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「いなづま」事故 人的ミスが要因 海幕が調査報告発表(2023年5月9日)

2023年5月23日更新

 海幕は5月9日、1月に護衛艦「いなづま」(4550トン、艦長・相澤一実2佐)が瀬戸内海で浅瀬(センガイ瀬)に乗り上げた事故について、調査委員会の報告結果を発表した。艦長の指揮監督が不適切だったことや危機回避の情報が伝わっていなかったことなど、複数の人的ミスが重なったのが主な要因だったとしている。

 事故は1月10日午後0時10分ごろ、山口県周防大島の南の沖合で発生した。試験運転中だった「いなづま」はセンガイ瀬付近で衝撃を感知し、浅瀬に乗り上げ停泊した。この事故で両軸とプロペラが使用不能になりソーナードームが損傷、自力航行ができなくなった。

 調査の結果、艦長が安全面を検討せずに計画航路を変更し、狭あいな海域で高速(約30ノット)で試験運転を行うなど不適切な指揮を執ったことが判明。哨戒長と航海指揮官が海図上の障害物を確認していなかったことや、艦橋伝令が戦闘指揮所(CIC)からの危機回避の助言を適切に幹部に伝えていなかったことも分かった。また、安全幹部である船務長兼副長が航行予定海域の危険な場所を確認する研究会を開いていないことを見逃すなど、安全管理態勢が機能していなかった。

 以上の結果を受けて海自は・・・

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