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海自砕氷艦「しらせ」10年連続で昭和基地接岸 南極海でAUVによる海洋観測を支援
2023年5月12日更新
リュツォ・ホルム湾でAUV「MONACA」を氷海に投入(2月6日)
無風状態のため海面に鏡のように映る「しらせ」(2月4日、ドローンで撮影)
南極昭和基地大型大気レーダー(PANSYレーダー)周辺で除雪作業を行う「しらせ」乗員(1月16日)
採氷作業を行う「しらせ」乗員(1月19日)・・・ほか
雪上車やヘリで物資輸送1120トン
海自の砕氷艦「しらせ」(艦長・波江野裕一1佐以下乗員約180人)は4月10日、151日間に及んだ南極への航海を終え横須賀に帰国した。任務期間中は越冬隊への物資輸送のほか、基地設営や野外観測、艦上観測を支援した。
「しらせ」は観測隊員約70人を乗せて、文部科学省の第64次観測支援のため昨年11月11日、東京国際ターミナル(青海)を出港。豪州フリーマントルで給油した後、南極に向かい、12月24日、昭和基地沖の定着氷域に10年連続で接岸を果たした。船体を氷上に乗り上げて氷を砕く「ラミング」は往復で561回(往路535回、復路26回)を記録した。
昭和基地では観測隊員の越冬を助けるため、パイプラインを展張して燃料を送油したほか、雪上車や艦載のCH101輸送ヘリを使い、観測機材や食料など1120トンを運び込んだ。
持ち帰り物資(約280トン)を積み込んだ「しらせ」は1月24日、基地を離岸。リュツォ・ホルム湾のラングホブデ沖で、日本初の南極海でのAUV(自律型水中ロボット)観測を支援した。氷床―海氷―海洋システムの実態を解明することが目的で、「MONACA(モナカ)」と名付けられたAUVを「しらせ」から海中に・・・