6月の朝雲ニュース
 
 日時
 ニュースタイトル
6月24日付

1. <防衛技術> NATOが上空からの地上監視システム「AGS」整備へ
  2010年の量産開始目指す

2. <世界の新兵器> 早期飛翔段階で破壊 ブーストフェーズABMシステム(米)

3. <防衛トピックス> 海 外  MTHEL試験開始
             国 内  部品鋳造技術を開発

6月24日付

1. 「強い幹部」育成で意見交換 幹候校長等会同

2. 石破長官 新田原、浜松を視察 F15、AWACS試乗

3. サマワの宿営地を再現
北富士演習場に「イラク復興支援活動準備訓練用宿営地」 警備や避難を訓練 ゲートなどそっくりに

6月24日付

1. <イラク支援群> 競技場の修復着手 給水・補修も順調に

2. クウェートの空自部隊 2期要員80人が帰国

3. 4次隊第2波の168人が帰国 東ティモールPKO

4. 3地連(青森、新潟、京都)に1級賞状 15地連に2級賞状 地連部長会議開く

5. 仏で航空阻止指揮所演習 WMD(大量破壊兵器)の空輸防ぐ 着陸させ貨物押収 
  空自オブザーバー参加

6. 16年度の事業計画など審議 全国防衛協会定期総会

7. 海1術校に最新の通信術科教材

8. <訃報> 早坂 茂三氏(はやさか・しげぞう=政治評論家)

6月24日付

主権委譲後も活動継続 わが国の指揮下で 多国籍軍に参加しイラク復興を支援

6月17日付

1. 有事関連7法が成立 自治体の役割など規定 国民保護法 大規模テロにも適用

2. 空自輸空隊 第1期部隊 特別賞状を受賞 司令、空輸計画部長ら 長官から1級賞詞

3. <イラク2次隊> 学校修復第1号が完了 「自衛隊に感謝」と生徒

4. 隊友会総会 新会長に瓦元長官 「組織の発展に全力」

5. 51空に新格納庫

6月17日付

空自輸空隊 交代要員現地入り

6月10日付

1. <イラク復興支援> 2次隊の活動本格化 1次隊 旭川で隊旗返還

2. 多国籍軍への参加要件 武力伴わぬ活動に限定 統合指揮下に入らず

3. 「創意で困難克服」 小泉首相がメッセージ

4. <東ティモール> 4次隊1波が帰国

5. 6月7日〜7月9日メンタルヘルス強化期間に 自殺防止施策を徹底へ

6. チリとインドネシア帆船が来日 晴海で一般公開も

6月10日付

1. 16年度 発注予定工事は2310億円 在日米軍施設など計1057件

2. 「環境川柳」を募集 防衛庁環境月間で

6月3日付

1. <イラク復興支援> 2次隊が活動開始  1次隊の帰国完了 給水、医療支援など軌道に

2. 輸空隊 陸自部隊を空輸支援 タリル─クウェート 入・帰国で計10便

3. 「とわだ」囲み整然と 8カ国艦艇が記念写真 インド洋

4. 1輸空国緊隊が陛下に拝謁

5. 米空軍曲技飛行チーム 「サンダーバーズ」来日へ 百里、浜松で飛行展示

6. 6日から「コープノース」 沖縄周辺空域などで

7. 新武器整備場が完成

5月27日付

1. <防衛技術> 整備進む「防衛情報通信基盤(DII)」 作戦用「クローズ系」運用開始へ
  メールで部隊に命令 チャットで会議も可能に

2. <世界の新兵器> 練習機の域超える武装 Yak130(露)

3. <防衛トピックス>
  国  内  レーザー光で監視  
  海  外  装甲化で死傷者減少

 
 
 6月24日付


<防衛技術>
NATOが上空からの地上監視システム「AGS」整備へ
2010年の量産開始目指す

NATO(北大西洋条約機構)は、有人機と無人機からなる地上監視システム「AGS(Alliance Ground Surveillance)」の整備をこのほど決めた。平和維持活動などから軍事作戦までカバーできる同システムは、エアバスA321を改造した空中管制指揮機と米国製無人機RQ4グローバルホークを組み合わせて運用するもので、6月末のNATOイスタンブール・サミットで開発方針などが最終決定される模様だ。これを受けて同プロジェクトを担当する欧米の企業体TIPS(Transatlantic Industrial Proposed Solution)では、2010年の量産開始を目指し開発を加速化させる。

エアバスA321改とグローバルホークで運用

A321を改造した空中管制指揮機(左上)と無人機RQ4(左下)を組み合わせたNATOの地上監視システム「AGS」運用構想図


NATO加盟各国が総額40億ユーロを投入して整備しようとしているAGSは、高性能の地上監視レーダーを搭載した航空機を作戦戦域に滞空させて地上を監視、得られた情報をリアルタイムで味方部隊に伝送し、効率よく対地攻撃しようとするもの。
同システムにより地上の敵部隊は上空から24時間モニターされるため、行動のすべてが把握されることになり、相当な偽装工作を施さない限り丸裸にされる。AGSはまさにNATO地上軍のC4ISR(指揮・統制・コンピューター処理・通信・情報・監視・偵察)の基幹となり、統合運用の要になる。
米軍はすでにイラク戦争で空中管制指揮機E8Cジョイントスターズやプレデターなどの無人機による戦域監視システムを実用化しており、AGSはそのNATO版を目指すものだ。米軍はイラクでテロリスト幹部の捜索に同システムを活用、上空から複数のアジトを常時監視し、幹部らの動きをつかむと直ちに空爆するなどの作戦を行ってきた。
E8Cは機体の前部胴体下にカヌー形の側視機上レーダーを搭載、1万メートルの上空から地上を監視し移動目標の動向をモニターする。また同機は偵察衛星のものと同様の合成開口レーダーを搭載、地上の車両の識別さえも可能といわれ、米軍の地上作戦には欠かせない装備の一つとなっている。
NATOは欧州製航空機でE8Cに匹敵する空中管制指揮機を開発する計画で、その機体には滞空時間の長いエアバスA321が選定された。開発を担当する企業体TIPSは欧州のEADS社と米ノースロップ・グラマン社が主導、すでに設計が開始されており、2007年度から調達を開始、10年度から量産を開始する計画となっている。
A321型では、コストを削減するため機体の改造を最小限にとどめ、側視レーダーは機体上部に架台を載せて取り付けられる。機内にはレーダーなどで得られた情報を処理するためのワークステーションが14基搭載される計画だ。
同機を補完する無人機RQ4グローバルホークは、数機を同時に運用する計画だが、その遠隔操作は機側が行うか車載化した地上局が行うかはまだ決定されていない。
米軍では無人機に対地ミサイルや誘導爆弾を搭載し、目標の確認とともに即時空爆できる態勢になっており、NATOのシステムでも同様の運用を目指すものとみられる。
同システムは「海のイージス艦」と同様、地上すべての部隊をその監視下に置くNATOの「空の要塞」として、近い将来、圧倒的な存在感をもって紛争地の上空に展開することになろう。


 
 
 6月24日付


<世界の新兵器>
早期飛翔段階で破壊
ブーストフェーズABMシステム(米)

米レイセオン社が開発した弾道ミサイル迎撃用キネティック弾頭のモデル


ノースロップ・グラマン社とレイセオン社のグループはロッキード・マーチン社とボーイング社のグループとの競争に勝ち、飛翔中の敵の弾道ミサイルをブーストフェーズにおいて破壊することを意図した「運動エネルギー(KEI)」の開発担当会社に選択された。
このKEIプログラムは米国で現在開発中の他のブーストフェーズ、中期および終末防衛迎撃プログラムを補完することを意図したものである。
ノースロップ・グラマン社を中心とした企業チームは米国ミサイル防衛局の広域多層ミサイルシステムのブーストフェーズ・エレメントの開発・試験を実施する。8年にわたる40億ドル以上の契約に基づき2010─12年の間に運用システムの展開が終了することが期待されている。
勝利チームの設計は固体推進薬のミサイル(長さ11メートル、径0・9メートル)、2発の発射筒を有する移動式発射機、今までに開発されたどの迎撃装置よりも高速かつ機動性の高い迎撃装置、指揮統制戦闘管理(C2BM)および通信システムを収納したHMMWV、敵ミサイルの発射信号を処理するための衛星受信機などから構成され、同システムはC17輸送機で空輸可能なように設計されている。
ノースロップ・グラマン社の責任分担にはシステム技術、システム統合と試験、C2BM、通信および発射機の開発が含まれており、主下請け会社のレイセオン社の責任分担にはキルビークルの開発、迎撃装置の統合、兵器システム技術の重要な部分の提供が含まれている。
その他のチームメンバーにはエアロジェット、アライアントテクシステム、オービタルサイエンス、ロックウェルコリンズ、SAICなど複数社が参画している。このうち、オービタルサイエンス社はKEIプログラムのブースターロケットの設計、開発、試験および早期の製造に関する責任を負っている。
その名前のごとく、KEIは"hit-to-kill"システムであり、キルビークルと敵ミサイルの間の直接衝突による運動エネルギーに依存し、衝突時の相対速度(接近速度)は秒速1〜10キロメートルに達する。
ブースト/サステインフェーズ飛翔の弾道ミサイルの迎撃には強いガス噴流のプルームを放射する目標に対処できる高速ミサイルが必要となる。この早期飛翔段階の敵ミサイルを攻撃することによって、防衛する側は敵ミサイルの大気圏再突入時の多弾頭化による侵攻に対処する必要がなくなる。
一方、相手側の複数ミサイルの連続発射、ロケット推進の囮(デコイ)および妨害装置(ジャマー)の使用、または迎撃装置の機動および誘導・制御能力をそぐこと、さらに推進薬を使い果たすことを意図した回避運動等によりブーストフェーズの迎撃性能の劣化が米国物理学会主催の報告で指摘されている。
柴田 実(財)防衛技術協会・客員研究員

 

 
 
