上交通路だ。台湾有事が発生し、この海峡が封鎖されれば、日本経済は甚大な影響を受ける。政府は同志国を増やし、中国の活動を阻止せねばならない。
政府は先月、防衛装備移転三原則とその運用指針を改定し、殺傷・破壊能力のある武器の輸出に道を開いた。
バリカタンの期間中には、小泉進次郎防衛相がフィリピンを訪れて防衛相会談に臨み、海上自衛隊の中古護衛艦の輸出に向けた協議を加速することを確認した。
フィリピンの防衛力が強化されれば、中国軍の活動は制約を受けるだろう。日本の装備品の輸出を急ぐことも大切だ。
夏川明雄(政治評論家)







