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ブックレビュー

「狙われた沖縄」 真実の沖縄史が日本を救う 仲村覚著

 本書は「沖縄の危機」を心配する日本沖縄政策研究フォーラム理事長が記した前著『沖縄はいつから日本なのか』の続編だ。少年工科学校出身の陸自OBのため、沖縄を取り巻く軍事情勢にも知悉(ちしつ)、「台湾・尖閣有事」と一見無関係に見える沖縄問題の背後に隠された沖縄分断工作のからくりを解明するとともに、沖縄土着の言語・信仰から琉球国の国家形成に至るプロセスまで、沖縄史を日本民族の歴史として捉えた書だ。

 著者は、中国の軍事行動で沖縄や台湾が紛争に巻き込まれた時、沖縄県人のアイデンティティーを揺るがすような情報がマスコミを介して県民に降り注ぐと予測。さらに工作により沖縄を日本から分離させるようなフェイク情報も出回ると予想し、これに対処するための準備についても考察を行っている。

 沖縄県は来年5月、本土復帰50周年を迎える。沖縄県民の日本復帰への原動力は「日本人としての矜持(きょうじ)以外に考えられない」と那覇市生まれの著者は訴えている。

 (ハート出版刊、1540円)

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