 6月24日付


<防衛トピックス>

海  外
MTHEL試験開始



車載型レーザー砲「MTHEL」の完成予想図

米陸軍とイスラエル国防省はこのほど、米ニューメキシコ州ホワイトサンズ演習場の高出力レーザー試験施設で車載化レーザー砲用のMTHEL(Mobile THEL)の試験を行った。
目標追跡用のソフトを車載化に対応できるように改良し、砲を異なる目標に指向するテストを初めて実施したもの。MTHELは昨年、ノースロップ・グラマン社の案が採用され、試作車両は07年に完成する予定。


五輪を前に防護部隊

ギリシャは8月に行われるアテネ五輪を前に、NATO軍の特殊兵器防護部隊を受け入れた。同隊は2003年に編成されたばかりのCBRN(化学・生物・放射能・核)防護大隊(駐屯場所・チェコ)で、人員約160人で編成、最新の防護器材が装備されている。
防護大隊は五輪が終了するまでアテネ近郊の同国駐屯地に待機し、テロなどに備える。


国  内
部品鋳造技術を開発

石川島播磨重工業など航空エンジンメーカー3社で構成する超音速輸送機推進システム技術研究組合は、エンジン部品を対象に革新複合機能化鋳造プロセスの開発を進めている。
高精度・複雑形状成形工程の統合、超軽量化を実現する鋳造技術を確立することで国際競争力を高めるのが目的。ロータス型ポーラス金属・合金適用部材の成形、局部結晶制御鋳造プロセス技術に重点が置かれ開発が進められている。

 

 

 

 
 
 6月24日付


「強い幹部」育成で意見交換
幹候校長等会同

空自幹候校(奈良)で6月15、16の両日、平成16年度幹部候補生学校等校長会同が開かれた。
陸海空の各自衛隊幹部候補生学校が持ち回りで年1回開催しているもので、当日は防医大の鳥潟親雄校長、防大幹事の吉川洋利陸将、陸幹候校長の渡辺隆将補、海幹候校長の保井信治将補、空幹候校長の山口金光将補が出席。
空幹候副校長の山内賢二1佐が同校の現況説明を行った後、山口校長の司会で各幹候校の教育の現状、強い幹部となるための幹部候補生の育て方、各校が持つ悩み、最近の幹部候補生の特質と今後の教育法などについて具体的な意見が交わされた。
会同後、各校がそれぞれの特色を生かして幹部育成に取り組むことや、防大や防医大との連携強化の必要性などを再確認した。

 

 
 
 6月24日付


石破長官
新田原、浜松を視察
F15、AWACS試乗



空自新田原基地を視察し、5空団隊員らを巡閲する石破長官と、その左は岩切基地司令(6月21日)

石破防衛庁長官は6月21日、宮崎県の空自新田原、22日に静岡県の空自浜松両基地を視察した。防衛庁長官の新田原基地視察は18年ぶり、浜松基地視察は2年ぶり。
長官は21日午前11時すぎ、津曲空幕長らを伴い入間基地からU4多用途機で新田原基地に到着。栄誉礼の後、午後から格納庫前のエプロン地区で岩切成夫基地司令以下約900人の隊員を巡閲。次いで訓示し、イラク主権移譲後に編成される多国籍軍への自衛隊参加について「すべての国が賛成する中で日本が参加しなかったら国際社会の責任ある立場を果たしたとは言えない」と述べた。
この後、長官は基地の現況報告を受け、基地内を視察。飛行教導隊ではF15DJ戦闘機に同乗して約1時間、宮崎沖の訓練空域を飛行した。
翌22日には津曲空幕長、大井篤参事官を伴い午後2時すぎ、CH47Jヘリで浜松基地に到着。堀好成基地司令以下約1000人の隊員に迎えられ栄誉礼を受けた。吉田正教育集団司令官から基地の現況報告を受け基地内を視察した後、観閲式に臨み訓示。次いで、警戒航空隊のE767早期警戒管制機(AWACS)に乗り込み、約3時間、訓練空域で通常訓練を視察した。

 
 
 6月24日付


サマワの宿営地を再現
北富士演習場に「イラク復興支援活動準備訓練用宿営地」
警備や避難を訓練
ゲートなどそっくりに



イラクの陸自サマワ宿営地を模して造られた「準備訓練用宿営地」のゲート付近

イラクに派遣される隊員のための専用訓練施設「イラク人道復興支援活動準備訓練用宿営地」がこのほど山梨県・北富士演習場の梨ケ原廠舎地区に完成し、第3次隊派遣要員候補者の訓練が開始されている。
同施設は陸自のサマワ宿営地の一部を模して造成されたもので、宿営地までの取り付け道路やゲート、側溝、土塁などが現地と同様に設けられ、主に警備などの機能別訓練が行えるようになっている。
ミニ宿営地前の取り付け道路は自爆車両が高速で突入できないように、現地と同じくジグザグとなっており、ゲートの前では検問の訓練が行われる。周囲には側溝、土塁、2段蛇腹、外柵などが現地宿営地と同様に設けられているほか、内部には監視用鉄塔・待機所なども設置され、不審者の接近や侵入に対する訓練ができる。
このほか隊員の避難所となるコンテナもあり、これらは砲撃をされた場合などの緊急避難訓練に用いられるほか、宿泊にも利用できる。
同施設を使った最初の訓練は5月31日から6月4日までの5日間、3次隊要員候補が主に警備訓練を行った。今後、派遣部隊は北富士の同訓練施設を活用し、実地に即した訓練を繰り返し行い、現地に向かうことになる。



パイプを組んでつくられた2基の監視塔と、待機所の模擬施設



外部からの侵入を防ぐための2段蛇腹の外柵と、内側は土を盛り上げた土塁、その奥に監視塔が見える

 

 

 
 
 6月24日付


<イラク支援群>
競技場の修復着手
給水・補修も順調に

陸自の第2次イラク復興支援群(群長・今浦勇紀1佐)は給水支援や学校・道路補修などを順調に進めると同時に、6月15日からサマワ市内にある「ムサンナ県オリンピック・スタジアム」の補修工事を開始した。同スタジアムは約5000人の収容能力がある陸上や球技用競技場で、1973年に建設された。
スタジアム補修は現地の施工業者を監督して行うもので、グラウンドの塩分濃度の濃い表土を除去して整地し、新たに給排水設備を整えた上で芝生を植えつける。アテネ五輪への参加などでイラクの若者に人気の高いサッカーもできるようになる。竣工は7月下旬の予定。
6月15日には佐藤業務支援隊長、渉外調整係の大矢1尉、地元のスタジアム管理責任者、役務業者らが参加して工事開始式が行われた。


 
 
 6月24日付


クウェートの空自部隊
2期要員80人が帰国

クウェートを拠点にC130H輸送機でイラク人道復興支援物資の空輸任務に当たっている空自派遣輸送航空隊などの2期要員のうち、前段の約80人が6月20日夕、民航機で関西空港に帰国、翌21日には小牧基地体育館で帰国行事が行われ、空輸計画部長を務めた柳原孝重1佐が小川剛義支援集団副司令官に帰国を報告した。
また、C130H2機も交代のため同19日、2期要員の約20人を乗せてアリ・アルサレム空軍基地を出発、23日、小牧基地に帰国する。

 

 

 
 
 6月24日付


4次隊第2波の168人が帰国
東ティモールPKO

5月20日でPKO任務を終了した陸自第4次東ティモール派遣施設群(群長・川又弘道1佐以下西方主力の405人)の第2波隊員が6月16日、国連チャーター機で熊本空港に帰国した。古野茂樹2佐以下168人で、空港からバスで健軍駐屯地に到着し、待ちかねた家族や同僚隊員ら約800人の盛んな出迎えを受けた。
帰国行事では隊員を代表して古野2佐が森西方総監に帰国を報告、森総監は「東ティモールの建国という歴史に足跡を残す大変な任務だった」と訓示して派遣隊員の労をねぎらった。
この後隊員食堂で懇親会が行われ、派遣隊員は家族と約8カ月ぶりの再会を喜び合った。
4次隊は残る第3波の隊員約130人も6月下旬に帰国、7月3日に健軍駐屯地で隊旗返還式を行う。陸自部隊の完全撤退後は自衛隊退職者によるNPO組織「日本地雷処理・復興支援センター」(略称・JDRAC、理事長・平崎憲昭元陸将補)が陸自宿営地跡で現地の建設技術者養成などに当たる。

 

 

 
 
