3月の朝雲ニュース
 
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 ニュースタイトル
3月25日付

1. 東ティモール支援団  日本は加盟国の手本  国連特別代表来日 自衛隊を高く評価

2. 自艦隊司令官「冷静、柔軟に任務を」  インド洋派遣部隊を視察

3月25日付

1. <防衛技術> 技本が「将来型装輪戦闘車両」研究試作
 陸自イラク復興支援で軽装甲機動車・96式装輪装甲車が活躍 搭載砲の反動抑制など課題

2. <世界の新兵器> 榴弾を空中炸裂させ撃破 将来個人装備火器(OICW)[米]

3. 防衛トピックス
海  外 A10後継はF35Bに 難燃性の迷彩布開発 
国  内 4研が地上ロボ試作

3月25日付

1. <16年度防衛費> 重要施策を見る(6)人事・処遇

2. イラク復興支援 月内にも本格活動 第3波クウェート到着 2波はサマワ入り

3. 防大卒業式 「国際社会に貢献を」首相訓示 48期439人など巣立つ

4. F2が対領侵任務に 三沢3飛

3月18日付

1. イラク復興支援 本隊第2波クウェート入り 重信2佐以下190人 ナースら女性11人も

2. クウェートに物資揚陸 「おおすみ」など2艦 任務果たし帰国へ

3. 政府 イラク・ムサンナ県に 給水車12両を贈る

4. 空自交代要員を派遣 クウェートとカタール 柳原1佐以下98人

5. 16次隊、隊旗返還 ゴランPKO

6. 大地震想定、官邸で離着陸訓練 陸海空ヘリ6機

7. 海自2つの任務部隊 アラビア海で洋上会合果たす 「ときわ」がクウェート目指す僚艦に「お腹一杯」の燃料補給 舷側で手を振り合う 輸送部隊もお返し 搭載ヘリで慰問品運ぶ

8. 海自最大艦「ましゅう」就役 海外長期行動にも対応 「とわだの改良型」搭載能力、大きく向上

9. 21飛行隊最後のT2 惜しまれて最終飛行

3月11日付

1. <16年度防衛費> 重要施策を見る(5)後方

2. 有事法制 7法案を一括提案 政府 今国会の成立めざす

3. 空自輸空隊 支援物資の空輸開始 医療器材など2トン クウェート─イラク 休日除き1日1便

4. 鳥インフルエンザ 延べ2360人、車両500両 3師団が防疫作業 京都・丹波町

5. 「ひえい」インド洋から帰国

6. 「防衛省設置法案」を了承 自民国防関係合同会議

7. わが国EEZ内で中国船が調査続行 

3月4日付

1. <16年度防衛費> 重要施策を見る(4)空自正面

2. イラク支援群  本隊第1波サマワ入り  宿営地の設営進む  群長ら 知事、評議会など表敬

3. 10ヵ国艦艇に34万klを補給 インド洋後方支援 

4. 東ティモール大統領が来庁 自衛隊の支援、感謝

5. 国民保護法案 国・自治体の責務明記 「要綱」を公表 月内にも閣議決定へ

6. 「報道担当官」を新設へ

7. 15年度防衛技術奨励賞 船田技官(技本)ら受賞 「発明」1、「創意工夫」15人

8. 大型補給艦の「おうみ」進水

 

 
 
 3月25日付


東ティモール支援団
日本は加盟国の手本
国連特別代表来日 自衛隊を高く評価

来日中の国連東ティモール支援団(UNMISET)のカマレシュ・シャルマ国連事務総長特別代表は3月17日、防衛庁で石破防衛庁長官と会談し、「日本は東ティモールの国づくりの中心的な役割を果たしている。国連平和維持活動の目標達成のため最大限努力していることに敬意を表したい」と述べるとともに、「自衛隊の活動は東ティモール政府だけでなく、地域の人々にも強い印象を与えてきた」と自衛隊を高く評価した。
 
これに対し石破長官は、シャルマ特別代表が国連安全保障理事会への説明の中で自衛隊の活動を高く評価した点に触れ、「そうした評価は黙々と努力している隊員にとって大きな励み」と述べるとともに、「日本の国際貢献活動について今後とも国連と十分協力しつつ、日本にふさわしい役割を果たしていきたい」と政府の立場を説明した。
 
シャルマ特別代表は「今やPKOは、戦闘勢力を引き離し、和平プロセスの中で併せて国づくりをやっていかないと永続的な平和に到達しないというのが一致した意見だ。そうした背景から日本の役割は大きくなっていると感じる」と指摘。
 
その上で同代表は、安保理で自衛隊を高く評価した理由について「自衛隊は累計2000人以上を派遣し、90カ所以上で道路、施設の補修などを実施、器材を供与し技術指導もしている。また、人々とスポーツや文化交流も行っている。これこそ国連がやらなければならないこと。加盟国に日本の活動を見習って欲しかったからだ」と述べた。
 
UNMISETは5月20日で活動を終了することになっているため、現在、国連でその後の対応を検討中だが、同代表は「今後も日本の協力をお願いしたい」と、日本の貢献に期待感を示した。

 

 
 
 3月25日付


自艦隊司令官「冷静、柔軟に任務を」
インド洋派遣部隊を視察



インド洋派遣部隊を視察、「ときわ」乗員を激励する牧本自艦隊司令官。左は井川艦長(3月12日、アラビア海で)

牧本信近自衛艦隊司令官はこのほど中東方面に出張、3月12日、アラビア海沿岸国沖合に停泊中のインド洋派遣部隊(指揮官・柴田哲冶1佐=63護衛隊司令、護衛艦「みょうこう」「さみだれ」、補給艦「ときわ」で編成)を視察し、隊員を激励した。
牧本司令官は派遣開始から2年を越えたインド洋派遣部隊の現状を視察し問題点を探るとともに、関係各国へのあいさつのため現地を訪れたもの。
12日、沖合に停泊中の「みょうこう」など3艦を内火艇で順に訪れた牧本司令官は、柴田派遣部隊司令や各艦長から状況報告を受けるとともに、各艦の先任海曹らと懇談、生活面での苦労などを聞いた。
その後「みょうこう」艦上から無線で全隊員に向け訓示。「海自は人・物・金、いずれも厳しい状況だが、かつてカルタゴの将軍ハンニバルが言ったように物事は視点を変えるだけで大きく変わる。歴史的に見ればこうしたこと(長期派遣)はよくあることだし、外国海軍を見れば、われわれだけが大変なのではない。諸君はどうかこの状況を冷静に見据え、任務に対してはフレキシビリティー(柔軟性)をもってやり遂げてほしい」と要望した。
牧本司令官は「ときわ」艦上で乗艦取材中の記者団と会見し、「海自部隊をインド洋に派遣しているのは米などへの支援だけでなく日本の国益のため。補給艦の乗員が何度も参加しなければならないのは、その家族を含め忍びない面もあるが、海自としては負担が大きくてもやり遂げねばならない。関係各国からは海自補給艦が定められたピンポイント、時間にきっちり給油の仕事をしていることで高い評価を頂いている」などと語った。(「ときわ」で薗田嘉寛記者)

 

洋上給油348回 34万2千klに

海上自衛隊は3月9日、テロ対策特別措置法に基づいてインド洋で協力支援活動を行っている海自派遣部隊の実績を発表した。
それによると、平成13年12月2日の活動開始以来の総補給回数は348回で、総補給量は約34万2000キロリットル。内訳は補給艦「とわだ」89回、同「ときわ」143回、同「はまな」が116回となっている。
補給先は10カ国で、米補給艦、駆逐艦が227回で最も多く、次いで加駆逐艦の33回、以下、仏駆逐艦25回、英補給艦と後方揚陸艦合わせて16回、ギリシャ、伊、ニュージーランド各駆逐艦10回、独とスペインの駆逐艦各6回、蘭駆逐艦5回となっている。

 

「あけぼの」インド洋から帰国

テロ対策特別措置法に基づき、インド洋で各国艦艇への協力支援活動を行っていた海自派遣部隊11次隊(指揮官・徳丸伸一4護隊司令)の護衛艦「あけぼの」(艦長・山口彰二2佐以下乗員約170人)が3月23日、呉に帰国した。
「あけぼの」は昨年10月28日に呉を出港、護衛艦「ひえい」、補給艦「ときわ」とともに11次隊として米英軍などへの補給活動を実施。「ひえい」は3月3日、護衛艦「みょうこう」に任務を引き継いで帰国。「ときわ」と交代する補給艦「とわだ」は同14日に呉を出港。「あけぼの」と交代した「さみだれ」は12次隊としてすでに任務に就いている。¥()

 

 
 
 3月25日付


<防衛技術>
技本が「将来型装輪戦闘車両」研究試作
陸自イラク復興支援で軽装甲機動車・96式装輪装甲車が活躍
搭載砲の反動抑制など課題

陸自のイラク復興支援活動で軽装甲機動車や96式装輪装甲車が大活躍している。不整地でも高速走行できる装輪車は、装軌車に比べ操縦が容易で、一般の市街地でも威圧感なく走行できるなど、いまや世界の陸軍でも標準的な車両となりつつある。欧米では装軌車に代えて装輪車を主要な戦闘車両に位置付けるようになり、同型の車両を人員輸送から各種武器搭載タイプ、救急車などまでファミリー化を進め、装備調達経費の削減も図っている。わが国でも技本が将来の陸自主力装備に育て上げようと、15年度から「将来型装輪戦闘車両」の研究試作に着手している。



将来型装輪戦闘車両の研究構想・試作品イメージ図

装輪車両はこれまで装軌車両に比べて火力、防御力、路外機動の面で劣ると考えられていたが、近年は技術の大幅向上で性能の差は少なくなった。むしろ装輪車は長距離機動力、操縦・整備性、調達経費の安さなどで優位性が認められ、各国では装輪戦闘車両の開発が促進されることとなった。
これまで開発された代表的な車両としてはスイスの「ピラーニャ」、同車を改良したカナダの「LAV」などがあり、これらは米国、デンマーク、サウジアラビアなどでも採用されている。
両車とも8輪型の装甲戦闘車で、標準型の兵員輸送車のほか、これまで対戦車ミサイル、迫撃砲、対空火器、105ミリ砲の各搭載型、指揮通信型、車両回収型、救急車型などのバリエーションが開発されている。
技本が陸自向けに15年度から研究試作に着手した「将来装輪戦闘車両」は対空型の8輪装甲車両で、車体上に機関砲塔が載せられたタイプとなる。
主兵装となる搭載砲は、現在、技本第1研究所(目黒)が開発中の「40ミリテレスコープ弾機関砲」を計画。
テレスコープ弾は弾丸が火薬とともに円筒状の薬きょう内に収納された新しいタイプの弾薬で、従来砲に比べコンパクト化と高発射速度化が実現できる。同砲では、弾丸が砲口から撃ち出される瞬間に時限信管にタイマー信号が入力され、目標の至近距離で榴弾を炸裂させることができるハイテク弾だ。
同機関砲を搭載する装輪戦闘車の試作でポイントとなるのは走行中に射撃を行った際の車体の安定化。機関砲は連射された時に反動はかなり大きなものとなるため、車体や射撃精度に影響を及ぼさないよう制振車体研究が最大の課題となっている。
高速で飛翔する航空機やミサイルを走行中に撃墜するには機関砲の制振が必要で、高性能のジャイロ搭載や射撃の際の機関砲のサーボ補正などが必要となってくる。
陸自では同装輪戦闘車両の開発が順調に推移すれば将来のファミリー化も検討しており、現有の装軌車両も一部、装輪タイプに代替させていく考えだ。今回の汎用車両の開発がその後の各種タイプ車両の開発にも直結するだけに、技本では試作中に出来るだけ多くのデータを取得しておきたいとしている。
研究試作は平成19年度までを予定し、同20年初頭には世界でも初めてになるテレスコープ弾機関砲搭載型の装輪戦闘車がお目見えしそうだ。
将来的には同車両をベースに、榴弾砲、迫撃砲、対戦車砲の搭載型、さらに指揮通信、偵察警戒、砲側弾薬型などのファミリー化も推進される計画で、開発がスムーズに進めば、近い将来、同装輪戦闘車が陸自の主要戦闘車両となっていくとみられる。


 
 
 3月25日付


<世界の新兵器>
榴弾を空中炸裂させ撃破
将来個人装備火器(OICW)[米]



