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朝雲寸言2007/11/15付
福田総理と小沢民主党代表による大連立構想の浮上、小沢氏の辞任表明と撤回という一連の政治劇があった。小沢氏は、総理が連立を持ちかけ、また、自衛隊派遣に関する政府方針の大転換を確約したと主張する。一方、福田総理は会談内容には口をつぐんだままだ。
総理はもともと憲法解釈の見直しには消極的だし、選挙を控えた時期の大連立というのも考えにくい。現実主義者の総理が本心からそんな約束をするとは思えないが、あえて小沢氏の言い分を否定もしない。国民への説明より相手に対する信義を重視している。
今回の経緯から見えてくるのは、したたかな総理に対する小沢氏のナイーブさだ。そこには、かつて自民党に君臨し、新進党や民主党など自ら作った政党を次々に破壊した「政界の破壊屋」の面影はない。
小沢氏は自民党支配の終えん後、政治の隙間産業的部分で創造と破壊を繰り返してきた。伝統的な多数派形成や根回しといった政治風土が氏の肌に合わないのだろう。天敵の少ないニッチな環境(ぴったりの場所)こそが氏の生存空間だった。
だが、民主党という大政党を抱えて連立話を進めるには、否応なしに、妥協と根回しの従来型の政治環境が避けられない。そこで氏は、本能的に「辞任」という形で破壊に走ったものの、最大野党の党首の責任は簡単に投げ出せるほど軽くなかった。「ニッチの政治家」小沢氏の終わりの始まりが露呈した。
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