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朝雲寸言2007/3/29付
「公務員制度改革」が迷走している。内閣は各省庁による公務員の天下り斡旋を一律に禁止する案を打ち出した。省庁が天下りを斡旋すると、その見返りに受け入れ企業に仕事を回すなどの便宜を図るからだ、と言われている。
また、再就職したOBが役所の後輩から情報を聞き出し、談合などの不正行為に荷担することもある、という理由だが、これには各省がこぞって反対している。役所が斡旋しなければ各人が勝手に企業とのコネをつけようとするだろうから、その方が行政の公正性を損なうという主張だ。
この論争を見ていると、公務員個人の能力を評価して雇う企業などあるはずがない、だから公務員は、自分の利益のために在職中も退職後も悪いことをするものだと、どちらも決めてかかっている。そこには、長年にわたる国や社会への滅私奉公にどう報いるかという視点はない。
もちろん、公務員の中には能力のない者も悪事に手を染める者もいる。それらを排除したり厳しく罰することは当然だが、一方で、地雷処理や国民保護などで能力を発揮している多くのOBがいる。
無能力と悪事が公務員の本質だという無茶な前提に立つならば、天下り規制より前に、防衛施設庁や社会保険庁だけでなく政府そのものを解体して行政全体を民間委託すればよい。性善説も間違いだが、公務員にだけ、老後の保障も尊敬もなく滅私奉公を求めるのは天理に反する。
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