朝雲寸言2007/6/28付

マカオの凍結資金が北朝鮮に送金され、米国のヒル次官補が平壌を訪問して、今年2月の6者協議で初期段階として合意された寧辺の核施設の閉鎖に、北朝鮮がようやく取りかかることになった。
だが、米朝両国の思惑には多くの謎があり、今後の進展も不透明だ。米国についていえば、マカオの北朝鮮口座を封鎖したのは、同口座が麻薬やニセ札に関連したと認定され、愛国者法によって米国銀行に同行との取引を禁止したからで、これを解除するのは政府が自ら法律違反をすることに他ならない。
愛国者法は民間銀行を拘束するが政府を拘束しないということで、中央銀行自身が送金を受け、ロシアの中央銀行を介して北朝鮮に返還したわけだが、民間に強制したことを政府が自ら破るのは法治国家ではない。
北朝鮮についていえば、わずか25億円程度の金になぜそこまでこだわるのかが分からなかったが、今回の北朝鮮の声明で謎が解けた。曰く「資金問題は米国の敵視政策の象徴だから」何としても突破しなければならない。また、送金が完了したことで「行動対行動の原則に従い」初期段階の措置をとる、と述べている。
要するに、6者協議では北朝鮮の行動が先なのに、米国に先に行動させることで、枠組みを事実上変えてしまったわけだ。このやり口を許すなら、今後も北朝鮮は重油が来ないとかテロ支援国家の解除がないとか、いくらでも難クセをつけてくる。