現用のM16小銃、M203てき弾銃などの後継となる米軍の次期個人装備火器「OICW」。5.56ミリと20ミリの銃身が連結された設計となっている

米国は、21世紀の陸軍、海兵隊、空軍、特殊作戦部隊および沿岸警備隊が装備する将来個人装備火器(OICW=Objective Individual Combat Weapon)を研究開発中である。これは口径5・56ミリと20ミリの銃身を備えた小銃・擲弾銃兼用方式の個人携行用火器で、現用のM16小銃、M203擲弾銃、M4カービンすべての代替装備となる。
最も大きな特徴は銃身上部に装着したレーザー測距器・赤外線照準具・距離データ送信器・目標照射器を組み合わせた射撃統制装置である。目標距離をレーザーで精密に測定し、20ミリ榴弾の超小型電子信管システムに目標距離情報を伝送して榴弾を空中で炸裂させ、飛散した弾丸破片は米陸軍が開発したPASGT防弾システムさえも貫通することができるという。
照準装置は非冷却式赤外線暗視センサー技術を用い、昼夜全天候下の運用が可能である。兵士は、この火器のみで遠距離の掩蔽目標を効果的に制圧でき、近距離では赤色発光ダイオードで目標照準点を照射確認して、正確な狙撃が可能である。
要求性能は、命中確率を射距離500メートルで0・5、1000メートルで0・3〜0・5以上、人員および軽装甲目標に対してM203擲弾銃から発射したM433多目的榴弾およびM16A2小銃から発射したM855弾薬の威力以上、距離300メートルの点目標を無力化する確率を0・5、距離300メートルの掩蔽目標を無力化する確率を0・2としている。
2000年8月4日、アリアント・テクシステムズ社が研究開発契約を受注し、2004会計年度の第3四半期に研究開発を完了し、計画が順調に推移すれば、2005年から部隊初度配備を開始する見込みである。
性能諸元と機能の概要は、全長88・82センチ以下、重量5・44キログラム以下、発射速度は20ミリ弾が10発/分、5・56ミリ弾はM16A2ライフルと同等、有効射程は20ミリ弾が1000メートル、5・56ミリ弾はM16A2と同等、榴弾空中炸裂無線指示機能、両手利き操作可能、赤色輝点による昼夜間の照準点指示機能、建物内および掩蔽目標に対するレーザー測距照準調整機能、発射反動緩衝機能となっている。
 菰田 康雄(財)防衛技術協会・客員研究員)


 
 
 3月25日付


防衛トピックス

海  外 
A10後継はF35Bに

米空軍はA10攻撃機の後継として実用試験中のF35次期戦闘攻撃機の短距離離陸・垂直着陸型(B型)=写真=を選定する意向だ。地上部隊に対する対地支援能力の強化が目的。F16の後継としてF35の導入が決定している米空軍では、これまで短距離離陸・垂直着陸型の導入計画はなかった。だが、イラクやアフガニスタンの対地支援の経験から、前線に近い拠点から発着が可能なSTOVL型の有用性が確認されたことによる。米空軍では現在、航空管制用も含めて約360機のA10を運用している。

難燃性の迷彩布開発 

耐熱・耐火防護服用のメタ系アラミド繊維を生産している仏のケルメル社は、繊維染料の高い技術を持つダイスター社と共同で難燃性迷彩布を製造する特殊技術を開発した。ヘリコプター操縦士や車両操縦手に求められる迷彩服を実現するもので、耐光、洗濯、摩擦に対しても高い耐久力をもつ。また、赤外線反射率が低いのも特徴。同社では歩兵用の戦闘服布地としても提案していく計画。


国  内
4研が地上ロボ試作

技本4研(相模原)は、市街地での偵察活動などに投入できる「将来地上用携行多機能型ロボット」の研究を進めている。米軍がアフガニスタンやイラクでゲリラ掃討用に使用した小型地上ロボと同様の機能をもった遠隔操縦型の小型車両で、試作1号機は全長・全幅がそれぞれ約70センチ、高さ約30センチ、重さ約20キロの大きさ。衝撃に強いバルーンタイヤ4本を履いている。センサーには全方位カメラ・ユニットを搭載し、屋内の状況を偵察するなどの試験に供された。将来的にはタイヤを履帯に変更したり、作業ツールに爆発物を処理するアームを取り付けるなど、各種タイプの試作を計画している。

 

 

 
 
 3月25日付


<16年度防衛費>
重要施策を見る(6)人事・処遇

16年度防衛費(政府案)のうち、人事・処遇施策の関連経費(契約ベース)は1868億6200万円で対前年度比1・1%の減。勤務環境の改善や生活関連施設では、整備の進んだ隊舎や宿舎などから体育館や厚生センターに予算が振り向けられている。処遇改善では、新編の陸自システム防護隊(仮称)や情本・内閣衛星情報センター関連の深夜業務に夜間特殊業務手当を支給。人事では統幕が中央指揮所や情本の体制強化などで、2年連続百人以上の増員になる。

 〈定数〉16年度末の自衛官定数は、陸自が16万6832人(常備自衛官15万7828人、即応予備自9004人)、海自4万5842人、空自4万7361人、統幕2149人で計26万2184人。前年度より524人減。
 陸自は8師団の改編などで常備自衛官が2093人減、即応予備自が1336人増で計757人の減。海自は江田島病院の廃止に伴う呉病院(仮称)の新設で3人増。空自は小牧管制隊(仮称)の新編などで75人増。統幕は中央指揮所管理運営室システム保全班や、情本の画像・地理、緊急・動態など各部要員の増強で155人増。
 16年度の自衛官の平均人員と充足率は、陸自が14万5906人で91・29%、海自が4万3694人で95・32%、空自が4万4939人で95・03%。陸自は定数減で充足率が前年度より1・78%上がる。
 予備自衛官は3自衛隊で4万7900人。予備自衛官補は新たに380人(一般公募235人、技術公募145人)を採用して995人体制になる。
 〈諸手当の改善〉▽船舶検査等手当の危険加算の追加等=海自の特別警備隊員が行う立ち入り検査業務などのうち、特に危険な作業に従事した場合の手当として、従来の7700円に「危険加算」として50%相当額を加算する。
 ▽夜間特殊業務手当の支給=新編の陸自システム防護隊(仮称)でシステム防護のための監視業務、情報本部の内閣衛星情報センター連絡室で同センターとの連絡調整業務をそれぞれ深夜に行った場合、勤務1回当たり1100円を支給する。
 ▽小笠原手当の適用期間の延長〓小笠原諸島(父島、硫黄島、南鳥島)所在官署での業務に支給される小笠原手当の適用期間(平成16年3月31日まで)を5年間延長する。
 〈勤務環境改善・生活関連施設〉整備工場、警衛所などの勤務環境改善施設と隊舎、公務員宿舎、体育館などの生活関連施設を合わせた整備費は839億円で対前年度比4・5%減(契約ベース、以下同)。
 (1)勤務環境改善施設は295億円で対前年度比11・1%減。整備工場は44カ所で陸自が高遊原、土浦、松戸など、海自が大空、岩国など、空自が新潟、千歳など。警衛所は14カ所で陸自が春日、滝川など、空自が白山、襟裳。消防所は11カ所で陸自が反町、早来など、海自が小月、空自が与座岳、高良台。
 (2)隊舎等整備は119億円で同0・2%減。隊舎は10カ所で整備率は92・3%。陸自が相浦、松戸など、海自が下総、空自が春日、小牧など。食厨は7カ所で陸自が仙台、板妻など、海自が大空。浴場は5カ所で陸自が伊丹など、海自が下総、空自が府中など。ボイラーが12カ所で陸自弘前、海自八戸、空自小松など。
 (3)体育館等は90億円で同6・2%増。体育館は2カ所で空自の入間、恩納。プールは1カ所で空自の恩納。厚生センターは2カ所で陸自が仙台、空自が御前崎。
 (4)公務員宿舎は335億円で同2・3%減。国設宿舎の設置戸数は716戸で標準的なC規格(55平方メートル)以上の宿舎の充足率は69・4%。
 〈営舎用経費等〉32億円減の577億円で同5・2%減。(1)生活勤務環境改善は隊舎用備品、給食器材の整備など(2)雑務の軽減は食器洗浄、草刈り作業の部外委託など(3)艦艇厚生備品等の整備、上甲板さび打ち塗装の一部部外委託など。
 〈就職援護施策〉就職援護施策の充実に19億円。各種資格取得のための職業訓練、援護担当者や任期制隊員への一般常識教育やパソコン講習、企業の部隊研修など。
 進路相談等の部外委託施策では、全国の陸海空自の駐屯地・基地に常駐して、退職予定隊員の各種進路・就職相談に専門に対応する「進路相談員」の整備を進め、設置個所を15年度末の18カ所から3カ所増やして21カ所にする。

 

 
 
 3月25日付


イラク復興支援 月内にも本格活動
第3波クウェート到着
2波はサマワ入り



政府専用機でクウェートに到着したイラク復興支援群本隊の第3波の隊員たち(3月22日、ムバラク空軍基地で)

第1次イラク復興支援群本隊第2波の重信勝利2佐以下190人は3月20、21の両日、二手に分かれてクウェートの米軍キャンプ・バージニアからイラク入りし、サマワ宿営地に到着した。一方、本隊の最終グループとなる第3波の渡辺優彦3佐以下約120人は3月21日、北海道・空自千歳基地から政府専用機で出発、翌22日午前7時(日本時間同午後1時)クウェートのムバラク空軍基地に到着した。車両操縦訓練などを行った後、順次サマワ入りする。第3波のサマワ入りで1次隊は550人全員が現地展開を完了、今月末にも給水や公共施設の復旧など支援活動を本格化させる。

第3波の渡辺3佐以下隊員約120人は21日正午、陸自東千歳駐屯地からバスで空自千歳基地へ移動。同基地で午後1時から浜田副長官、持田北方総監、各師団長ら防衛庁・自衛隊幹部や隊員家族を交えて約1時間半、会食、懇談した。
この後、同3時から防大卒業式を終えて駆けつけた先崎陸幕長も出席して格納庫で見送り式が行われ、渡辺3佐が浜田副長官に出発を報告。副長官は「イラクでは暫定政府の樹立に向けて懸命な努力がなされている。自分たちの能力を信じ、部隊一丸となって任務にまい進を」と訓示した。次いで渡辺3佐が「群長を核心として誠実に規律正しく、淡々と与えられた任務を遂行します」と決意を述べた。
式後、派遣隊員は家族らが見送る中、バスで移動し政府専用機に搭乗。同機は午後5時20分、クウェートに向け離陸した。
一方、第2波は20日午前5時、重信2佐以下の約130人がキャンプ・バージニアを軽装甲機動車など車両群3個梯隊で出発、国境で給油後、イラク領内に入り、同日午後2時半、サマワ宿営地に到着した。
翌21日は女性自衛官11人を含む約60人が同時刻にキャンプ・バージニアを2個梯隊で出発。同日午後3時過ぎまでにサマワ宿営地に入った。女性隊員のイラク入りは初めて。
女性幹部の1人は翌22日、ルメイサ市のアル・ジェリル小学校で行われた文房具贈呈式に佐藤業務支援隊長らとともに参加。同校の6年生や近隣の学校代表ら約120人に折り紙講習を実施するなど、早くも活動を開始した。
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クウェートを拠点にイラクへの支援物資の空輸任務についている空自「イラク復興支援派遣輸送航空隊」など計約200人の派遣隊員のうち、輸空隊副司令の佐々木望1佐以下約100人は3月22日、交代要員に任務を引き継ぎ、政府専用機でクウェートのムバラク空軍基地(クウェート国際空港)を出発、24日午後、小牧基地に帰国した。

 

 
 
 3月25日付


防大卒業式
「国際社会に貢献を」首相訓示
48期439人など巣立つ

防衛大学校(西原正校長、神奈川県横須賀市)の本科48期生と理工学研究科前期課程41期生、同後期課程1期生、総合安全保障研究科6期生の卒業式が3月21日、同校記念講堂で行われ、小泉首相、石破防衛庁長官をはじめ来賓、父兄、在校生ら約1950人が出席、卒業生の門出を祝った。小泉首相は訓示で「今やわが国は国際的な平和と繁栄のため積極的に貢献する立場にある」として、国際社会に貢献する自衛隊を目指すよう要望した。



