朝雲寸言2007/8/30付

安倍改造内閣が発足し、防衛大臣に高村正彦氏が就任した。高村大臣といえば、周辺事態法審議の際の外務大臣として、八面六臂の活躍をされたことが思い出される。その経験からいって考え得る最適の大臣の一人であり、久間大臣の辞任以来続いた混乱に終止符を打ち、難局に臨んでいただきたい。
前任の小池大臣は、この2カ月間は2年間に相当する内容があったと自ら総括されたが、むしろ、疾風のように現れ、レジーム・チェンジというべき人事で波乱を起こし、疾風のように去ったという印象が強い。ある意味で「月光仮面」のようではあったが、「水戸黄門」のような爽快な後味はない。
人事の手法と官僚の対応という点で言えば、「小池流」が残した教訓と課題は大きい。「ケータイで通告」というやり方が乱暴なことは言うまでもないが、官邸を巻き込んだ「バトル」としてマスコミの好餌にしてしまったことは、いずれの側も大いに反省しなければならない。真偽はともかく「大臣は防衛省全体を敵に回した」などという事務方のコメントが記事になるようでは、シビリアン・コントロールに服する組織としての信頼が揺らぐ。
生え抜きの次官誕生ならそれに越したことはないが、防衛省が他省庁からの人材に支えられてきた歴史があることも事実。防衛省に限ったことではないが、役所は官僚のためにあるのではないという初心は、忘れてはなるまい。