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朝雲寸言2007/11/22付
古今東西、スパイにせよ詐欺にせよ、相手の弱みにつけ込むという手口は共通している。色仕掛け、濡れ手で粟の儲け話、それに、虚栄心をくすぐることだ。言い換えれば、性欲、物欲、名誉欲となる。
こうした欲求は、節度を保つ限り、愛する人と所帯を持ち、人並みの暮らしをし、世間に恥じない生き方をするための活力を生む源でもある。だが、欲求が肥大化して欲望に代わったとき、人は、道を踏み外す。
守屋前次官の証人喚問を聞いていると、勤勉で意欲的で出世志向が強かった立志伝中の人物ともなるような人が、何ともつまらぬところで足を掬われた思いがしてならない。「恐妻家」といわれ、親の遺産もあり、一等地に居を構え、金に困っていた訳でもない。彼の「弱み」は出世志向、言い換えれば「名誉欲」にあり、そこを「永年の友人」である宮崎容疑者にくすぐられて、活力の源としての「強み」が「弱み」となった、とも言えようか。
前次官は、証言の中で退職金の返納を約し、自衛隊員全体を同じ目で見ないよう懇願した。もちろん、それだけで隊員、同僚に与えたダメージが回復されるものでもないが、それはそれで、彼の真実の気持ちと受け止めたい。
ただ、彼の強さと弱さを振り返るなら、守屋氏という「特殊な人間」の問題ではないことがわかる。公僕たるもの、節度を持たなければ同じ道を歩む危険があることを肝に銘じなければならない。
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