恒例の帽子投げで喜びを表す卒業生(3月21日、防大で)

卒業式は午前10時開式、国歌斉唱の後、西原校長が本科卒業生一人ひとりと、研究科卒業生の代表3人に卒業証書を授与、荒船次郎学位授与機構副機構長から卒業生代表に学位記が授与された。
西原校長は式辞で、本科学生に対しイラクでの復興支援を例に「諸君のこれからの任務は、予期せぬ時に予期せぬところで求められる」として、未知の任務遂行のための柔軟な思考力、鋭い洞察力を養うよう要望、「歴史書、古典文学、異文化などに接し、指揮官としての資質を着実なものにして欲しい」と述べた。
また、理工学研究科前期課程と総合安全保障研究科の卒業生に対し、経験を基にした専門分野での貢献、理工学研究科後期課程の卒業生には高度技術の応用で実力を発揮するよう求めるとともに、留学生には「日本人学生との間に培ったきずなが国際平和協力活動などで生かされることを願う」と述べた。
続いて小泉首相が訓示。イラク復興業務支援隊長の佐藤正久1陸佐(防大27期)の現地報告を紹介し、「各自が一層自らを磨き高めることで、国際社会の平和と安全に貢献する自衛隊の実現を目指して欲しい」と要望。石破長官も、有事法制の整備とイラク後方支援という大きな時代の変化に触れ、「防大で素晴らしい知識を得た諸君が、新しい歴史を作っていくことを期待する」と訓示した。
来賓祝辞の後、本科生を代表して斎藤真吾学生(航空要員)が「4年間の歩みを止めることなく、ひたすら精進していく覚悟」と答辞、学生歌を斉唱した。
この後、卒業生は陸海空各幕僚長から一般幹部候補生・曹長に任命され、陸海空要員を代表して桐谷高弘、柏木祐一郎、斎藤真吾各学生が力強く宣誓、卒業生全員で恒例の帽子投げで卒業を喜び合った。
午後は陸上競技場で観閲式が行われ、3自衛隊の航空機18機が上空を観閲飛行。卒業生の前を約800人の在校生が観閲行進して門出を祝福した。
今年の卒業生は本科48期が陸上要員193(うち女子13)、海上要員109(同10)、航空要員101(同10)、留学生14、非任官者22(同3)の計439人。非任官者は任官辞退19(同2)、身体的理由による転身承認3(同1)人。理工学研究科前期課程41期生は陸22(同2)、海6(同2)、空15(同1)、技官9(同1)、留学生7、民間、海保各1の計61人。同後期1期生は陸2、空2(同1)、技官1計の5人。総合安全保障研究科6期生は陸4、海4、空5(同2)、事務官1、海保1の計15人。


小泉首相訓示

防衛大学校卒業式が挙行されるに当たり、卒業生諸君並びにご家族の皆様方に対し、心からお祝いを申し上げます。
防衛大学校がこの地、小原台に創設されたのは、次のような理由からだと聞いています。一つは、海が近いこと。海の要員を育成するためにはカッター訓練などの海上実習は必須だからである。二つめは東京に近いこと。学生にしても教授陣にしても辺鄙な田舎では集まりにくい。東京駅から約1時間半のこの地は条件に叶っていた。他には将来的に拡張が望める広さであること、日本の象徴的存在である霊峰富士が臨めることなどであったと言われています。
小原台の4年間は、一般の大学生活と比べれば、学科も生活規律も格段に厳しく、また緊張感のあるものであったと思います。本日、このようにたくましく成長した諸君を前にして、心から頼もしく感じます。
防大1期生の卒業式祝辞で吉田茂総理は「従来の国防の意味は単にその国を守るということであった。今日は一国を守るということのみではなくして、進んで、世界、人類の自由、繁栄、幸福を守るという広い意義を持っているのである」と述べています。
世界第2の経済大国と呼ばれるようになったわが国にも、戦後多くの国からの支援と協力を受け、経済発展を遂げたという歴史があります。今やわが国は、国際的な平和と繁栄のため積極的に貢献する立場にあります。
自衛隊は、平成3年にペルシャ湾において機雷掃海活動を行って以来、カンボジア、ゴラン高原、東ティモールにおけるPKO活動などの国際貢献活動を通じて、着実に経験と実績を積んできました。国連東ティモール支援団の代表は、国連安保理における演説で、日本の自衛隊による支援活動を「優れた成果」として賞賛しました。
現在イラクでは、陸海空の自衛隊がイラク国民のため人道復興支援に汗を流しています。佐藤正久1等陸佐は、防大27期生であります。ゴラン高原におけるPKO活動の経験を買われ、陸上自衛隊の先遣隊長として、本隊の活動基盤の整備に当たっています。
現地からの便りの中で、佐藤隊長は、「イラクの人たちは大人も子供も自衛隊に『ヤバーニ、ヤバーニ』と明るく手を振ってくれる。黒装束の女性まで手を振ってくれるのに驚いた。子供たちの大半は靴を履いていないし、失業者も多く、現地の生活は豊かではない。そんな苦しい中でも、視察先で女の子が貴重な造花をくれた。埃まみれだったが、美しい花だった。自分は、日本国民の善意の代理者、実行者として、精一杯人道復興支援に取り組まねばならないと肝に銘じている」と伝えてきています。
今回のイラクの復興支援には、女性自衛官も参加しています。「イスラム社会に気を配りながら人道復興支援に役立ちたい」「自分たちの仕事いかんで今後、女性自衛官の活躍の場も広げられると思うので、精一杯頑張りたい」などの抱負を胸に、さまざまな業務に従事しています。本日は36名の女子学生が卒業しますが、自衛隊が担う多様な任務を全うするため、あらゆる分野において、女性の活躍する範囲は今後一層拡大していくものと期待しています。
本日の卒業生の中には、7カ国、21名の留学生が含まれていると聞きました。卒業生諸君にあっては、小原台における同期生としての交流を今後も大切に温めながら、自衛隊と各国防衛当局の間の強い信頼の絆となるよう望みます。
自衛隊に対する国民の信頼は、過去半世紀にわたり2万人を超える先輩たちが黙々と努力し、実績を積み重ねてきたことによってもたらされたものであります。諸君においては、この貴重な財産を受け継ぐとともに、各自が今後とも一層自らを磨き高める努力を続けることにより、「国民とともにある自衛隊」「国際社会の平和と安全に貢献する自衛隊」の実現を目指していただきたい。
終わりに、卒業生諸君を幹部要員として育て上げた学校長を始めとする教官、職員の方々に心から敬意を表します。諸君の今後のご活躍と防衛大学校のますますの発展を祈念し、私の訓示といたします。
卒業おめでとう。


 
 
 3月25日付


F2が対領侵任務に
三沢3飛

3空団(三沢基地)第3飛行隊はF2支援戦闘機で3月19日から対領空侵犯措置任務のアラート(警戒待機)についた。F2部隊としては初の実任務。同基地で同日、3飛行隊長の村上享由2佐が鬼塚恒久団司令に任務開始を申告し、スクランブル(緊急発進)に備えた。
F2量産型機は平成12年9月に初号機を受領、翌月、3空団に配備されて臨時F2飛行隊が編成され、運用試験を開始した。3飛行隊では13年3月にF1からF2への機種更新を完了し、初のF2部隊として約20機で新たなスタートを切った。臨時F2飛行隊は3飛行隊に吸収され、運用試験は3飛行隊で15年3月まで続けられた。
その後、約1年間にわたる錬成訓練を経て16年2月、北空司令官によるORI(戦闘能力点検)を終え、対領空侵犯措置任務が付与された。
F2は昭和63年、米F16戦闘機をベースに日米が共同開発に着手、平成8年からF1支援戦闘機の後継として調達を開始した最新鋭機で、先進電子機器を搭載し、最大速度はマッハ約2・0。開発段階で不具合が見つかるなどしたため、当初計画より約1年、部隊配備が遅れた。
          
9師団が米三沢基地で警護訓練

陸自9師団(青森)は3月9日から11日まで、在日米軍施設を警備する警護出動訓練を米軍三沢基地で実施した。
折木9師団長を訓練担任官に、5普連の1個中隊基幹約80人、米軍からは第35憲兵隊から約30人が参加。小銃や拳銃を携行した隊員がパトロールして基地内に入る車両を点検、米軍との連携などを確認した。
米軍施設の警護出動訓練は昨年11月に米海兵隊岩国飛行場などで13旅団(海田市)、今年2月には米海軍佐世保基地で4師団(福岡)がそれぞれ行っているが、米軍部隊との共同実施は初めて。訓練開始式は報道陣にも公開された。
          
「しらせ」シドニー着

第45次南極地域観測協力を行っている海自砕氷艦「しらせ」(1万1600トン、艦長・原口一之1佐以下171人)は3月20日、豪・シドニー港に入港した。
「しらせ」は45次観測隊(神田啓史隊長以下55人)の行う観測や、燃料補給、物資輸送などの支援を終えて2月17日に昭和基地を出発、海洋観測協力を行いながら約1カ月をかけてシドニーに到着。45次夏隊員、44次越冬隊員計22人らを同港に下ろした。
 26日にはシドニーを離れ、4月12日に東京港に帰国の予定。

 

 

 
 
 3月18日付


イラク復興支援
本隊第2波クウェート入り
重信2佐以下190人 ナースら女性11人も

第1次イラク人道復興支援群本隊第2波の重信勝利2佐以下約190人は3月13日、政府専用機2機に分乗して北海道・空自千歳基地を出発、翌14日午前7時(日本時間同日午後1時)、クウェートのムバラク空軍基地に到着した。一方、支援群の車両など装備品を搭載して2月20日に北海道・室蘭港を出港した海自輸送部隊(指揮官・椋尾康広1輸隊司令)の輸送艦「おおすみ」(8900トン、艦長・阪上広治1佐以下約150人)と同艦護衛の護衛艦「むらさめ」(4550トン、同・地蔵謙介2佐、同180人)は同15日、クウェートに到着、車両などが陸揚げされ、前日クウェート入りした第2波に引き渡された。第2波はこの後、米軍キャンプ・バージニアで車両操縦訓練などを行い、順次サマワ入りする。3月下旬には第3波も出発、サマワで合流すると1次隊の全部隊が現地展開を終えることになる。なお、第2波には衛生隊看護班長の川上文子1尉ら女性自衛官11人が含まれている。



政府専用機でクウェートに到着した陸自復興支援群第2波の隊員。女性隊員も元気に専用機を降り立った(3月14日、ムバラク基地で)

「国民は諸官を応援」浜田副長官

本隊第2波の重信2佐以下隊員約190人は13日午前11時半、陸自東千歳駐屯地をバスで出発、空自千歳基地へ移動。同基地で午後零時半から浜田副長官、先崎陸幕長、持田北方総監、各師団長ら防衛庁・自衛隊幹部、隊員家族を交えて約2時間、会食、懇談した。
 
この後、同3時から304格納庫で見送り式が行われ、派遣隊員が整列する前で給水隊長の重信2佐が浜田副長官に出発を報告。副長官は「諸官の到着でいよいよ本格的な復興支援活動が始まる。イラクの人々に温かい手を差し伸べるため頑張っていただきたい。多くの国民が諸官を応援している」と派遣隊員を激励した。次いで重信2佐が「明るく前向きに、日本人らしく誠実、規則正しく業務を遂行し、任務達成に向け全力でまい進することを約束します」と決意を述べた。
 
見送り式に先立ち派遣隊員の代表が取材に応じた。衛生隊看護班長の川上文子1尉は「先に行った隊員は時間がたっているので健康状態を早く把握したい」などと、今回イラクに初めて派遣される女性隊員としての抱負を気負わずに披露した。
 
式典後、派遣隊員は家族らの見送りを受けてバスで移動し、エプロンで政府専用機2機に分乗、同5時20分と50分、両機は相次いでクウェートに向け離陸した。

 

 
 
 3月18日付


クウェートに物資揚陸
「おおすみ」など2艦 任務果たし帰国へ



室蘭から25日間の航海でクウェートに到着、接岸した海自輸送艦「おおすみ」と、艦内から次々と降ろされる陸自復興支援群用の車両(3月15日)


