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朝雲寸言2007/4/12付
1年前、世間を騒がせた話題は、隊員の自宅PCからのファイル交換ソフト・ウィニーを介した内部情報流出事案だった。安倍官房長官(当時)は記者会見で、ウィニーを使わないよう国民に呼びかける異例のメッセージを出したが、その後も、同種の事案がなくなったわけではない。
今回発覚した海上自衛隊2曹による秘密情報の持ち出しは、未だ外部への流出が確認されていないとしても、イージス艦の性能に関するもので、現行法上最も重い罪となる特別防衛秘密の探知、漏洩に該当する可能性がある。
併せて、同2曹の妻が不法滞在の中国人であったことから、国際的な情報戦につながるとの憶測も根拠のないことではない。昨年、複数の隊員が上海の女性に情報を渡していた事件と共通した背景も感じられる。
そうだとすれば、ウィニーを介した流出が多くの場合過失によるものであるのに対し、故意による流出は本質的に犯意のある悪質な犯行だ。防衛省は昨年以来、この種事案に厳しい処分を適用するとともに、個人用のPCを職場から一掃し、データの持ち出しを禁止するなど、多くの対策を講じてきた。にもかかわらず、こうした事件が後を絶たないのはなぜなのか。
人を動かすものは法や規則ではなく、義もあれば利や情もある。義には苦痛が伴うが、利は人を食い、情は人を流す。利と情で動くなら、ある意味で「義」を実行する情報機関に勝てるわけがない。
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