 6月24日付


3地連(青森、新潟、京都)に1級賞状
15地連に2級賞状
地連部長会議開く

平成16年度の地連部長会議が6月14、15の両日、防衛庁で開かれ、全国50地連部長と各方面人事部長らが出席、今年度の募集、就職援護、予備自など地連業務の施策について討議した。
14日午後2時すぎ、A棟講堂で会議に先立ち優秀地連の表彰が行われ、先崎陸幕長が札幌など15個地連に2級賞状を授与。続いて嘉数政務官、石川統幕議長、先崎陸、古庄海、津曲空各幕長らが出席して、浜田副長官から青森、新潟、京都の3地連に1級賞状が伝達された。
この後、浜田副長官が石破長官の訓示を代読。「国民と自衛隊の最も身近な接点として国防の中核となる人材の確保に尽力し、防衛に関する国民的基盤の育成に重要な役割を果たしている諸官と全国で任務に精励する地連隊員諸官に、心から感謝申し上げる。イラクでの自衛隊の努力を国民、とりわけ将来わが国の防衛力を担う有為な若者に伝えていただきたい。彼ら第一線の自衛官を支えるのは諸官。その思いを忘れずに努力を」と要望した。
次いで先崎陸幕長が「地連は15年度もそれぞれの業務で所期の目標を達成しており、各地連部長はじめ全職員の労を多とする」とした上で、「防衛庁・自衛隊の人事施策における第一線の要として、自衛隊の存立基盤を確立して新たな脅威や多様な事態への対応を容易にするため、国民の理解と協力の獲得、部外機関との緊密な関係の維持・構築、厳正な各種業務の遂行に務めよ」と要望した。
この後会議に移り、陸、海、空幕の各課長らが人事、留守家族支援、募集、就職援護、予備自業務などに関する施策の説明を行った。
15日は午前10時すぎから研究会が開かれ、地域の特性に応じた募集のあり方、部外関連業務における地連の果たすべき役割などについて討議が行われた。
同夕には関連行事として16年度優秀広報官等の陸幕長表彰が行われ、夫人らとともに招かれた広報官23人、就職援護担当官9人、予備自担当官3人の計35人が表彰された(優秀広報官等の氏名は次号の募集版に掲載)。
 1、2級賞状を受けた地連は次の通り(カッコ内は地連部長名)。
〈1級賞状〉青森地連(西野哲1空佐)、新潟地連(中野陽一郎1陸佐)、京都地連(福田敏1陸佐)
〈2級賞状〉札幌地連(寺田和典1陸佐)、帯広地連(長谷川儀蔵1陸佐)、茨城地連(太田康和1陸佐)、埼玉地連(上原修一1空佐)、石川地連(行本雄司1空佐)、岐阜地連(渡辺正和1空佐)、兵庫地連(片山和美1陸佐)、和歌山地連(柳生美樹夫事務官)、島根地連(古原康孝1陸佐)、岡山地連(宇佐美真1陸佐)、山口地連(吉松卓夫1空佐)、高知地連(水嶋達人1陸佐)、佐賀地連(小原繁1陸佐)、熊本地連(大塚敏郎1陸佐)、宮崎地連(本村久郎1空佐)

 

 
 
 6月24日付


仏で航空阻止指揮所演習
WMD(大量破壊兵器)の空輸防ぐ
着陸させ貨物押収 空自オブザーバー参加

大量破壊兵器を運ぶ航空機の飛行阻止を目的とするフランス主催の航空阻止指揮所演習「ASPE04」が6月23、24の両日、米英など15カ国が参加してフランスで行われ、空幕運用課から1人がオブザーバーとして派遣された。
同演習は、昨年9月にパリで開催された大量破壊兵器拡散防止構想の会合で参加国が合意した陸海空による合同阻止活動の一環で、「拡散安全保障イニシアチブ(PSI)」宣言に基づき、各国の国内法の範囲で国際的な枠組みに従って行われる「臨検」活動。
演習では、大量破壊兵器などの貨物を運搬している疑いのある航空機が自国領空を通航している場合などを想定し、(1)事前に自国領空の通航権を拒否する(2)多国間で協力しながら当該機に検査のための着陸を求め、確認されれば貨物を押収する──など一連の阻止活動における指揮所演習を行った。
PSIに基づく訓練は、昨年9月に豪州海域で初の海上阻止訓練が行われ、海上保安庁が参加。昨年10月には英国主催で行われた初の航空阻止図上演習に内局と空自から計3人、今年2月の伊主催の航空阻止実動訓練には空自から1人がオブザーバー参加している。
           

 

 
 
 6月24日付


16年度の事業計画など審議
全国防衛協会定期総会

全国防衛協会連合会(会長・山口信夫日本商工会議所会頭、会員約60万人)は6月15日、東京・新宿のグランドヒル市ヶ谷で16年度(第14回)定期総会を開催、引き続き東京都防衛協会との共催で講演会と懇親会を開いた。
総会には全国から役員約70人が出席、15年度事業・会計報告と16年度事業計画・予算案を審議、了承した。新年度事業計画では、海外派遣部隊を含めて自衛隊の激励・支援をさらに進めることなどを決めた。次いで講演会が開かれ、佐藤行雄(財)日本国際問題研究所理事長(前・国連大使)が「国連と日本」と題して約1時間講話した。
懇親会には石破防衛庁長官以下、防衛庁・自衛隊の主要幹部と協力団体役員ら来賓約70人が出席。山口会長が「自衛隊は近年、国際協力活動も活発で、国民の信頼をますます深めている。われわれは、隊員の皆さんが存分に任務にまい進できるよう応援してまいりたい」とあいさつ。石破長官の来賓祝辞のあと、小泉首相らの祝電披露があった。
同連合会の下部組織、東京都防衛協会(山口信夫会長)も同日、会員約150人が出席して同ホテルで16年度(第39回)定期総会を開き、15年度の事業報告、16年度事業計画などを審議、了承した。
           

 

 
 
 6月24日付


海1術校に最新の通信術科教材

【海1術校=江田島】海自1術校の通信科は4月1日から、新しい通信術科教育用視聴覚教材「2RMT」(第2ラジオ・マン・トレーナー)の運用を開始している。平成4年6月から運用していた通信術科訓練装置(RMT)の老朽化に伴い、14、15年度の2年計画で開発、実用化した。
これまでのRMTは、護衛艦などに装備されている機器を模擬して接続した4つの通信室で構成され、電報の送受信、通信要務、信務と各機器の操作法などの教育に使われてきた。これに対し2MRTは、35台のパソコンでLANを構成、電報の送受信など従来の教育機能だけでなく、画面に実機を模擬して機器の操作法が学べるほか、アニメーション画面の表示で学生の理解を助けることができる。さらに各機器の組み合わせでチームとしての教育訓練も可能だ。
同校には通信職域の学生が年間、約200人入校するが、2RMTの導入で通信の近代化に伴う部隊サイドの教育ニーズにも対応できるようになった。学生からは「最新の機器がマウスの操作ひとつで簡単に表示され、理解しやすい」などの感想が聞かれている。


芦屋基地滑走路打ち替え工事終わる

芦屋基地で昨年9月から行われていた滑走路の打ち替え工事がこのほど終了、滑走路が使用できなかった同期間、他の基地に移動訓練に出ていた13飛教団のT4中等練習機などが相次いで戻り、同基地での飛行訓練を再開した。
訓練を再開したのは、浜松と築城の両基地に移動していた13飛教団のT4全約30機のほか、築城基地に移動していた芦屋救難隊のU125A救難捜索機1機。同救難隊のUH60J救難ヘリは芦屋基地にとどまって救難業務を行っていた。
           

 
 
 6月24日付


<訃報>
早坂 茂三氏(はやさか・しげぞう=政治評論家)

6月20日、肺がんのため都内の病院で死去。73歳。葬儀は近親者のみで行われた。自宅は東京都目黒区平町2ノ21ノ4ノ106。
北海道出身。昭和30年早大政経学部卒。東京タイムズ入社後、社会部、政治部を経て昭和37年、田中角栄蔵相秘書官になり、以後、田中政権時代を含め23年間にわたって政務・政策担当秘書を務める。60年に、政治評論家として独立。執筆、講演、テレビ・ラジオ出演を通じて精力的に評論活動を行う。平成7年4月から1年間、「朝雲」のコラム「春夏秋冬」で健筆を振るった。

 

 

 
 
 6月24日付


主権委譲後も活動継続
わが国の指揮下で
多国籍軍に参加しイラク復興を支援

政府は6月17日の安全保障会議と翌18日の閣議で、今月末、イラク暫定政府への主権移譲後に編成される多国籍軍に、自衛隊が参加して人道復興支援活動を継続することを決定するとともに、政府見解を発表した。政府見解は、国連安保理で決議1546が全会一致で採択され、イラク暫定政府が国際社会に対し多国籍軍の駐留を含めた支援を要請していることを踏まえ「イラクの復興と安定がわが国自身の安全と繁栄にとって重要。イラクへの主権回復後も自衛隊が引き続き活動を継続する」とし、6月30日以降、自衛隊は多国籍軍の統合された司令部の指揮下には入らず、わが国の主体的な判断の下、わが国の指揮に従い活動すること、米英政府もこれを了解していることを明記している。閣議では併せて、イラク人道復興支援特措法の施行令の改正と同法に基づく対応措置に関する基本計画の変更を決めた。今月末に施行される。


政府見解は「6月8日、国連安保理において決議1546が全会一致で採択された。イラクにおいては同月30日をもって占領が終了し、完全な主権が回復される」とした上で、これまでの自衛隊による人道復興支援活動が「現地で高い評価を得ており、イラクへの主権の回復後も活動の継続に強い期待が寄せられている」と指摘。
さらに国連安保理の新たな決議で「これまで自衛隊が行ってきたような人道復興支援が多国籍軍の任務に含まれることが明らかになった」と、活動継続の理由を挙げた上で、「自衛隊は多国籍軍の中で今後とも活動を継続する」としている。
「多国籍軍の指揮下に置かれると、武力行使などに巻き込まれる恐れがある」とする野党などの批判も念頭に、政府見解は自衛隊の指揮系統について、「多国籍軍の中で、統合された司令部の下にあって、同司令部との間で連絡・調整を行うが、同司令部の指揮下に入るわけではない。わが国の主体的な判断の下に、わが国の指揮に従い、イラク特措法とその基本計画に基づき、暫定政府に歓迎される形で復興支援活動等を行う」としている。
また、これら指揮権の問題は「主要な構成国である米英政府との間で了解に達している」として、日本の主体的な判断が担保されていることを強調している。
さらに、自衛隊の活動はこれまで通り(1)憲法の禁じる武力の行使に当たる活動は行わない(2)イラク特措法に基づき「非戦闘地域」で活動(3)他国の武力の行使と一体化しない――ことも明記している。
石破防衛庁長官は閣議後の記者会見で活動継続の決定に関連して、「派遣する隊員の安全確保に最大限の対策を講じた上で、人道復興支援活動を実施することで国際社会の一員としてイラク復興に寄与できるよう、全力を尽くしたい」と、閣議の席上で述べたことを明らかにした。
また、先崎陸幕長は17日の会見で「イラク暫定政府に主権が移譲されても、陸自部隊の復興支援活動の大きな枠組みは変わらないと認識している。ただし、CPA(連合国暫定施政当局)がなくなるので個々の機関との調整が複雑・煩雑になる可能性がある」と述べ、今後、業務支援隊の要員を増強する考えを明らかにした。