【クウェートで薗田嘉寛記者】イラクのサマワに展開している陸自部隊が使用する車両などを海上輸送していた海自の派遣海上輸送部隊(指揮官・椋尾康広1輸隊司令、輸送艦「おおすみ」、護衛艦「むらさめ」で編成)が3月15日午前、無事クウェートに到着、岸壁で待ち受けた陸自隊員に搭載車両などを引き渡した。陸自の軽装甲機動車など車両約70両を搭載した補給艦「おおすみ」は午前11時、クウェートの商港に入港した。
同港は石油備蓄施設が立ち並ぶ地域にあり、米軍の補給基地にも隣接。岸壁には米海軍の大型輸送艦3隻が接岸し、米陸軍のM1エイブラムス戦車など装甲車両が多数陸揚げされているなど、乗員たちにイラクに近い場所にきたことを実感させた。
「おおすみ」が接岸した岸壁には陸幕展開支援班長の坂下栄治1佐らと、前日に政府専用機でクウェート入りしたばかりのイラク復興支援群第2波の隊員ら150人、クウェート防衛駐在官の小島信義1空佐ら現地日本大使館関係者が出迎えた。護衛艦「むらさめ」は接岸せず港外に投錨した。
「おおすみ」からタラップが降されると、さっそく坂下1佐らが乗艦、士官室で椋尾司令、阪上広治艦長にあいさつ。続いて「おおすみ」乗員約40人が岸壁に降り、車両引き渡し式を実施。輸送部隊を代表して椋尾司令があいさつし、「皆さんが熱砂のイラクで人道復興支援の大任を実施されることに敬意を表します。無事任務を果たし、総員が無事帰還されることを祈念します」と述べ、阪上艦長から輸送車両・物資の目録が坂下1佐に手渡された。
次いで坂下1佐が「(呉出発から)28日間の長期の航海ご苦労さまでした。受領した車両は無事サマワに届け、人道復興支援に活用致します」と感謝の意を表明、式を終えた。
この後、昼過ぎから陸揚げ作業を開始。「おおすみ」輸送長の鈴木高志1尉の指揮で車両を固定していたチェーンが外され、陸自第2波の隊員が一斉に乗艦、1両に2人ずつ乗車して、右舷のサイド・ランプから自走で次々と車両を岸壁に下ろした。
陸自に引き渡されたのは大・中型トラック、軽装甲機動車、高機動車をはじめ、ダンプ、救急車、重レッカー、燃料タンク車、水トレーラー、野外炊具1号など。トラックには入浴セット、洗濯セット、発電機なども搭載。
陸揚げ作業は約1時間半ですべて完了した。
これら車両は燃料補給と簡単な整備作業の後、米軍のキャンプ・バージニアに運ばれ、第2波隊員による操縦訓練を経て、近く陸自サマワ宿営地に搬送される。
搭載車両が次々に揚陸される様子を「おおすみ」艦橋から見守っていた阪上艦長は、「大切に輸送してきた車両をイラクの人々のために活用してほしい。われわれ乗員の思いも陸自隊員と同じ。この気持ちをサマワまで車に乗せて連れていってもらいたい」と話していた。
揚陸作業を終えた「おおすみ」は、水中処分員による船底の確認作業などを行った後、午後4時、クウェート港を出港した。乗員はクウェートの土を踏むことなく、長い帰国の途についた。

 

 
 
 3月18日付


政府 イラク・ムサンナ県に
給水車12両を贈る



日本から贈られた給水車と、贈呈式に集まった関係者ら(3月10日、イラク・ムサンナ県庁前で)

政府は3月10日、陸自イラク復興支援群が活動するムサンナ県に給水車12台を贈った。同日、県庁舎前広場で行われた贈呈式では、番匠幸一郎群長からアルハサニ県知事に車のキーが手渡された。
広場前には日本から贈られる12台とオランダ政府からの10台が並べられ、番匠群長、佐藤隊長、外務省関係者をはじめ、ムサンナ県知事、同県水道局関係者、オランダ軍関係者らが出席。オランダ軍代表に続き、日本の外務省職員が目録を贈呈した。
給水車は外務省が無償資金協力として約1億円で購入したもので、1台で10トンの水を運ぶ能力がある。県知事は「友人の日本から給水車を送っていただきありがたい。さらに再建に協力を」などと語った。
式典終了後、現地の水道局関係者が真新しい給水車に乗り込み、陸自隊員から取り扱いの説明を受けて操作訓練を行ったあと、試運転した。
給水車贈呈について佐藤支援隊長は、殺害された奧大使が生前、日本政府からの給水車供与の構想を佐藤隊長に説明していたというエピソードを明かし、「奧大使の遺志を一つ実現できた」などと語った。
式典の模様は同日夜、防衛庁の陸幕広報室で初の試みとして衛星回線によるテレビモニターで中継され、報道陣にも公開された。

 
 
 3月18日付


空自交代要員を派遣
クウェートとカタール 柳原1佐以下98人

クウェートのアリ・アルサレム空軍基地を拠点にイラク支援物資の空輸任務についている空自「イラク復興支援派遣輸送航空隊」と、カタールのアル・ウデイド空軍基地で各国軍との運航調整に当たっている「空輸計画部」の初めての交代要員(派遣部隊第2期前期)98人の出国行事が3月16日、空自百里基地格納庫などで行われた。
 
行事では空輸計画部長の溝口博伸1佐と交代する柳原孝重1佐(中空幕僚長)が香川支援集団司令官に出国を報告。香川司令官は「国のためということを自覚してしっかりと任務を遂行せよ」と訓示した。
 
これに先立ち、輸空隊副司令として派遣される梅津純2佐が記者会見し、「第1陣がゼロから始めた功績をさらに発展させるよう頑張りたい。"フォア・ザ・フラッグ(日の丸のために)"の精神で任務に臨みたい」などと長嶋茂雄監督の言葉を引用しながら抱負を語った。 
98人は翌17日、民航機で成田空港を出発した。

 

 
 
 3月18日更新


16次隊、隊旗返還 ゴランPKO


中東・ゴラン高原の国連兵力引き離し監視隊(UNDOF)に派遣されていた陸自第16次ゴラン高原派遣輸送隊(隊長・吉浦健志3佐以下、9師団主力の43人)が3月11日までに帰国を完了、同13日、青森駐屯地で隊旗返還式が行われた。
式には中島政務官、先崎陸幕長、奥村東北方総監をはじめ駐屯地隊員、家族など約170人が出席。吉浦隊長が中島政務官に16次隊全員の帰国を報告した後、政務官が訓示し、「貴重な体験を生かし、これからもわが国の防衛にまい進することを期待する」と派遣隊員の労をねぎらった。続いて防衛庁長官からの1級賞状を伝達、吉浦隊長から隊旗が返還された。
式後、家族を交え、帰国歓迎会食が隊員食堂で行われた。


米海大で共同CPX始まる

海上自衛隊と米海軍の平成15年度日米共同指揮所演習(派米訓練)が3月15日から、米・ロードアイランド州ニューポートの米海軍大学校で始まった。25日まで。
わが国防衛のための海自と米海軍の共同対処、周辺事態に際しての指揮幕僚活動を演練、共同運用能力の維持・向上を図るのが狙いで、海幕、自艦隊司令部などから25人前後と、在日米海軍、第7艦隊、海軍大学校などの約40人が参加。
同演習は昭和63年度から始まり、今回で16回目。

 

 
 
 3月18日付


大地震想定、官邸で離着陸訓練
陸海空ヘリ6機


 
首相官邸の屋上に着陸する海自21空群のSH60J哨戒ヘリ(3月13日、東京・永田町で)

東京・千代田区永田町の首相官邸で3月13日、陸海空自衛隊ヘリによる離着陸訓練が行われた。首都直下型地震を想定したもので、内閣安全保障・危機管理室の主催。3自衛隊のヘリがそろって参加するのは昨年2月、12月に続き3回目。
訓練には陸自東北方航(霞目)のUH1J多用途ヘリ2機と東方航(立川)のUH1H多用途ヘリ1機、海自21空群(館山)のSH60J哨戒ヘリ2機、空自百里救難隊のUH60J救難ヘリ1機の計6機が参加した。
午前9時20分、1番機の百里救難隊UH60Jヘリが官邸北側上空から進入、屋上に着陸し、約3分ほどで離陸。この後約5分間隔で同様の進入経路をとり、21空群のSH60J、東方航のUH1H、東北方航のUH1Jの各機が官邸屋上に着・離陸した。

 
 
 3月18日付


海自2つの任務部隊
アラビア海で洋上会合果たす
「ときわ」がクウェート目指す僚艦に「お腹一杯」の燃料補給
舷側で手を振り合う
輸送部隊もお返し
搭載ヘリで慰問品運ぶ

海外に派遣された海自の二つの任務部隊が3月11日午前、アラビア海で洋上会合を果たした。テロ特措法により米英軍艦艇などへの給油支援のためインド洋に展開している派遣艦艇部隊(指揮官・柴田哲次1佐=63護衛隊司令、護衛艦「みょうこう」「さみだれ」、補給艦「ときわ」で編成)と、イラクの陸自部隊に車両などの装備を届けるためクウェートに向かっている派遣海上輸送部隊(指揮官・椋尾康広1佐=1輸隊司令、輸送艦「おおすみ」、護衛艦「むらさめ」で編成)で、海外で訓練中の部隊が洋上で会合することはあるが、ともに海外派遣の任務中の部隊が日本から遠く離れた外洋でランデブー(会合)するのは珍しい。



補給艦「ときわ」を真ん中に、併走しながら燃料補給を受ける輸送艦「おおすみ」(右)と護衛艦「むらさめ」(左)。後方は護衛艦「さみだれ」(3月11日、アラビア海で=代表撮影)

発光信号であいさつ
 
今回は「おおすみ」など海上輸送部隊が海自補給艦「ときわ」(艦長・川井信良2佐)から洋上給油を受けるため、両者の会合が実現した。輸送部隊の2艦は2月20日に北海道・室蘭を出港、3月上旬、インド洋に達した。同海域では護衛艦「みょうこう」「さみだれ」と補給艦「ときわ」が米英等海軍艦艇の後方支援活動に従事中で、派遣3回目となる「ときわ」はこの日までに計146回の給油支援を実施、同海域で行動する各国艦艇によく名前を知られた存在となっている。「おおすみ」と「むらさめ」は「ときわ」から燃料補給を受けるため、通信でランデブー・ポイントを調整、この日、洋上で会合した。
同日午前6時50分、両艦は互いにレーダーで相手の存在を初めて確認。距離は約80キロ。同7時30分、25キロに近づいたところで水平線上に相手部隊のマストを視認し合った。昨年10月末から日本を離れている「ときわ」にとっては久々の海自艦艇との出会いであり、一路、クウェートを目指し航海を続ける「おおすみ」「むらさめ」にとっても外洋に出てから自衛艦旗を掲げる海自艦艇との初めての会合だ。
両艦は互いに歓迎の意を表するため、まっすぐ相手部隊に向かって航行し、至近距離ですれ違いながら、乗員が舷側に並び互いにあいさつする方式をとった。同8時30分、「ときわ」の左舷前方に特徴的なシルエットを持つ「おおすみ」の艦影が近づいてきた。その艦影から発光信号が光る。同隊指揮官の椋尾1輸隊司令から「ときわ」の柴田63護隊司令へのメッセージだ。「おはようございます。よろしくお願いします」。これに対し、「ときわ」のウイングからは柴田司令のメッセージが返される。「長旅お疲れさま。われわれのおごりです。(油を)お腹いっぱいどうぞ」──。
次第に「おおすみ」の艦影が大きくなる。全通の甲板上には陸自がイラクで使用する軽装甲機動車など多数搭載されているのが識別できる。「ときわ」艦内マイクから「ウエルカム信号上げよ」との声。マストにはするすると「5」「9」「6」「3」と数字を意味する信号旗が並んで上がる。「ごくろうさん」の意味だ。さらに乗員が作製した特大の自衛艦旗も上がった。相手艦の士気を上げるためだ。
「作業やめ。乗員、甲板に整列」のマイク。隊員たちが左舷の甲板に集まる。速力は12ノット(約20キロ)とゆっくりだ、互いに向かい合っているためかなり速く接近してくる。
やがて「おおすみ」が「ときわ」の左側に入ってくる。距離約250メートル。大型艦だけに至近距離の感じがする。海を隔てて両側からラッパが鳴らされ、両艦の乗員たちは救命胴衣姿のままヘルメットを持って相手艦の仲間たちに向け手を振り合った。
「おおすみ」甲板上には陸自の軽装甲機動車のほか、高機動車、大型トラック、給水トレーラーなど深緑色の車両が20数台固定されている。艦橋部には海自隊員のほか、迷彩服に救命胴衣を付けた陸自隊員の姿もみえる。
 「おおすみ」のマストには「3」「9」(サンキュー)の信号旗が掲げられている。あっという間に両艦は通りすぎ、続いて護衛の「むらさめ」が姿を現す。同じように乗員は登舷礼式で整列。ラッパが再び鳴り渡り、乗員たちはヘルメットを振ってあいさつを交わした。


