朝雲寸言2007/11/29付

防衛装備品が高価で調達プロセスに透明性がないといわれる昨今、滅茶苦茶に高額のヘリコプターが出現した。今年予算要求している陸自の戦闘ヘリ「アパッチ」の価格が1機200億円超という。
もちろんこれには理由がある。米国がこのシリーズの製造停止を決めたことから、今後のアフターケアの基盤がなくなるため調達を打ち切らざるを得ない。その結果、ライセンス国産を行う企業の設備投資を回収させるために単価が大幅に上昇した。だが、国民はそれを納得してくれるだろうか。
大型のリムジンなら数千万円で買っても、高性能オートバイを同じ値段で買う人はいない。また、性能がアップするわけでもないものを従来の3倍の値段で買う人もいない。それが普通だ。
問題の背景に装備の国産化方針がある。有事、米国との補給路が断たれても自力で戦えるよう、できるだけ多くの装備を国産化しようという考えだ。だが、ソ連がなくなった今、太平洋のシーレーンにひところのような脅威はない。
国内メーカーの生産・技術基盤を維持する必要があるという議論もある。だが、すべての産業が国際競争に晒されている今日、防衛産業を保護するのは、競争力のない小規模農家を補助金で保護するのと同じだ。
そもそも3年前に中期防を作ったとき、なぜアパッチ・ヘリの生産中止を見込めなかったのだろう。3年先を見通せない軍隊は、すでにして戦に負けている。