 

 

 
 
 6月17日付


有事関連7法が成立
自治体の役割など規定
国民保護法 大規模テロにも適用

【成立した有事関連7法】
国民保護法
米軍の行動円滑化法
特定公共施設等利用法
改正自衛隊法
外国軍用品等の海上輸送規制法
捕虜等の取扱い法
国際人道法違反行為処罰法

日本有事の際に国民の生命・財産を守るため国や地方自治体の権限・役割、私権の制限などを定めた「国民保護法案」など有事関連7法案とジュネーブ議定書など条約承認3案件が6月14日、参院本会議で自民、公明、民主党などの賛成多数で可決、成立した。これにより昨年6月に成立した武力攻撃事態対処法など3法と併せ、有事における法制の骨幹が整った。国民保護法は9月にも施行の運びとなる。石破防衛庁長官は15日の記者会見で「昭和52年の福田内閣のときに研究が始められ、長い年月がたった。法律を作ることが抑止力になり、大きな意義がある」と述べた。今後は衆院段階で与党と民主党との間で合意した「緊急事態基本法」(仮称)の次期通常国会での制定が焦点となる。

「抑止力として大きな義務」石破長官

成立した有事関連法は、「国民保護法」「米軍の行動円滑化法」「特定公共施設等利用法」「国際人道法の重大な違反行為の処罰法」「外国軍用品等の海上輸送規制法」「捕虜等の取扱い法」「改正自衛隊法」の7法と、「日米物品・役務相互提供協定の改正」「ジュネーブ条約追加議定書1」「同議定書2」の条約締結承認3件。
「国民保護法」は(1)総則(2)避難に関する措置(3)救援に関する措置(4)武力攻撃災害への対処に関する措置(5)国民生活の安定に関する措置等(6)復旧、備蓄その他の措置(7)財政上の措置(8)緊急対処事態に対処するための措置(9)雑則(10)罰則──から成り、国民の避難・誘導・訓練など国や地方自治体等の権限・役割をはじめ、食品の売り渡し要請や土地・家屋の使用、交通規制に従わない場合の罰則などを細かく規定、武力攻撃事態だけでなく大規模テロなどにも適用されるのが特徴だ。
昨年6月に成立した自衛隊の行動を中心にした武力攻撃事態対処法など3法案の審議の過程で、国民の避難・救援の規定が欠けているとの批判が出され、国民保護に関する法律の1年以内の制定を付帯決議して今回成立した。
防衛庁はこれまで、有事法制について防衛庁所管の第1分類、他省庁が絡む第2分類、所管が多岐にわたる第3分類に分けて検討を進めてきたが、国民保護法には第2、第3分類まで踏み込んだ内容が盛り込まれたことで、画期的な意義をもつ法律となった。
今後、同法に基づき政府が定める基本指針に沿って都道府県など自治体は平時から国民保護協議会を設置、国民の避難・誘導など救援にかかわる「保護計画」の策定に着手、2、3年内に整備される見通しだ。また政府は、与野党の修正協議で合意した、大規模自然災害への対処なども含めた「緊急事態基本法」についても、来年の通常国会に法案を提出することになる。
一方、「米軍の行動円滑化法」は、米軍に対する支援と米軍の行動に伴う国民生活との調和を図るのが主眼。これまでの物品・役務相互提供協定(ACSA)は周辺事態あるいは日米共同訓練が対象で、日本有事の場合を想定していなかったが、行動円滑化法と「改正自衛隊法」、ACSA改定によって有事の際にも適用できるようにしたほか、米軍への民有地の提供や、それに伴う損失補償などを規定している。また、「特定公共施設等利用法」は自衛隊、米軍が空港、港湾施設、道路、電波などを優先して使用できるよう定めた。
「外国軍用品等の海上輸送規制法」は、自衛権の行使に伴う措置として、有事においてわが国を武力攻撃している国の民間船舶が武器・弾薬、兵員を輸送している場合に停船・回航、積荷を差し押さえるなどの措置を取れるよう定めた。
「捕虜等の取扱い法」は1953年に国会で承認されているジュネーブ条約第3条約の国内法が制定されていなかったのを整備したもので、捕虜の拘束、抑留手続きなどを細かく規定した。「国際人道法の重大な違反行為の処罰法」もこれと関連して捕虜送還の遅延や文民出国の妨害、文化財破壊などに対する罰則を定めている。

 
 
 6月17日付


空自輸空隊 第1期部隊
特別賞状を受賞
司令、空輸計画部長ら
長官から1級賞詞



石破長官から総理大臣の特別賞状を伝達される初代輸空隊司令の新田明之1佐(6月10日、防衛庁で)

イラク復興支援のため昨年12月から今年4月までクウェートなどに派遣されていた空自第1期派遣部隊と隊員に6月10日、内閣総理大臣の「特別賞状」と、防衛庁長官からの1級賞詞がそれぞれ授与された。
大臣室で行われた表彰式には、浜田副長官、中島政務官、守屋事務次官、津曲空幕長らが立会。クウェートのアリ・アルサレム空軍基地を拠点にイラク国内への物資空輸任務を行った「イラク復興支援派遣輸送航空隊」と同支援部隊等に小泉首相からの特別賞状が石破長官から伝達された。
特別賞状は、空自ではルワンダ(平成6年)、アフガニスタン(同13年)、東ティモール(同11年)の各国際平和協力業務に続いて4回目、防衛庁・自衛隊としては18回目。
一方、派遣隊員の個人表彰では、初代輸空隊司令として過酷な環境下で部隊を統率、確実な物資空輸を行いイラクの復興に貢献した功績で新田明之1佐と、カタールのアルウデイド空軍基地の空輸計画部で初代部長を務めた溝口博伸1佐、先遣要員として同部を立ち上げ、2代目部長を務めた宮川正1佐の計3人にそれぞれ1級賞詞が石破長官から授与された。

 

 

 
 
 6月17日付


<イラク2次隊>
学校修復第1号が完了
「自衛隊に感謝」と生徒

陸自第2次イラク復興支援群(群長・今浦勇紀1佐)は6月13日、給水、医療、公共施設復旧支援のうち、1次隊から引き継いだムサンナ県ダラージ村のオローバ中学校の修復工事を完了した。同日、今浦群長、佐藤業務支援隊長、森田施設隊長らが出席して竣工式が行われた。
地元からはラーエット村評議会議長、カリム・アリ・ガディ校長と工事を担当した業者、生徒約30人が参加。ラーエット議長は「ダラージを代表して日本に感謝したい。この地域はとくに教育に関する支援を必要としている。復興のため皆さんが力を尽くしてくれることを期待している」と謝意を述べた。生徒代表も「自衛隊に感謝します。おかげでしっかり勉強できます」とあいさつした。席上、群長、支援隊長からサッカーボール10個、文房具30セットが生徒に贈られた。
オローバ中学校の補修は支援群が初めて取り組んだ工事で、3月25日から役務業者を指導監督する形で実施。内外壁をはじめ電気配線、照明器具の設置、扉、窓枠の補修のほか、新しい机なども搬入された。
一方、10日にはサマワ・ギャラリーで「日本・イラク親善サッカーフェア」が開かれ、県や市のスポーツ担当幹部、地域のサッカースクール指導者、選手ら約70人が参加。今浦群長は「世界の人々がサッカーを楽しめるような平和を願うとともに、皆さんがイラクの国づくりにまい進されることを望みます」とあいさつした後、子供たちにボール100個を贈呈した。
この後、隊員チームとの親善試合が行われた。

 

 
 
 6月17日付


隊友会総会
新会長に瓦元長官
「組織の発展に全力」

社団法人「隊友会」の16年度総会が6月9日、東京・新宿のグランドヒル市ヶ谷で開かれ、役員人事で新会長に元防衛庁長官の瓦力衆院議員が選出された。前会長の池田行彦衆院議員が今年1月に死去、副会長が会長代理を務めていた。
評議員会に続いて開かれた総会では15年度事業報告案、同収支決算案、16年度事業計画案、同収支予算案、役員改選案がいずれも全会一致で承認された。
役員改選では副会長の志摩篤、村田直昭、岡部文雄、石塚勲の4氏、常務理事の宮本敏明、林博太郎両氏がそれぞれ退任。新役員には瓦会長のほか4副会長、常務理事、監事らが選出された。
この日の式典には石破防衛庁長官をはじめ防衛庁幹部、郷友連、父兄会、友好団体各会長ら来賓、自衛隊関係者ら合わせて約230人が出席。
瓦新会長は式辞で「平成5年、第3代会長に就任した池田行彦先生は組織の発展に多大の貢献をしたが、本年1月病気のため逝去され、本日、私が第4代会長として重責を継承することになった。先輩会長の功績を基盤に、皆さまの積極的な協力を得て、組織の発展と会活動の活性化に全力を尽くしたい」と、抱負を述べた。
瓦会長は続いて同会の活動に功績のあった330団体と個人の代表80人に感謝状と表彰状を贈った。
この後、懇親会が開かれ、浜田副長官のあいさつに続いて、来賓として出席した中谷元前長官、月原茂皓参院議員、鈴木正孝元衆院議員、防衛庁幹部らが紹介された。
同会は現在、正会員13万5000人、賛助会員22万5000人、特別会員3000人の計36万3000人で、51の地方組織と1400の支部がある。
新たに選出された役員は次の通り。
▽会長=瓦力▽副会長=冨沢暉(元陸幕長)、福地建夫(元海幕長)、村木鴻二(元空幕長)、伊藤康成(前防衛事務次官)▽常務理事=藤田昭治(元統幕校長・陸)、田内浩(元大湊総監)▽地方理事=宇野章二(元東方総監)、斎藤昇(元会監隊北方分遣隊長)、阪本憲昭(元船岡業務隊長)、牧田直義(元海自通処長)


 

 
 