平和を担う心意気

 
このあと「おおすみ」と「むらさめ」は反転して「ときわ」の両側に後方から進入、併走しながら洋上給油を受けた。3艦の前後にはイージス艦「みょうこう」と汎用護衛艦「さみだれ」がぴったりと周辺の警戒に当たった。海自の5艦が任務途中に僚艦と会合、久々に友情を確かめ合ったひとときだった。
一方、「ときわ」など3艦に対して、「むらさめ」搭載のSH60J哨戒ヘリがささやかなプレゼントを運んだ。家族から託された小包や慰問品で、段ボールでどっさり届いた新聞・雑誌はニュースに飢えていた乗員たちに大歓迎された。
両部隊は別れ際、再び発光信号のメッセージを交換。柴田司令はクウェートに向かう「おおすみ」など2艦に対し、次のような信号を送った。「お互いに羅針(はり)は違えど日の本の、平和を担う心意気、アラブの朝風(かぜ)に届けとばかり──。いずれまた。武運長久を祈る」。(「ときわ」艦上で、薗田嘉寛記者)

 

 
 
 3月18日付


海自最大艦「ましゅう」就役
海外長期行動にも対応
「とわだの改良型」搭載能力、大きく向上



試運転中の「ましゅう」。補給能力が大幅に向上し、災害派遣、国際貢献など多様な任務に対応が可能だ

海自最大の1万3500トン型補給艦「ましゅう」(艦長・影山博文1佐)の引き渡しと自衛艦旗授与式が3月15日、岡山・三井造船玉野事業所で行われ、古庄海幕長から自衛艦旗が授与されて就役した。
式には海幕長をはじめ、海幕の村上装備部長、契本の浅野副本長、三井造船の元山登雄社長ら約90人が出席。元山社長と浅野副本長の間で引渡書と受領書が交換された。
続いて海幕長が影山艦長に自衛艦旗を授与。海幕長、艦長、乗員が乗艦し、艦内視察の後、艦尾に真新しい自衛艦旗が掲揚された。
古庄海幕長は「テロ対策特別措置法によるインド洋への派遣などで、補給艦による協力支援活動が展開されている。補給艦の補給能力向上が求められていることもあり、今後の活躍を期待する」と訓示した。
会食をはさんで出港行事が行われ、「ましゅう」は関係者らの帽振れに見送られゆっくりと離岸、母港となる舞鶴に向かった。
「ましゅう」は平成12年度計画補給艦で、「とわだ」型を改良した海自最大艦。補給品類や燃料の搭載能力が大幅に向上し、医療機能も充実。災害派遣やPKOなど海外での長期行動にも対応できるよう航続距離の延伸も図られている。護衛艦隊直轄艦。


◇「ましゅう」主要目 ▽全長221メートル▽最大幅27メートル▽深さ18メートル▽きっ水8メートル▽基準排水量1万3500トン▽主機ガスタービン機関2基2軸▽最大速力約24ノット▽装備=洋上補給装置一式、補給品艦内移送装置一式▽乗員145人。

潜水艦「くろしお」も

海自の平成11年度計画2750トン型潜水艦「くろしお」(艦長・加納雅人2佐)の引き渡し・自衛艦旗授与式が3月8日、川崎造船神戸工場西浜岸壁で行われた。
式には防衛庁側から嘉数政務官、古庄海幕長、浅野契本副本長らが出席。加納艦長が嘉数政務官から自衛艦旗を授与されて乗員が乗艦し、艦尾に自衛艦旗が掲げられた。
嘉数政務官は訓示で「国民の期待にこたえるよう活躍を期待する」と述べた。
「くろしお」は「おやしお」型7番艦で、1潜群(呉)に配属される。葉巻型の船体自体をソナーとするフランク・アレイ・ソナーを装備。水中索敵能力、ステルス性、水中運動性能、推進性能を向上させている。
 
◇「くろしお」主要目▽長さ82メートル▽幅8・9メートル▽深さ10・3メートル▽きっ水7・4メートル▽基準排水量2750トン▽主機ディーゼル2基、メーンモーター1基1軸▽出力7700馬力▽速力20ノット▽主要兵装=水中発射管一式、シュノーケル装置一式▽乗員70人。

 
 
 3月18日付


21飛行隊最後のT2
惜しまれて最終飛行



航空ファンらが見守る中、ラスト・フライトに飛び立つ21飛行隊のT2高等練習機194号機(3月10日、松島基地で)

4空団(松島)21飛行隊(隊長・池添孝史2佐)で28年間にわたって戦闘機操縦課程の学生教育に使用されてきたT2超音速高等練習機が、新年度からF2への機種変更に伴って任務を終えることになり、3月10日、最後の2機が最終飛行訓練に臨んだ。
ラストフライトを行ったのは、192号機(編隊長・池添2佐、副操縦士・川久保裕二1尉)と194号機(機長・筒井道明2尉、同・越後英1尉)。両機は午前9時30分に離陸、三陸沖の訓練空域で編隊飛行などの訓練を行った後、同10時30分、基地隊員約1000人が見守るなか帰投した。基地周辺にはT2最後の勇姿を見ようと大勢の航空ファンらが詰め掛けた。
エプロンで拍手で出迎えられた池添隊長が「本日をもってT2の飛行訓練を終了しました」と谷井修平飛教群司令を経て安宅耕一団司令に訓練終了を申告。安宅団司令は「T2がなくなるのは寂しいが、F2への世代交代と考えれば喜ばしい。パイロットや整備員をはじめ隊員の努力に敬意を表したい」と訓示した。
国産初の超音速機T2は昭和50年、初代ブルーインパルスF86Fの後継機として同基地に導入され、翌51年から運用を開始した。一時は60機が配備され、今年2月に最後の卒業生を送り出すまで延べ1450人のパイロットを育成、総飛行時間は30万7000時間に及んだ。
2機のうち192号機は用途廃止されるが、194号機は8空団6飛行隊で同隊のF2機種変更までの間、F1支援戦闘機とともに実戦配備につく予定。
21飛行隊は今月29日、F2への機種変更を完了し、複座B型約20機編成のF2飛行隊として新しく生まれ変わり、これまでと同様、T2で行ってきた戦闘機操縦課程の学生教育を担う。平成14年4月に発足した臨時教育F2飛行隊は、教官等を養成する約9カ月間の試行課程を経て1期生数人が卒業し、現在は2期生が入校中だが、今後は21飛行隊に吸収される。

 

 

 
 
 3月11日付


<16年度防衛費>
重要施策を見る(5)後方


平成16年度防衛費(政府案)のうち、情報通信、教育訓練、環境・衛生施策などの後方面は歳出1兆9194億円(対前年比0・3%減)で、新規後年度負担は1兆244億円(同1・5%増)。高度情報通信ネットワークの構築では、引き続き防衛情報通信基盤(DII)の整備などを進め、陸自システム防護隊(仮称)の新編など情報セキュリティーの確保にも努める。情報機能分野では、情報本部の情報収集・分析体制を強化。安全保障環境構築の取り組みでは、イラク人道復興支援の活動費を盛り込んでいる。

〈高度情報通信ネットワークの構築〉契約ベースで1508億円(対前年度比12・9%増)。ITを活用した情報通信機能を強化し、情報セキュリティーの確保を図りつつ、ネットワーク環境を一層整備する。

▽高度なネットワーク環境の整備=引き続き通信ネットワークを集約・一元化させたDIIの整備を進める。16年度は秘区分のクローズ系の構築に着手する。
▽情報通信機能の強化=中央指揮システム(CCS)の充実を図る。新たに整備する師団等指揮システムは、師団内をネットワークでつなぎデータ伝送や野外展開時の状況把握などの効率化を目指すもの。逐次各師団に導入するが、16年度は教育用として通信学校(久里浜)へ。

空自自動警戒管制組織(バッジシステム)の近代化には契約ベースで317億円を充て、システム構築などを進める。
▽情報セキュリティーの確保=サイバー攻撃等を一元的に分析・対処・標定し、こうした攻撃への対処機能の強化を目指す陸自システム防護隊(仮称)を新編する。通信団(市ヶ谷)隷下で定員は約60人。また、中央指揮所管理運営室のシステム保全班要員を増員、中央指揮システムの監視分析装置も新たに整備する。

〈情報機能の強化〉情本等の情報収集・分析、保全体制を強化、器材・装置を充実させる。
▽情報収集・分析体制の強化=情本の空間情報(情報収集衛星からの画像情報を中心とする各種関連情報)業務の実施態勢を整備するとともに、衛星画像の解析技術の高度化を図るため、情本画像・地理部に研究担当部門を新設する。緊急・動態部、電波部等の要員も増強する。情報収集衛星は昨年3月に2基が打ち上げられている。
▽情報保全体制の強化=海・空自の情報保全隊の要員を増強。

〈教育訓練の充実〉契約ベースで8130億円(対前年度比1・9%増)。グローバル化に対応した教育を推進するため、海外の国防大学等への留学や留学生受け入れに力を入れ、語学教育や国際セミナーも積極的に開催する。

〈安全保障環境の構築〉
▽安保対話・防衛交流の推進=引き続き政策的交流、部隊間交流や多国間対話を推進する。政策的交流では関係諸国との首脳級等の協議、意見交換を行うほか、アジア・太平洋諸国参謀総長等(CHOD)会議を初の日米共催で開く。
▽国際平和協力業務の推進=国連東ティモール支援団(UNMISET)への部隊等の派遣のほか、本格化するイラク人道復興支援の現地活動経費に総額135億円を計上する。

〈環境対策〉契約ベースで105億円(同27%減)。基地・駐屯地等の環境対策の徹底を図る。リサイクル、廃棄物処理、水質保全など環境負荷の低減に向けた取り組みを進める。
前年度に引き続き、主な基地・駐屯地等で生ゴミを脱水・圧縮して減量化する厨芥処理機の導入、浄化槽の整備、公共下水への接続等を行う。また、浴槽の循環ろ過装置を設置して燃料や水の節減を図る。

〈衛生施策〉契約ベースで336億円(同19%増)。自衛隊病院や医療機器を整備、治療用医薬品等を確保し、部内医療態勢の充実を図る。
中央病院(三宿)の建て替え工事は16年度が3年目で建設費84億円。同病院は地上10階・地下3階建ての免震構造で、ヘリ離着陸施設を持つ。19年度に開院予定。このほか呉、江田島地区の衛生体制整備のため、江田島病院を廃止、呉病院を開設する。

〈防衛施設〉施設整備費等として契約ベースで1526億円(同7・8%増)。事業関連ではタカン施設(陸自宇都宮)、燃料タンク(空自百里)、後方支援関連では落下傘整備工場(陸自松戸)、機材整備場(海自岩国)、医務室(空自小松)、検査施設(同新田原)などを新たに整備する。

 
 
 3月11日付


有事法制
7法案を一括提案
政府 今国会の成立めざす

政府は3月9日、日本有事の際に国民の生命、財産などを守るための手続きを定めた「国民保護法案」をはじめ、防衛庁所管の「武力攻撃事態における外国軍用品等の海上輸送の規制法案」「武力攻撃事態における捕虜等の取扱い法案」「自衛隊法一部改正案」を含む有事関連7法案と、日米物品・役務相互提供協定改正案やジュネーブ条約の国際的な武力紛争の犠牲者の保護に関する追加議定書の承認など条約承認3案件を閣議決定し、同日、国会に一括提案した。政府は6月16日の会期末までに成立を目指す。これらの法案が今国会で成立すれば、昨年6月に成立した武力攻撃事態対処3法と合わせ有事法制整備がほぼ達成されることになる

