朝雲寸言2007/5/10付

久間防衛相の訪米は、傍目には、つらい旅だったろうと、同情したい。フロリダでは中央軍司令官と会見できなかったし、ワシントンでの日米防衛首脳会談ではゲーツ国防長官から、秘密保護は防衛省だけではなく政府全体で取り組むべきとか、普天間移設は日米合意を変えることなく実現すべきだといった厳しい注文がついた。
こうした米側の対応は、厳しいだけでなく、同盟国の防衛大臣に対するものとしていささか高慢な態度に見える。久間大臣がイラク戦争に批判的だといっても、ブッシュ政権を支えた米政府の元高官も批判している。
米国内の批判はいいが日本の政治家には言わせないという態度は子供じみている。米側も日本も言いたいことは言う。それが成熟した、対等な国家関係というものだろう。
人権のリーダーを標榜しつつ北朝鮮をテロ支援国家から除こうとしたり、議会の動きとはいえ「従軍慰安婦」問題で謝罪要求とは何ごとかと、こちらとしても言いたいことはいろいろある。
米政権がイラクで難渋しているのは分かるし、同盟国として深く案じてもいる。だからこそ、空自は空輸支援を続け、海自は6年間もインド洋で補給活動を行っている。
以前、「同盟疲れ」という言葉があった。ブッシュ大統領は安倍総理との共同会見で、日米同盟は「かつてなく強固だ」と、これまでと同様に強調してみせたが、いまや同盟という翼の「金属疲労」が心配になる。