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朝雲寸言2008/6/19付
尖閣列島の沖で、海上保安庁の巡視船が台湾の遊漁船と衝突、遊漁船が沈没した事故をきっかけに、台湾の反日世論が盛り上がっている。発足間もない馬英九政権は、事態の早期収拾を呼びかけてはいるが、世論を沈静化する決め手がない。
6月16日には、台湾の活動家を乗せた対日抗議船を、台湾の海保にあたる海岸巡防署の巡視船がエスコートして日本の領海を侵犯し、魚釣島の周囲を1周した。
世界の海は、基本的には開かれた自由の海だが、政府の船が政治的活動のために他国の領海に入るのは、国際法上許された「無害通航」とは言えない。今回の事件は、台湾政府の意思による国際ルール違反であり、日本の巡視船の事故が発端とはいえ、国内世論のはけ口を国際法違反に求めるのは、お粗末極まりない対応だ。その意味で台湾は、ある程度「大人の対応」をする中国よりも厄介な相手という言い方もできる。
例えそうであっても、ルール違反には毅然とした態度をとる必要があるが、正規の国交がないとはいえ、わが外交当局の抗議の姿勢も今ひとつはっきりしないのはどうしてか。あまつさえ外務省の中には、「海保の現場が困ったことをしてくれた」という空気もあると聞く。
人間誰しも間違いはある。海上保安官も人の子、厳しいオペレーションの中で、多少のやり過ぎや操船ミスはあるだろう。それを、現場が余計なことをしたと言われては立つ瀬があるまい。
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