 6月17日付


51空に新格納庫



格納庫とP3C、SH60J、Kをバックに記念撮影する小川司令以下の51空隊員(4月16日、厚木基地で)

【51空=厚木】海自の実験航空部隊、51航空隊に新しい格納庫が完成、4月1日から本格運用を開始した。幅110・2、奥行き58・2、高さ20・7メートルの広さがあり、同隊のP3C固定翼機2機、SH60J・K各ヘリ約10機と各種地上支援機材などが余裕をもって収容できる。
同16日、高橋享空団司令官をはじめ仲井隆夫4空群司令ら厚木基地各級指揮官を招いて新格納庫披露行事と同格納庫のシンボル・モニュメントの除幕式が行われ、高橋司令官が「航空集団は現在、MPA(次期固定翼哨戒機)をはじめ各種装備品など七つの開発事業を同時進行中である。51空隊員は新格納庫への移転を契機にさらに飛躍し、海上航空の発展に寄与することを期待する」と訓示、激励した。

松空でも新1格完成

◇松空 海自小松島航空隊の新しい第1格納庫がこのほど完成、4月16日、落成披露行事が行われた。松田和典司令以下隊員代表7人によるテープカット後、航空機を初格納し、本格運用を開始した。
旧1格は昭和40年3月の同隊開隊時にできたもので、現有のSH60Jヘリの格納庫としては狭く、特に、全高5・18メートルのSH60Jに対し、格納庫入口の高さは5・5メートルと、出入りには細心の注意が必要だった。新1格は広さが約1・3倍で出動待機4機が余裕をもって収容できるほか、入口の高さも6・8メートルに改善。付帯する事務室などは2階建てとなり、北側は飛行隊、東側は整補隊が使用、これまで分散していた事務室などが一区画に納まった。
同隊では基地施設の老朽化と飛行場場周経路飛行の安全確保に対処するため、平成12年度から各種施設の新設や改修事業に着手しているが、新1格は飛行場施設の最初の完成。今後、管制塔、地上救難車庫、燃料タンクの新設や滑走路の方位変更工事などが18年度までの間に行われる予定。

 

 
 
 6月17日付


空自輸空隊 交代要員現地入り

クウェートを拠点にイラクへの支援物資空輸を行っている空自「イラク復興支援派遣輸送航空隊」と、カタールで運航調整に当たっている「空輸計画部」の交代要員約100人のうち、古屋隆二1佐以下約83人が6月14日、成田空港から民航機でクウェートに向け出発、15日、ムバラク空軍基地に到着した。
13日に入間基地体育館で行われた出国行事では、カタールのアルウデイド空軍基地の空輸計画部長・柳原孝重1佐と交代する古屋1佐が小川剛義支援集団副司令官に出国を報告。副司令官は「日本国民を代表してイラクの復興支援に頑張ってほしい。現地は一番厳しい環境になるが、健康に留意して整斉粛々と任務を遂行せよ」と訓示した。
この後、記者会見に臨んだ古屋1佐は「現地はこれから暑さや砂嵐など厳しい時期なので、隊員の健康に配慮したい」と述べた。
派遣隊員は、小川副司令官、高橋健才中空司令官、正岡富士夫基地司令ら在入間各部隊長をはじめ、派遣隊員の家族約50人とともに基地幹部食堂で壮行昼食会を行った。
古屋1佐ら83人は第3期前期要員で、現在クウェートとカタールで任務に就いている第2期要員と交代する。
一方、これに先立って6月11日には、小牧基地からC130H輸送機の交代機2機が第3期のパイロットや整備員ら約15人と、機体入れ替えの運航支援要員約20人の計約35人を乗せ、クウェートのアリ・アルサレム空軍基地に向け出発した。
交代機はブルーグレーに塗装され、装甲板やバブルウインドー、フレアなど危険回避装置が装備された076と077号機で、出発に際し機長の一人、藤原厚志3佐は「気温が40度を下らない厳しい夏に当たるので、健康管理に留意して任務完遂したい」などと語った。
派遣隊員は小川支援集団副司令官、溝口基地司令をはじめ基地隊員や家族など約730人が見送る中、2機のC130Hに分乗して午後2時前、小牧基地を離陸した。

 

 
 
 6月10日付


<イラク復興支援>
2次隊の活動本格化
1次隊 旭川で隊旗返還

イラクから帰国した陸自復興支援群の1次隊(群長・番匠幸一郎1佐以下460人)は6月6日、旭川駐屯地で隊旗返還式を行いすべての任務を終了、また、サマワの2次隊(同・今浦勇紀1佐以下同)は、市民への給水支援をはじめ公共施設の修復工事、医療支援などの本格的な活動を開始した。隊旗返還式では小泉首相からの特別賞状が1次隊に授与された。一方、6月末のイラク暫定政権への主権移譲に伴い、新たな国連安保理決議に基づいて編成される多国籍軍に自衛隊が参加する場合の要件として、守屋防衛事務次官は3日、(1)武力行使を伴わない(2)統合された司令部の指揮下に入らない──などが判断基準となる、との考えを示した。



地元の役務業者を指導しながら道路補修工事に立ち会う2次隊の隊員(6月5日、サマワの東10キロのスウェルで)

5月26日に1次隊から任務を引き継いだ今浦勇紀群長以下の2次隊は、ムサンナ県教育局とサマワ市評議会の要請に基づき30日から、宿営地の北約10キロにあるサマワ市内のサマワ女子校の補修作業を開始した。学校施設の修復は、1次隊がダラージのオローバ中学校、ヒラールのアルハダフ小学校で行ってきたが、2次隊としては同校が初めての公共施設の修復支援となる。
同校は6年制の中・高一貫教育の学校で、ムサンナ県で最も古い女子校といわれる。生徒数は240人、教室は20室あり、校舎は1970年に建てられた。作業内容は内・外壁や窓の補修、電気配線や照明器具、エアコンなどの設置、バレーボール、バスケットコートのネットやゴールポストの設置など。工期は約80日間で、役務業者が施工し、部隊が監督する。
また、スウェルのアル・クシア道路の補修を6月5日から開始した。役務業者による施工で、2次隊が指導・監督する。工期は7月4日までの1カ月間を予定。スウェルはサマワ中心部から東に約10キロの町。同日、現地で工事開始式が行われ、佐藤正久業務支援隊長が「この道路のすぐそばには小学校があり、日本政府が資金を提供して国連人間居住計画(UN─HABITAT)による補修が予定されている。道路と学校という二つの補修プロジェクトに最大限、努力したい」とあいさつした。
一方、サマワ宿営地では5月31日から構内放送を開始。放送時間は午前7時からと午後5時半からの30分。8人の女性自衛官が2人ずつ交代でDJを務め、リクエスト曲を流したり、隊員の悩みごとや誕生日紹介のおしゃべりなどで、「ストレス解消に役立つ」と、隊員には好評のようだ。

 

 
 
 6月10日付


多国籍軍への参加要件
武力伴わぬ活動に限定
統合指揮下に入らず

今月末のイラク暫定政権への主権移譲を前に、新たな国連安保理決議に基づき編成される見通しの多国籍軍に、自衛隊が参加できるかどうかについて、外務省の西田恒夫総合外交政策局長は6月3日の参院有事法制特別委員会で「多国籍軍に入っても他国の指揮に入ることは想定していない」と述べた。
これについて守屋武昌防衛事務次官は同日の記者会見で「他国の指揮下に入ると、他国の意思によってわが国が武力行使することもありうることになる。その意味合いから他国の指揮下に入ることはないという日本政府の従来からの考え方を述べたものと思う」と述べた。
現在、イラクに派遣されている陸自復興支援群について同次官は、「CPA(連合国暫定施政当局)の(行政命令)17号に基づいて活動している」として法的地位の根拠を挙げるとともに、「活動に当たっては(CPAに対し)武力行政をしない、人道復興支援活動を中心とする、米軍、他国の指揮下に属さないという日本国の考え方を述べた上で、イラク特措法に基づく活動を行っている」と、わが国の主体的判断の下に自衛隊が行動していることを改めて指摘した。
さらに守屋次官は、新たな安保理決議で多国籍軍が編成された場合、自衛隊が参加できるかどうかを考慮する要件として、(1)武力行使に当たらない(2)多国籍軍の行う行動の中に武力行使を伴わない活動がある(3)イラク特措法が認めている活動の範囲内(4)多国籍軍の統合された司令部の指揮下にないことが確保される  ことが判断基準になるとの考えを示した。
この問題で石破防衛庁長官は4日の記者会見で「憲法9条の趣旨をきちんと守るという観点に留意しつつ、これから先、国連、各国間において深まっていく議論の中、最終的に立場を決定すべき」として、自衛隊の活動について「主権移譲後もイラク特措法がベースになって行われる」と述べた。
また、小泉首相は5月31日に行われた参院決算委員会でこの問題について、「憲法とイラク特措法に則って決めなくてはいけない問題だ。武力行使を目的とした部隊には参加しない」と述べている。

 
 
 6月10日付


「創意で困難克服」
小泉首相がメッセージ



サマワでの任務を終えて帰国、石破長官に帰国報告を行う1次隊の番匠群長(左)(6月1日、防衛庁で)

イラクでの3カ月間にわたる人道復興支援活動を終えて帰国した陸自第1次イラク復興支援群の隊旗返還式が6月6日午後、旭川駐屯地グラウンドで行われ、番匠幸一郎群長が石破防衛庁長官に隊旗を返還した。
式典には帰国した隊員のほか、家族や来賓など約500人が出席、番匠群長が派遣隊員を代表して帰国を報告した。
石破長官は訓示の中で小泉首相から託された隊員へのメッセージを紹介、「諸君が全員無事帰国したことをご家族や国民の方々とともに喜びたい。諸君は"日本国民の善意の代理者、実行者"として酷暑や砂嵐といった過酷な自然環境の下、常に緊張を強いられる治安情勢の中で数々の困難を創意と工夫で一つひとつ克服し、イラクの人々との間に良好な関係を築き上げた」との首相の言葉を伝えた。
続けて長官は「日本国の評価は(諸官の活動により)国際社会において非常に高くなった。国の利益も守られ、イラクの人々の幸せに寄与し、日米の信頼もさらに高まった。諸官の努力はいつの日かイラクが自由で平和で豊かな国として確立していくまで大きく寄与するに違いない」と述べ、派遣隊員の労をねぎらった。
このあと、小泉首相からの特別賞状が長官から番匠群長に伝達された。
これに先立ち番匠群長は1日、防衛庁で石破長官に帰国を報告、翌2日には首相官邸で小泉首相に、現地の状況と全員の無事帰国を報告した。