 「国民保護法案」は、武力攻撃事態に際して国民の生命、財産を保護するとともに、国民の生活や経済に及ぼす影響を最小限にとどめるため、国、地方公共団体などが行う住民避難、被災者救援などの責務や電力・放送など公共機関、国民の協力について必要な事項を詳細に定めたもの。
 防衛庁所管の「外国軍用品等の海上輸送規制法案」は、武力攻撃事態に際してわが国領海や周辺の公海で外国軍用品等の海上輸送を規制するため、防衛出動を命じられた海自の部隊が実施する停船検査、回航措置の手続きと、防衛庁に臨時に設置する外国軍用品審判所の審判手続きを定めている。
 また、「捕虜等の取扱い法案」は、武力攻撃を排除するために必要な自衛隊の行動が円滑、効果的に実施できるようにするとともに、捕虜の待遇に関する1949年8月のジュネーブ条約(第3条約)その他の捕虜等の取り扱いにかかわる国際人道法の的確な実施を確保するため、捕虜等の拘束、抑留などの取り扱いに関し、必要な事項を定めている。
 「自衛隊法改正案」は、日米物品・役務相互提供協定(ACSA)を武力攻撃事態や同予測事態、さらに国際協力、大規模テロなどの場合でも自衛隊から米軍に物品・役務を提供できるようにするもので、2月27日には日米間で改正協定が調印されている。
 このほか「米軍の行動円滑化法案」は、武力攻撃事態などに際し、米軍が日米安保条約に従って円滑、効果的に行動できるようにするための法律で、米軍から協力要請を受けた場合、国は地方公共団体と調整し、土地の使用や自衛隊による物品・役務の提供を行う。
 「特定公共施設等利用法案」は、国民保護のための措置を的確に行うため、港湾施設や飛行場、道路、海空域および電波の利用に関して指針や必要な事項を定めている。
 「国際人道法の重大な違反行為の処罰法案」は、国際的な武力紛争で適用される国際人道法に規定する重大な違反行為を処罰することで同法の的確な順守を図るのが目的。重要な文化財を破壊する罪をはじめ捕虜の送還を遅延させる罪、占領地域に移送する罪、文民の出国等を妨げる罪などがジュネーブ諸条約などに基づき規定されている。
 「ジュネーブ条約」関連では、国際的な武力紛争の犠牲者の保護に関する「追加議定書I」と、非国際的な武力紛争の犠牲者の保護に関する「追加議定書II」、およびACSA改正協定の承認の3件。

停船させて積荷検査
外国軍用品の海上輸送規制
海自部隊の措置など規定

「外国軍用品等の海上輸送の規制法案」は、武力攻撃事態に際してわが国領海と周辺の公海で外国軍用品等の海上輸送を規制するため、海自部隊が実施する停船検査、回航措置の手続きや、防衛庁に設置する外国軍用品審判所での審判手続きなどを定めたもので、9章、77条の本文と自衛隊法の一部改正など4条の付則で構成されている。
海自部隊による規制行動は、防衛庁長官が「海上輸送を規制する必要があると認めるときに首相の承認を得て、海自部隊に措置を命じる」と規定。命令と同時に長官は停船検査を実施する区域を告示、また、外国政府などに外国軍用品の範囲と実施区域が周知されるよう直ちに、外務省に通知することも定めている。
海自部隊による船舶検査要領は「実施区域を航行している船舶が外国軍用品等を輸送していることを疑うに足りる理由があるとき」に実施され、「船上検査」は3海尉以上を長とする「船上検査官」のチームが船に乗り込んで書類・積荷の検査や乗組員への質問などを行い、その結果を艦長に報告する。
この報告に基づき、艦長が積荷は外国軍用品であると認定すると、積荷の引き渡しや、引き渡しに応じないときなどにわが国の港への回航を命令することができる。回航の際には、監督のため3海尉以上の長(回航監督官)のチームが乗り込み、帰属国の国旗とともに、自衛艦旗の掲揚を定めている。
これらの措置に際して武器使用が必要な場合は、警察官職務執行法のほか、新たに海上保安庁の規定も準用する。
停船検査の対象となる外国軍用品は、(1)核・化学・生物・毒素各兵器と対人地雷(2)鉄砲、弾薬、軍用の航空機、ロケット、船舶、車両など(3)軍用の装備品、付属品、軍用燃料・食糧など──に分類、(1)は廃棄処分、(2)と(3)は輸送の規制ができる、としている。
付則で定める外国軍用品審判所は、防衛庁に臨時に設置する機関で、停船検査による事件の調査や審判を任務とし、審判官は法律、防衛、海事に関する各専門家を長官が任命する。

捕虜等の取扱い法案
国際人道法踏まえ
認定から抑留まで

「捕虜等の取扱いに関する法案」は、武力攻撃事態の際に自衛隊の行動が円滑効果的に実施されることと、捕虜の待遇に関するジュネーブ条約に基づき、捕虜などの取り扱いを国際人道法により的確に実施することを目的に定められるもので、計6章、183条からなる本文と自衛隊法の一部改正など3条の付則で構成されている。
捕虜かどうかの判断は、防衛出動中の自衛官が「服装、所持品の形状、周囲の状況、その他の事情に照らし、抑留対象者に該当すると疑うに足りる相当な理由がある者」と認定した場合で、捕虜は拘束して所持品などを検査、危険物や軍用書類を発見したときは押収したり廃棄処分ができる。
このあと、出動自衛官は拘束者を速やかに前線指揮官である「指定部隊長」(連隊長、艦長など)に引き渡し、指定部隊長は拘束者の氏名、身分などを確認、拘束日時、場所なども付記した確認記録を作成する。「抑留資格認定者」(陸の方面総監、海の地方総監など)はこの記録と、必要な場合は取り調べを行い、資格認定をして拘束者の抑留か放免を決定する。
抑留対象者は、(1)敵国軍隊の構成員(戦闘員)(2)敵国軍隊の随伴者(従軍記者など)(3)敵国軍用品輸送などに従事する民間船舶、民間航空機の乗員(4)敵国軍隊の衛生隊員、宗教要員、赤十字社員など(5)敵国軍隊構成員でジュネーブ条約の義務違反者で捕虜としての権利を失った者(6)敵国軍隊構成員の間諜(スパイ)(7)傭兵──などの外国人と規定している。
捕虜収容所での抑留、処遇に関しては「収容者の人権を専重しつつ、抑留者の抑留資格、階級、性別・年齢、その属する国の風俗慣習、生活様式などに応じた適切な処遇を行い、規律、秩序維持などの管理運営上支障がない範囲内で自由を与える」としている。
捕虜収容所は改正隊法で陸・海・空自が臨時に設置できることとし、所長は陸・海・空自の3尉以上の幹部自衛官を充てる。
このほか、付則で捕虜の拘束、抑留業務の目的達成に必要な範囲で、自衛官の武器使用権限、捕虜が逃走した場合の再拘束の権限、必要な調査と土地などへの立ち入りに関する規定、重傷捕虜の送還決定や捕虜の一般的医療に関する規定などが盛り込まれている。

ACSA適用範囲を広げる
自衛隊法の改正

 
自衛隊法の一部を改正する法案」は日米物品役務相互提供協定(ACSA)改正に伴うもので、協定の適用範囲を現行の(1)共同訓練(2)PKO活動・人道的な国際救助活動(3)周辺事態に際しての活動──のほか、(4)武力攻撃事態と武力攻撃予測事態の際の活動(5)国際協力、大規模災害への対処その他の目的のための活動──を追加するもの。
自衛隊から米軍に対する物品・役務の提供は、日本の国内法での根拠規定が必要なためで、(5)では「自衛隊が災害派遣を行っている現場で、政府の要請に基づき災害応急対策のための活動を行う米軍」「自衛隊が在外邦人等の輸送を行っている現場で、同種の活動を行う米軍」「訓練、連絡調整その他の日常的な活動のため、航空機、船舶、車両で日本国内の自衛隊施設に到着して一時的に滞在する米軍」のケースがある。


 

 
 
 3月11日付


空自輸空隊
支援物資の空輸開始
医療器材など2トン
クウェート─イラク 休日除き1日1便

第1次イラク復興支援群(番匠幸一郎群長)の本隊第1波は、後続の隊員が3月2日、クウェートからサマワ仮宿営地に展開を完了、地元関係機関などとの復興支援業務の調整を精力的に進めている。宿営地整備も順調で拡張工事の段階に入ったほか、給水支援に備え浄水セットの試験運用も開始した。一方、クウェートを拠点とする空自派遣輸空隊は3月3日、C130H輸送機でイラク南東部のタリル空軍基地へ初の任務運航を行い、医療器材約2トンを空輸した。イラクでは統治評議会が新国家建設のためのイラク基本法に署名、今年6月の暫定政権発足に向け新たな局面に入っている。



空輸第1便として空自C130H輸送機から降ろされる新生児保育器などの医療器材(3月3日、イラク南東部のタリル空軍基地で)


浄水セットの試験運用開始

イラクへの人道支援物資を空輸する空自の「イラク復興支援派遣輸送航空隊」(隊司令・新田明之1佐以下約190人)は3月3日(日本時間同日)、拠点を置くクウェートのアリ・アルサレム空軍基地からC130H輸送機1機でイラク南東部のタリル空軍基地に初めて物資を空輸し、任務運航を開始した。現在、休日を除いてほぼ1日1便を運航している。
3日午前8時50分(現地時間)、新田1佐以下10人を乗せた71号機は、日本から届いた新生児保育器や心電計など8品目36梱包の医療器材約2トンを搭載してクウェートを出発、約1時間後、陸自が活動するサマワの南東約80キロにあるイラク駐留米軍管理下のタリル基地に到着した。
第1便となった医療器材は日本のNPO組織「日本・イラク医学協会」からサマワ母子病院に贈られるもので、タリル基地で待ち受けていた陸自の佐藤正久・復興業務支援隊長以下の同隊に引き渡され、大型トラック数台でサマワ仮宿営地まで運ばれた。
 71号機は同11時半すぎ、アリ・アルサレム空軍基地に帰投、降り立った新田司令は報道陣に「初任務を無事に終え大変うれしい」などと語った。


宿営地整備に全力を挙げている支援群は3月6日、現地取材の報道陣に工事の状況などを公開した。
施設隊長の森杉荘司3佐によると、宿営地の地域は全体として粘土質の土に覆われているため、表土を20センチから25センチ取り除き、ローラーで固め、その上に砂利を敷いて整地している。
これらの作業要員は一部を地元から雇用、細部の指示などはアラビア語、英語の通訳を介して行い、時には身振りや図面を見せて教えているが、「やはり言葉に苦労している」という。
支援群は3日、給水支援に備えて2基の浄水セットの試験運用を開始した。また、6日には隊員待望の風呂場が完成、「和乃湯」と名づけられた。毎日の食事では米飯と味噌汁が作れるようになった。
一方、番匠群長は4日、サマワ宿営地と防衛庁とを結ぶ衛星中継装置で石破防衛庁長官とテレビ会談を行った。
番匠群長は「全員が元気にそれぞれの職務を遂行しています」と報告したほか、現地での活動内容を説明した。これに対し石破長官はサマワの治安状況や生活環境などについて質問し、「隊員の皆さんは体に気をつけ、復興支援活動にまい進してください」と激励した。

 
 
 3月11日付


鳥インフルエンザ
延べ2360人、車両500両
3師団が防疫作業
京都・丹波町



鳥インフルエンザが発生した浅田農産船井農場の鶏舎を消毒する7普連隊員(3月5日、京都府丹波町で)

京都府丹波町の養鶏場で2月29日、鳥インフルエンザウイルスに感染した鶏が確認された問題で、陸自3師団は3月4日から、感染鶏の発生した鶏舎の防疫作業や、死んだ鶏を埋める廃棄溝の掘削作業に当たった。
 
京都府知事から自衛隊法100条に基づく防疫作業として委託を受けた3師団では、4日朝、山田知事と椋木師団長との間で協定書を締結。直ちに弥栄7普連本管中長を現場指揮官に7普連(福知山)、3師団司令部付隊化学防護小隊(千僧)などの隊員約120人、除染車3両を含む車両約40両、除染装置3台を丹波町の浅田農産船井農場に派遣し、鶏舎や同農場を出入りする人員、車両などの消毒作業を実施した。
 
