朝雲寸言2007/3/22付

イラクでは連日、市民を標的にしたテロが続き、治安情勢は悪化している。イラク政府とアメリカ軍は、バグダッドの治安を回復するために大規模な掃討作戦を開始した。
その結果、バグダッドにおける多国籍軍等を狙ったテロの件数は減少したが、一方、バグダッド以外で市民を狙ったテロは増加し、大規模化している。兵力を集中し、武装勢力を掃討すればそれなりの効果があるが、テロリストは一時身を隠したり別の場所に移動して攻撃を続ける。モグラ叩きのような状態だ。
こうした状況が続けば、やがてイラクは、内戦はおろか国の体をなさなくなる。市民の犠牲者が絶えないのは痛ましいことだが、見方によっては、市民が市場や宗教行事に参加し、市民生活を頑強に続けようとしていることの証でもある。
イラク政府は、こうした市民の強さを結集して、宗派などをめぐる暴力を終結させ、本格的な復興に取り組む条件を作らなければならない。暴力の応酬に未来がないことは、もはやイラク人自身が一番よく知っている。折しも日本政府は、今夏に期限を迎えるイラク特措法の延長作業を開始した。
反対する向きからは、アメリカの戦争が間違っていたとか、いつやめるのかといった声もある。状況が悪くなるとこうした声が出るのは世の常だが、大切なことは、イラクを支持する姿勢を変えないことだ。それがわが国の「初心」ではないだろうか。