 

 
 
 6月10日付


<東ティモール>
4次隊1波が帰国


国連東ティモール支援団(UNMISET)の大幅な規模縮小に伴い5月20日で支援任務を終えた陸自第4次東ティモール派遣施設群(群長・川又弘道1佐以下西方主力の405人)の第1波隊員約100人が6月4日、国連チャーター機で熊本空港に帰国、8カ月ぶりに家族・同僚と再会した。4次隊はこのあと、数次に分かれて月内には全員が帰国、平成14年3月から2年3カ月にわたって行われた陸自の東ティモールPKOは、同国の国づくりに大きく貢献して幕を閉じる。なお、隊旗返還式は7月3日、健軍駐屯地で行われる。



8カ月ぶりに東ティモールから帰国した4次隊第1波の隊員(6月4日、健軍駐屯地で)

「歴史に足跡」と森西方総監

東ティモール派遣施設群の副群長、迫輝昌2佐以下約100人の帰国第1波隊員を乗せた国連チャーター機は、この日午後6時すぎ熊本空港に到着。帰国隊員はこの後、バスで健軍駐屯地に移動し、待ちかねた家族や同僚隊員ら約500人の盛んな出迎えを受けた。
帰国行事では隊員を代表して迫2佐が森西方総監に帰国を報告、森総監は「東ティモールの建国という歴史に足跡を残す大変な任務だった」と訓示して派遣隊員の労をねぎらった。
この後、隊員食堂で懇親会が行われ、派遣隊員は家族と約8カ月ぶりの再会を喜び合った。
4次隊は昨年10月から、東ティモール西部のディリとマリアナに展開、幹線道路の整備や現地の人材養成などに当たった。陸自部隊の完全撤収後は、自衛隊退職者によるNPO組織「日本地雷処理・復興支援センター」(略称・JDRAC、理事長・平崎憲昭元陸将補)が陸自宿営地跡で現地の建設技術者養成などに当たる。

 
 
 6月10日付


6月7日〜7月9日メンタルヘルス強化期間に
自殺防止施策を徹底へ

防衛庁の「メンタルヘルス施策強化期間」が6月7日から始まった。7月9日までの期間中、隊員の自殺事故防止運動を展開する。
ここ数年、自衛官の自殺事故が急増していることから、防衛庁は昨年7月、自殺事故防止対策本部(事務局長・人教局長)を設置、昨年の11月と今年2月から3月にかけ強化期間を設けて各種施策を行ってきたが、15年度も自殺事故が74件発生しており、全庁的な課題として今回の防止強化期間を設定した。
期間中は、講演会をはじめ、従来から実施してきた施策を特別に総点検するなど、自衛官の自殺事故防止に努める。とくに部隊等では日々の朝礼や各種ミーティングなどを通じ、強化期間の趣旨や各施策の周知徹底を図るほか、隊員の年齢、階級などに応じて面接者を変え、隊員が話しやすい環境をつくって身上(心情)把握につとめるなど、きめ細かな対応を進める。
強化期間中の実施事項は、(1)面接等による所属隊員の身上(心情)把握の徹底(2)隊員指導時におけるカウンセラー、医官などとの連携の強化(3)部内カウンセラー等の指定の確認(4)部内・部外カウンセラー制度、部外電話相談窓口の広報の徹底(5)部内・部外のメンタルヘルスなどに関する相談先を記載したカードの更新、所属隊員の当該カードの携帯の確認(6)中隊長など部下の指導を担当する者の隊員指導時の活用のため、対策本部が配布した「借財を持つ隊員への接し方」の周知・活用(7)防衛庁共済組合が実施する(7月開始予定)部外電話相談窓口の部内広報の徹底(8)うつ病への対策に関する資料の配付──など。長官官房、各幕、各機関の長は期間中、実施した施策等を7月30日までに人教局長に通知することになっている。


 

 
 
 6月10日付


チリとインドネシア帆船が来日
晴海で一般公開も

チリ、インドネシア両国の海軍練習帆船が6月10日と12日、相次いで日本を親善訪問、東京・晴海ふ頭に接岸する。海自護衛艦「ひえい」(艦長・下出隆敏1佐)が両船のホストシップを務める。
チリの練習帆船は「エスメラルダ」(指揮官・アントニオ・イディアケス大佐)で、10日午前8時に晴海に入港。歓迎行事の後、デメトリオ・インファンテ駐日チリ大使とイディアケス大佐が防衛庁を訪れ、石川統幕議長、古圧海幕長を表敬する。
この後、11、12日は防大、記念艦「三笠」の研修などを行い、13、14日は午後2時から4時まで船内を一般に公開。15日は同船の就役50周年記念日に当たるため、チリ側主催の船上カクテルパーティーが開かれる。16日に出港の予定。同船の訪日は13回目。
インドネシアの練習帆船は「デワルチ」(同・ジョニアス・モゼス・スパスルタ中佐)で、12日午前8時半に晴海に入港。歓迎行事の後、乗員の都内史跡研修などを行う。13、14両日は「エスメラルダ」とともに一般公開。14日はスパスルタ中佐が古庄海幕長を表敬する。
15日には晴海を出港、沖縄に向かい、21日から24日まで那覇港に滞在、5空群(那覇)隊員とスポーツ交歓などを行う。同船の訪日は4回目。
両船とも晴海停泊中は日没から午前零時まで電灯艦飾を行う。

 

 

 

 
 
 6月10日付


16年度 発注予定工事は2310億円
在日米軍施設など計1057件

防衛施設庁は4月12日、16年度の発注予定工事を公表した。自衛隊の施設や在日米軍提供施設などの整備等で総額2310億円(契約ベース)となっている。
主要な工事計画は自衛隊関連で、陸自が土浦駐屯地の車両整備工場、善通寺駐屯地の司令部庁舎の各整備、海自が横須賀総監部逸見地区の艦艇係留施設、呉総監部係船堀地区の艦艇係留施設の整備、空自が奥尻分屯基地のレーダー等施設整備など。また、生活関連施設の整備では隊舎10カ所をはじめ食厨、浴場、体育館、プール、ボイラー設備、厚生施設など。公務員宿舎が全体で1058戸(うち改修342戸)。
米軍関係では提供施設の整備や移設、NLP、SACO関連など。
発注予定工事は、各施設局など全体で1057件で、一般競争入札11件、公募型指名競争入札78件、指名競争入札918件、随意契約50件。局別では那覇局が169件で最も多く、次いで東京局168件、福岡局117件、仙台局115件、札幌局105件などとなっている。
詳細は施設庁ホームページhttp://www.dfaa.go.jp/で公表している。


 
 
 6月10日付


「環境川柳」を募集
防衛庁環境月間で

「防衛庁環境月間」が今年も6月1日から始まった。 環境省が定める6月の環境月間に合わせ、職員の環境保全意識の一層の高揚を図るため13年度から取り組んでいるもので、今年も例年通り防衛庁職員から環境川柳を募集するほか、各機関、基地、駐屯地では月間中、環境美化運動やノーカーデーの実行、アイドリングストップの励行など地球温暖化防止活動などが行われている。
昨年の第3回「環境川柳」募集では全国の隊員から1万9546点の応募があり、最優秀賞に政二清一2陸曹(26普連・留萌)の「川ぞこに およぐにしきは ビンにカン」、優秀賞に木下文彦1陸曹(25普連・遠軽)の「そのゴミは 今日じゃないぞと カラス鳴く」など3点が選ばれ、それぞれ防衛庁長官から表彰状が贈られた。
このほか全国の駐屯地・基地・機関等で、講演会や環境保全ポスターの掲示、看板の設置、庁内放送、基地広報紙、ホームページ掲載など11種類の環境保全を呼びかける行事、活動が行われた。


 

 

 
 
 6月3日付


<イラク復興支援>
2次隊が活動開始
1次隊の帰国完了
給水、医療支援など軌道に



大勢の家族や同僚隊員が見守る中、帰国行事に臨む第1次イラク復興支援群第3波の隊員(5月31日、旭川駐屯地で)

陸自イラク復興支援群は5月26日、イラクのサマワ宿営地で指揮官交代式を行い、1次隊の番匠幸一郎群長から2次隊の今浦勇紀群長に指揮権が移譲された。番匠群長以下、最後まで残っていた1次隊の約120人は翌27日、サマワを出発し、中継地のクウェートを経て同31日、旭川駐屯地に帰国した。入れ替わりに2次隊第3波の約110人が同日サマワ入りし部隊交代が完了、2次隊が活動を開始した。1次隊は6月6日に旭川駐屯地で隊旗返還式を行い、すべての任務を終える。一方、空自のイラク復興支援派遣輸送航空隊(司令・日暮正博1佐)は陸自部隊の交代に当たって、クウェート(アリ・アルサレム空軍基地)─サマワ(タリル空軍基地)間の移動を空輸支援した。

黄色いハンカチ「励みに」と群長

イラクでの3カ月の任務を終えて帰国、ひざの上に子供を抱き上げ、笑顔で報道陣の取材に答える隊員(5月31日、旭川駐屯地食堂で)


