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朝雲寸言2008/5/29付
H5N1型ウイルスによる新型インフルエンザの被害については、国民の25%が感染し、その内の2%が死亡すると言われている。
これは、1世紀昔の「スペイン風邪」のデータに基づくもので、強毒性のウイルスならこれに数倍する被害になると予測する向きもある。一方で、人から人に感染する段階では、通常、毒性が弱まるという意見もある。
それでも、わが国だけで数十万人の死者だ。新型インフルエンザは、まず鳥が感染し、次に鳥から人に、さらに家族など限られた人の間で感染がおこり、やがてウイルスが突然変異して不特定の人の間で感染が始まり、パンデミック(世界的流行)となる。
現在は東南アジアの一部で鳥・人の感染が確認された段階だが、パンデミックへのカウントダウンは始まっている。先月、厚労省は、備蓄しているプレ・パンデミックワクチンを医療関係者や検疫など水際対策に携わる人に試験的に接種し、その結果を見て、警察や重要インフラなど社会機能維持者1000万人に接種する方針を決めた。
過去の鳥インフルエンザから作ったワクチンの効き目や副作用が未知数である以上、リスクはある。社会機能維持者の範囲を決めることも容易ではないだろう。厚労省が逡巡した理由はわかる。
だが、新型インフルエンザは、起こるかどうかではなく、いつ起こるかという問題だ。リスクを負ってでも先手を打つことが求められる。
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