朝雲寸言2008/7/17付

防衛省改革会議の報告書がまとまった。マスコミの関心は組織をどう変えるのかに集まっているが、不祥事を根絶するためには、組織よりも隊員の意識や組織文化を変えることが先決だ。どんな組織でも不祥事は起こりうる。
報告書は、規則の自発的遵守、順法精神を裏打ちするプロフェッショナリズム、任務遂行を中心課題とする組織文化という3大原則を掲げ、隊員の意識や部隊の気風を改革することをまず求めている。そのうえで、防衛省が時代の要請に応えてよりよく機能するための組織改革の方向性を示している。
意識改革に単一の処方箋はない。報告書の文章は、防大校長の五百旗頭真氏が執筆したと言われているが、長く、近代史や政軍関係の研究に携わってきた学会の重鎮である。さすがに、不祥事の奥に潜む問題点を透視して厳しく断罪する筆致は読み応えがある。
当然ながら、防衛省改革はこれがスタートであってゴールではない。また、真の改革は中央に任せていてできるものでもない。報告書は、末端の部隊から自発的な自己点検と改革の機運が起こることを求めている。
難しい組織の話や法律の話は中央に任せるとして、まずは部隊において、一人ひとりの隊員がこの報告書を読むことから始めてはどうか。将来を憂える隊員であれば、きっと思い当たることがあるはずだ。5年後10年後にまた不祥事を繰り返すようでは、この組織に未来はない。