5日には新たに感染鶏が確認された同町の高田養鶏場のほか、周辺の養鶏場でも消毒作業を行い、8日までに作業を終えた。
 
また、4日夜には府知事から、処分した鶏を埋める廃棄溝掘削の災害派遣要請があり、5日早朝から山崎3施大副長を現場指揮官に、3施大(大久保)、7施群(同)の隊員約40人、油圧ショベル3両、中型ドーザー1両を含む車両約20両が高田養鶏場に隣接する運動公園に展開、付近の山林に廃棄溝を掘り、防水シートなどを敷き消石灰を撒いた。
 
さらに7、8両日には、鶏処分のための追加要請に基づき、渡部3師団副長を現場指揮官に7普連、36普連(伊丹)、37普連(信太山)、3特連(姫路)などから隊員約720人、車両約140両が派遣され、浅田農産船井農場で死んだ鶏の袋詰めなどの作業に当たった。
 
4日から8日までの派遣規模は、掘削作業については人員延べ約200人、油圧ショベル同15両、中型ドーザー同5両、その他車両同約80両。鶏の処分作業は人員延べ約2160人、車両同約420両に上った。
 
伝染病に関係した自衛隊の災害派遣は昭和26年以降今回で14件目。3師団は昭和52年6月、和歌山県有田市で集団コレラが発生した際にも、同県知事から防疫作業の委託を受け消毒作業に当たっている。

 

 
 
 3月11日付


「ひえい」インド洋から帰国

テロ対策特別特措法に基づき、インド洋で米英軍などへの協力支援活動を行っていた海自派遣部隊11次隊の護衛艦「ひえい」(艦長・下出隆敏1佐)が3月3日、呉に帰国した。
 
「ひえい」は2回目の派遣で、昨年10月28日に呉を出港。補給艦「ときわ」、護衛艦「あけぼの」とともに補給活動を行っていた。
 
同艦の帰国に先立ち1月23日には63護隊の護衛艦「みょうこう」(同・村田隆斉1佐)が舞鶴を出港し、「ひえい」から任務を引き継いでいる。また、「あけぼの」と交代する4護隊(呉)の護衛艦「さみだれ」(同・川波辰男2佐)が2月15日に呉を出港、補給艦「とわだ」(同・小島英伸1佐)も「ときわ」との交代のため3月14日、呉を出港する。「とわだ」は4回目の派遣。

 


 
 
 3月11日付


「防衛省設置法案」を了承
自民国防関係合同会議

自民党の国防関係合同会議が3月4日、党本部で開かれ、防衛庁を「省」とするための「防衛省設置法案」を了承、今国会で成立を目指すことを確認した。
同法案は(1)防衛省の設置(2)防衛省の長は防衛大臣とする(3)防衛省の任務、所掌事務、組織などは現行の防衛庁設置法に規定されているものと同様とする──の3項目からなる。
防衛庁の「省」移行問題は平成13年3月、自民党の参院選挙公約に盛り込まれ、同年6月には保守党が自民党などの賛成を得て「防衛省設置法案」を衆議院に議員提出したが、継続審議を経て15年10月の衆院解散で廃案となった。自民党ではこの衆院選にも「防衛庁の省移行の実現」を掲げ、今年1月の党大会では04年運動方針に省移行の実現が盛り込まれている。
合同会議では「国の重要な責務である国防を担う役所が、内閣府の外局に置かれている状況は国の形としておかしい」「省に移行させる運動を国民運動として盛り上げるべきだ」などの意見が出された。

 

 
 
 3月11日付


わが国EEZ内で中国船が調査続行 

3月2日から7日にかけて、わが国の排他的経済水域(EEZ)内で海洋調査と思われる活動を行っている中国の海洋調査船「東方紅2号」(3235トン)を、海自のP3C哨戒機が4回にわたって確認した。
2日正午ごろ、沖ノ鳥島の北北東約350キロのEEZ内を漂泊する同船を5空群(那覇)のP3Cが確認。翌3日午後零時45分ごろには、同島の北北東約310キロの海域で4空群(厚木)、4日午後零時半ごろには同約305キロの海域で5空群、7日午後1時ごろには南大東島東方約310キロで1空群(鹿屋)のP3Cがそれぞれ同船を確認した。
いずれも海中に向けて音波を発信、船尾クレーンからワイヤーを降ろし、海洋調査と思われる活動を行っていた=写真。


仏2艦が横須賀訪問

フランス海軍の駆遂艦「ラトゥーシュ・トレヴィル」(艦長・アラン・クリスティアンヌ大佐)とフリゲート「コマンダン・ビロー」(同・ジャン=クリストフ・シャルル中佐)が2月26日から3月3日まで、横須賀を親善訪問、海自21護隊の護衛艦「はつゆき」(同・橋野早博2佐)と同「さわゆき」(同・久保田一義2佐)がホストシップを務めた。
仏両艦は横須賀市と姉妹都市のブレスト市が母港。26日の横須賀入港前には「はつゆき」「さわゆき」と親善訓練を行い、入港後の27日には歓迎行事のあと、乗員が横須賀地方総監部近くのヴェルニー記念館を見学、明治時代、横須賀製鉄所の建設と運営に尽力した仏海軍技術者のフランソワ・レオンス・ヴェルニーの功績に触れた後、記念碑に献花した。

 

 

 

 
 
 3月4日付


<16年度防衛費>
重要施策を見る(4)空自正面


航空自衛隊の平成16年度予算(政府案)は歳出が1兆1120億円で対前年度比34億円(同0・3%)増で、うち一般物件費は1590億円(同6・2%増)、新規後年度負担は5511億円(同2・8%増)で、うち正面は1985億円(同4・7%増)。主要事業ではF2支援戦闘機の整備推進と、F15要撃戦闘機近代化改修の量産着手、ボーイング767空中給油・輸送機の3機目の調達など。新たに着手する弾道ミサイル防衛(BMD)関連ではPAC3ミサイルの調達やペトリオットシステムの改善がある。また、爆弾用精密誘導装置を初調達する。

16年度航空防衛力整備は(1)軍事技術の進歩や経空脅威の動向に対応し得る防空能力確保のため、F15要撃戦闘機を近代化改修(新規)(2)F1支援戦闘機の減勢に伴うF2支援戦闘機の整備(3)空中輸送能力の維持のためのCH47J輸送ヘリ整備(4)空中給油機能と国際協力活動などでの輸送機能を兼ね備えたボーイング767空中給油・輸送機の整備(5)空中警戒監視能力向上のためのE2C早期警戒機の改善(6)現有爆弾に精密誘導性能を付加するため、爆弾用精密誘導装置の整備(新規)──を重点項目としている。

〈航空機〉16年度はF2支援戦闘機5機、空中給油・輸送機1機、CH47Jヘリ1機、U125A救難捜索機1機、UH60J救難ヘリ2機、T7新初等練習機11機の計21機を調達する。
F2の内訳は単座A型3機、複座B型2機。平成8年度に調達を開始、12年10月から部隊配備の始まった同機は、16年度計画の完整時では計75機となる。
F2は現在、3空団3飛行隊(三沢)で実戦に必要な戦技、戦法、訓練要領等を得るための運用試験が終わり、所要の錬成訓練を実施しており、今後、対領空侵犯対処措置などの実任務が付与される予定。一方、最後のF1部隊である8空団6飛行隊(築城)は16年度からF2に機種変更し、新たなF2部隊の建設にかかる。
空中給油・輸送機は14、15年度に続きボーイング767型1機(総額240億円)を調達し、18年度に取得の予定。
F15の近代化は、16年度から量産化改修に着手するもので、2機分98億円を計上。平成9年から始まった試改修事業では、レーダーの換装やセントラル・コンピューターの演算性能アップなど空中戦闘での優位化を図る改修が進められ、昨年10月、改修初号機が防衛庁に引き渡されている。
E2Cは1機分について空中警戒監視能力の向上を図る。B747特別輸送機(政府専用機)は2機分の通信航法装置を改善。

〈中期防〉1年前倒しで16年度が最終年度となる現中期防の主要航空機達成状況は次の通り(カッコ内は17年度までの計画数)。
▽F2=31機(47)▽空中給油・輸送機=3機(4)▽CH47J=8機(12)▽U125A=3機(4)▽UH60J=7機(9)▽T7=41機(44)。

〈弾薬等〉GPS(全地球測位システム)誘導により精密な空対地攻撃が可能となる爆弾用精密誘導装置を初めて調達。F2搭載の500ポンド普通爆弾に取り付ける試験用精密誘導装置の購入費、技術費などを含め計約10億円(契約ベース)。
同装置の導入で、携SAMなどが届かない高高度からの爆弾投下が可能となり、ゲリラや特殊部隊の攻撃にピンポイントで対処できる。
このほか、中距離空対空ミサイルAAM4、93式空対艦誘導弾ASM2を射耗等用で調達する。

〈BMD関連〉(1)地上配備型下層ウエポンシステムの整備(契約ベースで582億円)(2)地対空誘導弾ペトリオットシステムを1個高射群分について改善、PAC3ミサイルの取得(3)自動警戒管制組織バッジシステムに弾道ミサイル対処機能を付加(契約ベースで18億円)。
バッジシステムはこのほか、OH多重通信、戦術データ通信システム等を整備する。また、11年度の高尾山、12年度峯岡山、13年度綱走、15年度福江島に続いて16年度は奥尻に固定式3次元レーダーJ─FPS4を調達(契約ベースで52億円)。
 
〈基地警備〉15年度に続いて軽装甲機動車を8両調達し、基地警備能力の強化を図る。

〈16年度取得分〉航空機はF2支援戦闘機12、CH47J輸送ヘリ2、T7新初等練習機10、UH60J救難ヘリ1の計25機。
誘導弾等は射耗用のペトリオット。

 

 
 
 3月4日付


イラク支援群
本隊第1波サマワ入り
宿営地の設営進む
群長ら 知事、評議会など表敬

本隊第1波約130人を率いてサマワに到着、出迎えた佐藤支援隊長(左)と固い握手を交わす第1次イラク復興支援群の番匠群長(2月27日、サマワ仮宿営地で)

第1次イラク復興支援群の本隊第1波約140人のうち、群長の番匠幸一郎1佐以下約130人が2月27日早朝(時間はいずれも現地時間)、クウェートを出発、午後2時半ごろ、サマワの仮宿営地に到着し、先発隊と合流した。群長らは翌日からムサンナ県知事、サマワ市評議会、キッダ市評議会を相次いで表敬、復興支援活動の基本姿勢を説明し理解を求めた。コンテナハウスや浄水セットなどの器材も逐次到着、宿営地の整備も進んでいる。一方、空自の派遣輸送航空隊は3月1日、クウェートのアリ・アルサレム基地でC130H輸送機の空輸物資搭載卸下訓練を行い、空輸任務の開始に備えている。

生活用の資材も次々に到着 

2月22日のクウェート到着後、米軍キャンプ・バージニアで射撃訓練、操縦訓練などを行った本隊第1波は27日早朝、同地を出発、軽装甲機動車など約30両を連ねてイラクとの国境を越え、約400キロ離れたサマワの自衛隊仮宿営地に入った。
到着後、番匠群長は隊員に「日本人らしくイラクの人たちと心を一つにして頑張っていこう」と訓示。続く記者会見では「できるだけ早く本格的な復興支援活動が始められるよう、準備に万全を期したい」と語った。
28日午前8時の朝礼では初めて国旗を掲揚。ラッパ手によるイラク国歌吹奏に合わせてイラク国旗、続いて君が代が吹奏され、日の丸がイラクの空にはためいた。
群長らはこの日、ムサンナ県知事とサマワ市評議会を表敬した。翌29日はルメイサ市評議会の表敬を予定していたが、同日午前、同市で米軍が住民に発砲、これをきっかけに反米デモが起き、道路が封鎖されたため、急きょ表敬を延期した。
同夕の記者会見で、復興支援活動への影響などを質問された番匠群長は、「影響はまったくない。現地の方々のニーズをうかがいながら、住民の理解を得て活動を行っていく」と述べた。
3月1日にはキッダ市評議会を表敬し、マジッド代表と懇談した。同代表は日本が太平洋戦争の荒廃から復興したことに触れ、イラクの再建のために日本が尽力することに感謝の意を表した。
宿営地では現在、本隊到着に伴って壕の拡張、外壁の延長などの拡張工事が行われているが、28日までに浄水セット、コンテナハウス、シャワーやトイレ、ランドリー用のコンテナハウスなども次々に届き、生活環境は大幅に改善されようとしている。

