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朝雲寸言2007/9/20付
安倍総理の突然の辞任は、まさに青天の霹靂だった。直前の豪州におけるAPEC首脳会談では、テロ特措法による給油活動の継続を「国際公約」と断言し、記者会見では、給油の継続ができない場合の内閣総辞職を示唆した。
折しも、テロ特措法については、給油活動に限った新法を提出することで政府・与党の方針が決まったところだったと聞く。これは、期間延長の改正法では11月1日に法律全体が失効することから、いったん部隊を引くにしても、国会開会中は議論を続けられるようにする意図があると言われていた。
現行法失効を見越した一種のダメージ・コントロールだ。つまり政府・与党には、同日までに野党の同意を得ることは不可能という暗黙の前提があった。にもかかわらず、なぜ総理は給油継続に職を賭すまで思い詰めたのか。
総理にそうした情報が伝わらなかったか、あるいは総理に政治情勢を客観的に見る余裕がなかったのだろうか。「彼を知りて己を知れば百戦して殆(あや)うからず」、時には引くことも立派な決断である。テロ特措法の継続がいかに重要であっても、職を賭したそのタイミングは最悪だった。これでは「政争の具」にもならない。
総理には、逆境を乗り切る「心の強靱さ」が欠けていたと思わざるを得ない。身体的理由などお気の毒な面もあるが、自衛隊の最高指揮官でもある総理には、逆境に遭ってこそ冷静な戦略的判断が望まれる。
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