1次隊の帰国第3波、番匠群長以下の警務官なども含めた約140人は5月31日午前10時20分過ぎ、政府専用機で旭川空港に無事帰国した。
帰国隊員はあいにくの雨にぬれながら出迎えのバスに乗り、鮮やかな新緑に帰国を実感。旭川駐屯地北体育館で待ち構えていた家族や旭川市などの関係者、先に帰国した1,2波隊員ら合わせて約900人の歓迎を受けた。
派遣隊員を代表して番匠群長が持田北方総監に帰国を報告。総監は「しっかり現地で頑張ってくれた。ありがとう」とねぎらいの言葉をかけた。
番匠群長は「ささやかな活動だったが、この任務に就いたことを誇りに思う」と述べ、旭川市などが派遣隊員の安全と無事帰国を願って黄色いハンカチを市中に掲げたことに対し「なによりの励みになった」とお礼の言葉を述べた。
1次隊は今年2月初旬に現地入りを開始し、宿営地建設と並行しながら現地病院などに対する医療支援を開始。3月末からは学校など公共施設の修復作業と運河の水を浄水して給水支援を開始、不安定な治安情勢の中で3本柱の復興支援活動を軌道に乗せた。
この間、給水支援は計約4300トン、学校修復は同時に4カ所で実施したほか、サマワ総合病院で医療指導などを続けた。
◇    
1次隊第3波の帰国に先立ち5月26日、サマワ宿営地で行われた指揮官交代式には、英軍のスチュワート師団長をはじめ、オランダ軍派遣部隊長ら幹部、CPAサマワ代表、ムサンナ県副知事、サマワ評議会議長、宗教指導者、部族長ら来賓約40人が出席した。
1次隊の番匠群長はあいさつで、「知事、英師団、オランダ軍、CPAなど多くの方々からの協力に心から感謝」と述べるとともに、「ムサンナ県、サマワの地で日本自衛隊として活動の第一歩を開始できたことを光栄に思う。ムサンナ県、サマワの未来は明るいと信じている。引き続き今浦群長以下2次隊の隊員への協力を」と、地元の理解と協力を要望した。
この後、指揮権移譲の文書に署名し、2次隊の今浦群長と握手。今浦群長は「宿営地づくりやサマワ市民と友好を深めるなど、1次隊の仕事は素晴らしいもの。任務を引き継ぐことを名誉とし、ムサンナ県の人々と一緒にこの国の復興に全力を尽くしたい」と訓示した。
続いてイラク南部地域を担当する英軍のスチュワート師団長が、1次隊で功績のあった衛生隊看護班長の川上文子1尉、施設隊の後藤善信曹長、警備中隊の門馬有道2尉の3人を表彰した。

「地対空の脅威は減少傾向に」津曲空幕長

空幕は5月28日、クウェートを拠点にC130H輸送機でイラク人道復興支援物資の空輸任務に当たっている派遣輸送航空隊の活動状況を発表した。
それによると、5月21日から同27日までの間、任務運航は6回で、訓練飛行は行われなかった。3月3日にクウェートからイラク国内への任務運航を開始して以来の累計数は任務運航33回、訓練飛行24回。
津曲空幕長は同日の定例記者会見で、任務運航開始からの3カ月を振り返り「第1期隊員が礎を築いた。気温50度近く、砂嵐という過酷な環境の中、飛行安全を図りながら確実に任務を遂行している」と評価した。
また、空自がイラク国内の拠点の一つとして使用しているタリル空港の治安について「米空軍が主体的に基地警備を行い、米陸軍、蘭、伊軍などが展開している。基地周辺は伊軍、南部エリアは英軍がヘリ等を使って警備している」とした上で、「(航空機を狙う)地対空の脅威は全体的に減っているが、迫撃砲攻撃など地対地の攻撃に重点が移っている」と述べた。

 

 
 
 6月3日付


輸空隊
陸自部隊を空輸支援
タリル─クウェート 入・帰国で計10便

クウェートを拠点にイラクへの支援物資空輸を行っている空自「イラク復興支援派遣輸送航空隊」は5月12日から同31日までの間、サマワから帰国する陸自イラク復興支援群の1次隊と、サマワ入りする2次隊の一部をそれぞれC130H輸送機で空輸支援、アリ・アルサレム空軍基地─タリル空軍基地間で計10便を運航した。
同輸空隊は5月12日の1次隊第1波の空輸で1機1便を飛ばしたのを皮切りに、17日に2次隊1波を1機1便、18、19両日に1次隊2波を各1機1便、24日に2次隊2波を2機2便、27日に1次隊3波を2機2便、31日に2次隊3波を2機2便──で、それぞれ空輸した。


 
 
 6月3日付


「とわだ」囲み整然と
8カ国艦艇が記念写真 インド洋



海自補給艦「とわだ」を護衛する形で整然と航行する8カ国11隻の艦艇(インド洋で)


傘型の陣形を組んで整然と航行する艦艇群──。インド洋に展開して対テロ作戦行動中の米、仏、独、伊などの艦艇と、燃料補給などの協力支援を行っている海自派遣海上支援部隊(指揮官・柴田哲冶1佐)の護衛艦「みょうこう」(艦長・村田隆斉1佐)、「さみだれ」(同・川波辰男2佐)、補給艦「とわだ」(同・小島英伸1佐)が一緒になった珍しい写真が現地から届いた。
海自派遣部隊が有志連合各国による第150任務部隊の近くで活動していた際、任務部隊指揮官のアンソニー・リックス准将(英)の呼びかけで記念撮影を行うことになったもので、日本の3隻をはじめ、仏、独、伊、パキスタン、スペイン、ニュージーランド、米の8カ国11隻が参加。先頭艦の左舷側2隻目に「さみだれ」、右舷側3隻目に「みょうこう」が位置し、各国艦艇が中央の「とわだ」を護衛するように航行している。
「みょうこう」「さみだれ」は、5月17日に佐世保を出港した「こんごう」「ありあけ」の到着を待ち、任務を引き継いで今月末にも帰国の予定。


 
 
 6月3日付


1輸空国緊隊が陛下に拝謁

空自1輸空の「イラン国際緊急援助空輸隊」など平成15年度に活動した国際緊急援助隊8団体の計約130人が5月27日、皇居に招かれ、「連翠の間」で天皇、皇后両陛下に拝謁した。
1輸空(小牧)は昨年末のイラン大地震で「イラン国際緊急援助空輸隊」と同支援部隊を編成、正月休暇を返上してC130H輸送機2機で救援物資を空輸した。この日は約40人の隊員を代表して空輸隊長を務めた林忠良2佐以下14人が出席し、両陛下からねぎらいのお言葉があった。
同隊は12月30日に小牧を出発、シンガポールで国際協力機構(JICA)が備蓄する毛布2000枚など物資計約12トンを搭載し、不眠不休の運航で通常の半分の2日間でイランのケルマン空港まで空輸、赤新月社(赤十字)に引き渡した。
両陛下に拝謁後、林2佐は「隊員一同、このような機会を頂き、大変名誉なことと感謝している。この感動と誇りを胸に今後とも任務に励みたい」と語った。
1輸空は平成10年のホンジュラス災害、同13年のインド地震の際にも国緊隊として活躍、今回同様、皇居に招かれて天皇陛下に拝謁している。


 
 
 6月3日付


米空軍曲技飛行チーム
「サンダーバーズ」来日へ
百里、浜松で飛行展示

航空自衛隊は、空自50周年記念行事の一環として今秋、米空軍の曲技飛行チーム「サンダーバーズ」を招き、9月26日(日)百里、10月3日(日)浜松の両基地航空祭で曲技飛行を展示する。
米空軍ホームページによると、このほか9月15日(水)には沖縄の米軍嘉手納基地、同30日(木)には米軍三沢基地でも展示飛行が行われる予定。
米空軍が50周年を迎えた平成9年には、空自ブルーインパルス・チームが米国に招かれ、ネバダ州ネリス空軍基地で展示飛行を行っている。

 

 
 
 6月3日付


6日から「コープノース」
沖縄周辺空域などで

空自と米空軍による日米共同訓練「コープノース」が6月6日から18日まで、那覇、浜松の両基地と沖縄の米軍嘉手納基地、沖縄周辺空域で行われる。
参加部隊は、空自が南混団防衛部長の阿部英彦1佐を統制官に、南混団司令部、83空、南警隊、7空団、警空隊と、F15戦闘機6機、F4戦闘機10機、E767早期警戒管制機1機。米側は第5空軍605航空作戦群司令のロバート・D・ハーベイ大佐を統制官に、5空軍司令部(横田)、35戦闘航空団(三沢)、18航空団(嘉手納)の961空中航空管制飛行隊、909空中給油飛行隊と、F16戦闘機16機、F15戦闘機10機、E3B早期警戒管制機1機、KC135空中給油機2機で、日米双方の戦術技量と共同対処能力の向上を目的に防空戦闘、戦闘機戦闘の各訓練を行う(機数はいずれも概数)。
空自7空団のF15は5月上旬に空中給油訓練を行っているが、今回も米KC135の支援を受けながら空中給油の慣熟訓練を行う。

沖縄で日米共同の捜索救難訓練

空自と米空軍による日米共同救難訓練「コープエンジェル」が6月7日から11日まで、那覇基地、米軍・嘉手納基地、沖縄本島東の浮原島訓練場とその周辺で行われる。
同訓練は日米共同の捜索救難活動の能力向上を図ることを目的に、洋上での捜索救助、航空機不時着を想定した大量負傷者救助、指揮所活動などを演錬するもので、昭和54年から始まり今回で通算22回目。
参加部隊は、空自が那覇救難隊長・国武義勝2佐を統制官に、全国10の救難部隊から約120人と、U125A救難捜索機1機、UH60J救難ヘリ2機、V107A救難ヘリ1機、米軍は嘉手納基地の第18航空団第31救難中隊長のコイ・R・スピアー中佐と第33救難中隊長のビリー・D・トンプソン中佐を統制官に、第31、33両救難中隊、961空中航空管制飛行隊、第35戦闘航空団第14戦闘中隊の計約80人と、HH60G救難ヘリ1機、E3早期警戒管制機1機、F16C戦闘機4機。輸送機の不時着で大量負傷者発生という想定では、空自救難員と米救難降下員が日米両基地からヘリで浮原島に上陸。日米隊員がバディを組んで捜索、救助、応急手当、搬送、機上看護を行い、負傷者を嘉手納基地に搬送する。