 

 
 
 3月4日付


10ヵ国艦艇に34万klを補給
インド洋後方支援 

海上自衛隊は2月26日、インド洋方面でテロ対策特措法に基づく米英軍などへの協力支援活動などを行っている海自派遣部隊の活動実績をまとめ、発表した。
 
活動を開始した13年12月2日から今年2月26日までの実績で、補給回数は補給艦「とわだ」が89回、同「ときわ」142回、同「はまな」が116回の計347回で、補給量は約34万2000キロリットル。補給先は10カ国で、米補給艦、駆逐艦が補給回数227回と最も多く、以下カナダ駆逐艦32回、仏駆逐艦25回、英補給艦、後方揚陸艦16回、ギリシャ、伊、ニュージーランド駆逐艦各10回、独、スペイン駆逐艦各6回、蘭駆逐艦5回となっている。


 

 
 
 3月4日付


東ティモール大統領が来庁
自衛隊の支援、感謝

東ティモールのシャナナ・グスマン大統領が2月25日、防衛庁を訪れ石破防衛庁長官と会談、自衛隊部隊が国連東ティモール支援団(UNMISET)に派遣され、同国の道路や橋梁補修などに当たっていることに感謝の意を表明した。同大統領は、国連大学などが主催するシンポジウムに参加のため来日、小泉首相、川口外相と会談したのに続き防衛庁を訪れた。
グスマン大統領にはアルベス公共事業相、高岡大統領府財政顧問、モタ外務・協力省儀典長らが随行、防衛庁側は石破長官以下、浜田副長官、守屋事務次官、西川運用局長、堀江国際担当参事官、外務省の旭駐東ティモール大使らが同席。
石破長官は「防衛庁は今年で創設50年になるが、国家元首を迎えるのは初めてであり光栄」と歓迎の言葉を述べた。
グスマン大統領は「長い時間、自衛隊に支援していただき感謝している。今後も支援団が継続されるので、日本にも支援していただければありがたい」と述べ、同国が現在、国連に支援団の継続要請を行っていることを踏まえ、小泉首相、川口外相との会談と同様、日本の支援継続を求めた。
また、自衛隊が現地で使用していたブルドーザーなど施設器材の同国への譲与についてアルベス公共事業相が「自衛隊からはメンテナンスの講習も受けており、今までに67人が研修を終えている。こうした技術移転を道路の補修などに役立てたい」と述べた。
会談に先立ち同大統領は、同国の伝統織物のタイスを石破長官にプレゼント、石破長官からは輪島塗の蒔絵が描かれた置時計が贈られるなど、終始和やかな会談となった。
この後、グスマン大統領はメモリアル地区の殉職隊員慰霊碑に献花、市ヶ谷記念館を視察し、石破長官主催の夕食会に出席した。

 

 

 
 
 3月4日付


国民保護法案
国・自治体の責務明記
「要綱」を公表
月内にも閣議決定へ

政府は2月24日の国民保護法制整備本部(本部長・官房長官)第4回会議で、日本有事の際に国民の生命、財産を守るための手続きを定めた「国民保護法案」の要綱を了承した。要綱は(1)総則(2)避難に関する措置(3)救援に関する措置(4)武力攻撃災害への対処に関する措置(5)その他(6)財政上の措置等(7)緊急対処事態に対処するための措置(8)罰則──から成り、国や地方自治体等の責務、国民の協力などに関する規定を定めている。昨年11月に発表された「要旨」に、新たに緊急時の自衛隊派遣の規定などが加えられた。政府は3月中にも法案を閣議決定、今国会に提出し成立を目指す。

(「国民保護法案要綱」の要旨) 

国民保護法案は、武力攻撃事態等に際して国民の生命、身体、財産を保護するとともに、国民の生活や経済に及ぼす影響を最小限にとどめるため、国、地方公共団体などの責務や、電力・放送など公共機関の協力、住民の避難や被災者救援、国民の協力などについて必要な事項を詳細に定めたもので、先に成立した武力攻撃事態対処法とともに有事法制の骨幹となる法律。
要綱では、有事に際して国民の安全を確保するため、国があらかじめ対処基本方針を定め、国会に報告するとともに、武力攻撃事態や大規模テロが発生した場合、都道府県、市町村を含めた国全体として万全の体制をとること。併せて基本的人権を踏まえた上で、国民は要請に応じて必要な協力に努める、とされている。
対処基本方針を受け、国、地方公共団体は警報の発令、避難措置の指示、避難住民の誘導、救援、武力攻撃による被害を最小限にとどめる措置などを規定した業務計画を作成する。
自衛隊の部隊等の派遣は、都道府県知事の要請と、首相(対策本部長)の判断に基づく場合のほか、知事を通して要請できない場合に市町村長が直接、防衛庁長官に連絡、長官から対策本部長に報告することも規定している。
武力攻撃災害への対処措置では、防衛庁・自衛隊の字句は直接ないものの、放射性物質等による汚染への対処のため、首相が関係大臣を指揮して汚染の発生原因となる物の撤去、汚染の除去、被災者の救援および救助その他必要な措置を実施するとし、自衛隊などの専門部隊による対応が定められている。
応急措置等では自治体の長は武力攻撃災害を拡大させる恐れがある設備または物件の除去、退避の指示、警戒区域の設定などができるほか、警察官、海上保安官、自衛官は、補完的に応急措置等を実施することを規定している。
罰則規定では、原子炉、危険物質等による危険防止のための措置命令に従わなかった者、物資の保管命令に従わず、または保管命令等に伴う立入検査を拒んだ者、交通規制、警戒区域、立ち入り制限区域の立ち入り制限等に従わなかった者などを対象としている。
また、この法律に基づいて協力し損失を被った場合の補償規定も盛り込まれている。

 

 
 
 3月4日付


「報道担当官」を新設へ

防衛庁は17年度から、報道対応と情報発信強化のため内局、統幕、各幕にそれぞれ「報道担当官」を新設する。内局の報道担当官には審議官クラスを充てる。16年度は予算措置が間に合わないため、当面、3月1日付で金沢博範広島防衛施設局長を官房付とし、報道担当官業務の専任とするほか、各幕では広報室長が兼務する。
 
報道担当官は、報道機関に対する日常的または緊急の発表事項の説明に当たるほか、防衛庁幹部の記者会見の補佐、インタビューへの対応などを行う。各幕の報道担当官も同様の業務に当たる。
 
各幕では幕僚長が広報実施担当者とされているが、これらの内規は変更せず、従来通り幕僚長会見を継続する。
 
新たに官房付に発令され報道担当官の業務に当たる金沢広島局長は、防衛局運用課長、同計画課長、施設庁総務課長、官房広報課長、同総務課長、同文書課長、技本総務部長などを歴任。4月1日付で防衛審議官(報道担当)に昇格する。
 
守屋事務次官は2月26日の記者会見で「インド洋やイラク派遣など自衛隊が運用面で注目を浴び、国民の関心事になっている。こうした状況に正面から取り組みタイムリーに対応するとともに、事件・事故が起きた場合、原課では対応に追われるため、報道対応には別の人間を専属的に置き有機的に対処できる体制を考えた」と報道担当官新設の理由を挙げた。

 

 

 
 
 3月4日付


15年度防衛技術奨励賞
船田技官(技本)ら受賞
「発明」1、「創意工夫」15人

自衛隊装備品の能力向上に貢献した防衛庁職員を表彰する(財)防衛弘済会の平成15年度「防衛技術奨励賞」贈呈式が3月1日、防衛庁A棟講堂で行われ、発明1件1人、創意工夫15件15人に賞状と副賞が贈られた。この制度は昭和46年度から始まり、今回を含め33年間で発明72件124人、考案24件42人、創意工夫1314件1712人の計1410件1878人が表彰されている。
式には防衛庁から青山技本長、安江技術担当参事官、陸・海・空幕副長らが出席。受賞者一人ひとりに同会の夏目会長から表彰状、草津理事長から副賞のメダルが贈られた。
表彰式で夏目会長は「防衛技術の向上には、一般の隊員も常に関心を持ち創意工夫をこらす着意が大切。本日、受賞された16人の方々は長期にわたる研究努力の成果が結実したもので、深く敬意を表する」とあいさつ。また、安江参事官が「新しく取得した装備品を真に優れた装備品に発展させるには、実際に使用・整備する隊員が日々の業務の中で改善、改良していくことが重要。今回受賞の16件は、その意味から絶ゆまぬ努力の成果として高く評価するとともに、さらに尽力を切望したい」との事務次官あいさつを代読した。
受賞者を代表して技本の船田吉丸技官が「今回の受賞はわれわれ16人にとって誠に名誉なこと。今後も創意工夫に励むとともに、隊員に広く創意工夫の重要性を啓発したい」と述べた。

発明・創意工夫の内容と受賞者の氏名・所属は次の通り。
 

〈発明〉◇技本▽電波センサ=船田吉丸技官(陸上開発官付1室)
 

〈創意工夫〉◇陸自▽対空戦闘指揮所装置と新通信システムの連接用端子箱の作成=渡辺幸広1尉(通校)▽改良ホークのパルスレーダー構成品の調整要領手順書の作成=佐々木経雄1曹(東方後支隊)▽偽装網セットの裾支線への調整止め具の取り付け=松尾隆1曹(幹候校)▽油圧ショベル積載時の縛着固定用補助金具の作製=渡辺淳一2曹(10施大)▽車載装置の車幅プレート脚を内部への移動=阿部文男2曹(特教導)▽90式戦車インジェクタテスター用補助具の作成=中沢学2曹(北海道処)▽除染所運営セット用照明の台車と電源の固定=原和也2曹(4後支連)▽地上レーダー装置2号の電源ユニット点検治具の考案=大町勇二技官(関東処)▽空気圧計測機能付偵察ボート用空気入れホースの作製=井上一義曹長(九州処)
◇海自▽携帯無線機検査方法の改善考案=磯貝忠義技官(横須賀造補所)▽大口径油圧駆動ボール弁専用工具の作製=後藤紀夫技官(同)▽横距盤測定方法の改善考案=森利口正二2曹(護衛艦「さわゆき」)
◇空自▽プラズマ切断用治具の作製=蔵田衛紀曹長(12飛教団)▽前方監視レーダーのアンテナ調整用保持具の作製=冨田英明3曹(偵空)
◇技本▽レーザーを用いた可視化による波高計測=鈴木尚也技官(1研4部艦船システム研究室)

 


 
 
 3月4日付


大型補給艦の「おうみ」進水

海自の平成13年度計画1万3500トン型補給艦の命名・進水式が2月19日、ユニバーサル造船舞鶴事業所で行われ、古庄海幕長が「おうみ」と命名した。
「おうみ」は今月就役する海自最大艦「ましゅう」型の2番艦で、補給品類や燃料搭載機力が向上、最大速力24ノットと「とわだ」型より2ノット速く、艦隊随伴能力に優れている。
 

◇「おうみ」主要目
 
▽基準排水量1万3500トン▽全長221メートル▽全幅27メートル▽深さ18メートル▽きっ水8・3メートル▽主機ガスタービン2基2軸▽出力4万馬力▽最大速力24ノット▽装備=洋上補給装置一式、補給品艦内移送装置一式▽乗員145人。

掃海艇「あいしま」が就役、1掃隊に
 

平成12年度計画510トン型掃海艇(MSC)「あいしま」の自衛艦旗授与式が2月16日、ユニバーサル造船京浜事業所で行われ、斎藤横総監が「本艇の全能力を発揮できるよう努力を傾注、良き伝統を培い、任務を完遂してもらいたい」と訓示した。
「あいしま」は「すがしま」型8番艇で、最新鋭の情報処理装置、機雷探知機、機雷処分具を備え、掃海・掃討能力の向上が図られているほか、艦位保持装置、バウスラスターを備え、居住性にも配慮されている。同日付で掃海隊群第1掃海隊(呉)に配属された。
 

 ◇「あいしま」主要目

▽基準排水量510トン▽全長54メートル▽全幅9・4メートル▽深さ4・2メートル▽機関ディーゼル2基2軸▽出力1800馬力▽最大速力約14ノット▽主要装備=機雷処分具、水中処分具、係維機雷具、磁気音響掃海具▽兵装20ミリ機関砲▽乗員約45人。