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朝雲寸言2008/8/14付
北京五輪が始まった。テロに対する厳戒態勢の中での開催は、五輪史上初めてのことだ。同時に、五輪開催をターゲットに、現実に多くのテロ事件が起きているのも、おそらく初めてのことだろう。
7月下旬には、雲南省昆明で路線バスが爆破された。五輪開会直前には、新彊ウイグル自治区で16人の武装警察官が死亡している。日本発中国行きの民航機に爆破予告があり、途中で引き返す事件もあった。五輪開会後には、新彊で再び武装集団が公安当局を襲撃している。
テロばかりでなく、中国各地で警察の取り締まりや開発のための立ち退きなどをめぐって住民の暴動が多発している。整然として華やか過ぎるくらいの開会式と、多発している事件や混乱との対比は、この国が抱える矛盾の大きさを際立たせている。
北京五輪を控えて、チベット抑圧の象徴となった聖火リレーや四川省の大地震がメディアの関心を集めたが、中国各地のテロや暴動は、何もオリンピックの期間限定で起きているわけではない。今回の五輪で、中国選手団は目覚ましい躍進を果たすだろうが、五輪後の中国は、改めて、世界が注視する中で国内の問題に対処しなければなるまい。
その意味で、中国で初めて開催された五輪は、大国として発展する中国と、民族問題や経済格差に分断され苦悩する中国の姿を浮き彫りにしている。国造りの道は、マラソンの道のりより長く険しい。
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