米で政専機運航訓練

空自特輸隊(千歳)のB747・400政府専用機は5月25日、国外運航訓練のため米国方面に向け出発した。参加人員は支援集団副司令官の小川剛義将補以下31人。米ジョージア州サバナのハンター陸軍基地とカナダのエドモントン国際空港で飛行経路や航空管制の状況、駐機方法などを確認し、同27日に帰国した。
           
長官、立川分屯基地で低圧訓練装置体験

石破防衛庁長官は5月30日、空自立川分屯基地(司令・渡部高明1佐)の航空医学実験隊を視察し、大橋幸一郎隊司令から部隊の概要説明を受けたあと、同司令の案内で施設などを見て回り、戦闘機パイロットの航空生理訓練に使われる大型低圧訓練装置などを体験した。
           


 
 
 6月3日付


新武器整備場が完成


 ◇2空群(八戸) 海自八戸航空基地の新しい武器整備場がこのほど完成、3月25日、落成式が行われた。新施設は基地北側地区に建てられ、武器班事務室兼武器整備室、光学機器整備室などがある。
 武器整備隊の施設は当初、滑走路を挟んで基地の南北に分かれていたが、平成8年10月、北側地区に統合、移設された。しかし、武装機器などの整備場の一部は、新設された輸送機用機雷投下装置整備場と第2機雷倉庫の施設を間借りしていた。今回の新施設完成で武器整備が一元的に集約され、装備品の維持・管理と業務が大幅に改善された。
           
秋田射場予定地の山林伐採で作業隊

 【秋田】秋田基本射場(仮称)の建設に伴う伐採作業隊の編成完結式がこのほど秋田駐屯地で行われた。
 射場予定地の山林を伐採するもので、9師団隷下の5普連、39普連、9特連、9施大の隊員約130人で編成。期間は4月1日から6月下旬まで。編成完結式で作業隊長の北垣9施大3中隊長は「作業に当たって各人協力し合い、事故なく無事任務を完遂せよ」と訓示した。
 射場の完成は17年12月、使用開始は18年4月の予定。

 

 

 
 
 5月27日付


<防衛技術>
整備進む「防衛情報通信基盤(DII)」
作戦用「クローズ系」運用開始へ
メールで部隊に命令
チャットで会議も可能に

防衛庁・自衛隊では現在、統合幕僚会議が中心となって情報の超高速化と大容量化に対応したコンピューター・ネットワーク環境「防衛情報通信基盤(DII=Defense Information Infrastructure)」の整備を進めている。外部インターネットとの接続が可能な業務用「オープン系」はすでに14年度末から実用が始まり、16年度末にはいよいよ3自衛隊の作戦用「クローズ系」も一部運用が開始される予定だ。部隊間の指揮・通信が主に電子メールやチャットで行われることになるDIIクローズ系の概要と、同システムの運営に当たる統幕3室のDII管理運営室の組織をまとめた。


防衛情報通信基盤(DII)のイメージ図

防衛庁では平成13年度から自衛隊の主要部隊を結ぶ高度情報通信ネットワーク「DII」の整備に着手し、各部隊が一般の通信業務に使用できる「オープン系」は02年度末から運用を開始している。同ネットは一般の電話回線を利用できることから、イラクのサマワなどに派遣されている陸自復興支援群やインド洋で対テロ作戦支援に当たる海自艦艇部隊などとも結ばれ、派遣隊員と日本にいる家族間での電子メール通信などにも活用されている。同ネットは独自の秘匿・セキュリティー機能を有しているが、外部からの侵入の恐れもあることから部隊の運用にかかわる命令など、作戦面では使用されない。
これに対し、防衛庁の中央指揮所と3自衛隊の全国の部隊司令部等が連接される「クローズ系」は指揮・命令に直接使用されるもので、端末のパソコンもオープン系とは別のものになる。利用するにはカードや指紋といった認証が必要となり、役職や階級によりアクセスできる範囲も制限される。
同ネットでは、従来、電話や通信機など音声によって命令が行われていたものが電子メールに置き換えられ、関係部隊間の会議などはチャット機能により実施可能になる。この結果、命令発出の内容・時間をはじめ、各自の発言などもすべて記録されることになり、命令授受の錯誤などはなくなる。同ネットでは、必要に応じてIP電話の使用も可能だ。
このDIIを運営するのが統幕3室に置かれたDII管理運営室。現在は室長の下に企画班、システム管理班、監視統制班、監査班の4班があり、クローズ系の運用が始まる16年度末にはシステム・運用調整班、研究班、教育訓練班が加わり、7班体制となる予定だ。
同室は海外派遣部隊を含むユーザーに対し、電子メール、移動端末接続、インターネット接続のサービスのほか各種情報提供、ウイルスチェック、認証、標準時刻提供のサービスなどを実施している。現在、加入している拠点(部隊)は約300カ所で、一日に1万通のメールサービスが行われているという。
各班のうち、システム管理班はネットやサーバー管理を、監視統制班は要員が交代で24時間、ネット上での不正やサイバー攻撃などがないか監視している。また、監査班はシステムに保安上の弱点がないか監査、ユーザーが好ましくないサイトと情報をやりとりしていないかなど、厳しく調べている。
クローズ系の運用開始とともに16年度末に立ち上がる組織としては、システムの機能向上やサイバーウオーの研究などを行う研究班、最先端の能力を有する要員の教育などに当たる教育訓練班などがある。

 

 
 
 5月27日付


<世界の新兵器>
練習機の域超える武装
Yak130(露)



輸出に力を入れるため、米軍規格を適用して開発されたロシアの新型練習機Yak130。戦闘攻撃機にも転用できる

ソ連時代から開発中であった新型練習機Yak130の量産型が、昨年末やっと部隊に引き渡され運用試験を開始した。
1980年代末期、ソ連空軍の主力練習機であったチェコ製のL29やL39の後継機として開発要求が出され、このプロジェクトは始まった。本機は、第4世代以降の戦闘機Mig29や、Su27への移行訓練を目的とし、併せて戦闘/攻撃訓練機としての運用も予定されている。
当初この要求に対し、ミコヤン、スホーイ、ヤコブレフ、ミヤシチョーフの4社が提案を行い、評価の結果、1992年に本機とMigATの2機種が選定された。その後、この2機種で10年にわたる激しい競争試作と飛行試験を行った結果、2002年4月、本機のロシア空軍採用が決定した。ヤコブレフ設計局では、当初イタリアのアエルマッキ社との共同開発を行っていたが、現在は別プロジェクトになっている。
本機の初飛行は1996年で、その後、多くの改修や改善が加えられ現在に至っており、その機体諸元は、全長11・49メートル、全幅9・72メートル、全高4・76メートル、自重4・6トン、最大離陸重量9・5トン、エンジンは2・2トンの双発であり、空自T4をやや上回る規模の機体である。性能は、最大速度約マッハ1・0、海面上昇率3350メートル/分でペイロードは3・0トンあり、武装は30ミリ機関砲(内装)、9カ所のハードポイントに各種空対空、空対地ミサイル、各種通常、クラスターおよびレーザー誘導爆弾、各種ロケット弾、23ミリガンポッド等のほか、各種偵察、電子戦、IR妨害および電子光学誘導ポッド等を搭載できるとされている。
これを見ると、すでに練習機の域を超え、有事には攻撃機として十分活躍できるものと思われる。また、操縦系統はデジタル・フライ・バイ・ワイヤーであり、迎角42度までの機動が可能である。さらに、操縦席周りにケブラー製の装甲板を持ち、計器板はグラスコクピット化され、ナイトビジョン・ゴーグルやヘルメットマウンテッド・ディスプレー、GPSを装備する等、最新鋭の練習機と言える。
本機は、今後ロシア空軍で200機以上の採用が予定されているが、輸出にも力を入れるため米軍規格を適用している。なお、同機は30年の運用、1万飛行時間、2万回の着陸を想定して、設計されている。さらに空母搭載型や軽偵察機等への改造についても検討されている。
高島秀雄(財)防衛技術協会・客員研究員

 

 
 
 5月27日付


<防衛トピックス>

国  内
レーザー光で監視

三菱重工業は高指向性レーザー光を利用した「レーザレーダ監視システム」=写真=を開発した。従来不可能だった雨や霧の悪天候や闇夜でも対象物を高画質で監視・撮影できるのが特徴。「ストロボ写真撮影」の原理を使用した同システムは極短パルスレーザー光を使用、対象物の反射率で形を識別する。同レーザー光は不可視のため、昼夜問わず探知されることなく監視することができる。 

  

海  外 
装甲化で死傷者減少

イラクでは米軍兵士に多数の死傷者がでているが、米国の週刊誌「ニューズウイーク」はこのほど、「装甲された車両に乗っていれば4分の1の兵士が助かった」との専門家の報告を掲載した。それによると地雷や道路脇の爆弾で142人、ロケット弾で48人以上が戦死しており、いずれも防御されない車両に乗車していたと報告。もし、兵士が装甲された車両に乗っていれば4分の1は助かった、としている。

無人機が爆弾投下

米国防高等研究計画庁(DARPA)はこのほど、無人攻撃機による史上初めての爆弾投下試験を成功させたと発表した。
ボーイング社が開発した大型無人試作機X45Aは250ポンド試験用爆弾を胴体内の爆弾倉に搭載、カリフォルニア州のエドワーズ基地を離陸、射爆場の上空1万メートル、マッハ0・67で飛行中に爆弾を投下、有人機と変わらぬ成果を得た。
同機はその後も誘導爆弾などを搭載し、地上目標に対する爆弾投下試験を引き続き実施している。