朝雲寸言2007/11/1付

11月1日で期限切れのテロ特措法に代わる給油新法成立のめどが立たない中で、10月29日、インド洋に派遣されている海上自衛隊の補給艦「ときわ」による最後の給油が行われた。
相手のパキスタン海軍の駆逐艦には、「自由のための燃料、“ときわ”よ有難う」という垂れ幕があった。部隊は1日には現地を離れ、帰国の途につく。最後の給油のニュース映像は、6年間にわたって培われたシーマン同士の信頼関係の大きさを象徴している。
おりしも、日本船籍のケミカルタンカーがソマリア沖で乗っ取られたというニュースが入ってきた。ソマリア沖といえば、OEF−MIOによる監視対象とされている海域だ。事件の詳細は未だ不明だが、インド洋が安全の海ではないことが改めて明らかになった。
今後、このタンカーが、MIOに従事する外国の海軍によって救出されるような展開になった場合、わが国は国際社会に合わせる顔がないだろう。防衛省の不祥事は不祥事として追及し、改善しなければならないが、必要な任務は任務として1日も早く再開できるよう、与党も野党もよくよく考えてもらいたい。
今回シージャックされた船には日本人船員はいないようだが、仮に人命に関わる事件となれば、誰が責任をとるのか。憲法違反だ、油の転用だ、接待ゴルフがけしからんだのと、日本の中でしか通じない議論をしている間にも、密輸や海賊は続いている。