2月の朝雲ニュース
 
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 ニュースタイトル
2月26日付

1. <防衛技術> 自衛隊初の本格無人システム「FFOS」西方に初配備 
 上空から敵画像情報をリアルタイム伝送 技本が改善加えて新システム開発着手

2. <世界の新兵器> 対レーダー・ミサイル「AARGM」(米・独) 赤外線画像で精密誘導

3. <防衛トピックス>
  国  内   ホンダとGEが提携  
  海  外  高圧電流で無力化

2月26日付

1. <16年度防衛費> 重要施策を見る(3)海自正面

2. イラク支援群 本隊クウェート到着 群長ら第1波140人 大使夫妻出迎え 米キャンプで訓練

3. 海自部隊も室蘭出港

4. 武力攻撃事態 周辺10法案を上程へ 防衛庁所管 海上輸送規制など3法

5. 大量破壊兵器の航空阻止 11カ国が実動訓練 伊主催 空自オブザーバー参加

2月19日付

1. <16年度防衛費> 重要施策を見る(2)陸自正面

2. 復興支援の資機材輸送  「おおすみ」が出発 護衛の「むらさめ」と 
  室蘭─クウェート 車両70両など運ぶ

3. ゴランPKO 17次隊が編成完結

4. 防大、防医大で合格発表 防大52期 理工1104人、人社198人 防医大31期231人

5. 朝雲4賞 ゴラン15次隊が受賞 最優秀記事賞 国分駐、初の最優秀送稿賞

6. クウェートから、カタールから・・・ 留守宅に近況次々と 空自が万全の支援体制 
  国際電話も週30分 「安心した」と家族

7. 自衛官・即応予備自の定数変更 設置法と隊法改正案を提出

8. 16日から 自殺防止へ強化期間 異動のシーズンに焦点 心情把握などを徹底

2月12日付

1. イラク復興支援 先発隊がサマワ入り 宿営地整備など本格化

2. クウェートで飛行訓練開始 空自輸空隊

3. <16年度防衛費> 重要施策を見る(1)全般

4. 「さみだれ」がインド洋へ テロ対処艦艇交代

5. 東ティモール撤収まで3カ月 施設器材など譲与

2月5日付

1. イラク復興支援群 先発隊が出発 本隊に隊旗を授与 群長に番匠1佐 旭川で編成を完結

2. 空自本隊 現地入りを完了 中旬から空輸開始

3. 16日から日米指揮所演習

4. 石破・アーミテージ会談  イラク派遣の自衛隊に 米、全面協力約す

 

 
 
 2月26日付


<防衛技術>
自衛隊初の本格無人システム「FFOS」西方に初配備
上空から敵画像情報をリアルタイム伝送
技本が改善加えて新システム開発着手



「遠隔操縦観測システム」の各種構成品。無人ヘリ、発進・回収装置(手前)、追随装置(後方中央)などから成っている

自衛隊初の本格無人機「遠隔操縦観測システム(FFOS)」の量産初号機が3月末、部隊改編に伴って陸自の西部方面特科隊302観測中隊(湯布院)に初配備される。小型のヘリ型無人機を運用するFFOSは、機体に搭載したテレビ/赤外線カメラにより上空から敵情を観測、リアルタイムで映像情報を指揮所に伝送できる。昭和63年度着手以来、技本と陸自が15年間かけ完成させた同無人機の概要と、引き続き15年度から研究開発が開始された「新無人偵察機システム」をまとめた。



システムの中核を狙う無人ヘリ。50キロ以上の縦深観測能力を持つ

陸自向け「遠隔操縦観測システム」の生産に当たっている富士重工業は量産初号機が1月28日、「完全自動飛行に成功した」と発表した。富士学校などとともに山梨県の北富士演習場で試験を実施していたもので、この日はFFOSのプログラムによる発進から帰投までの完全自動飛行、数十キロ先から取得した画像のリアルタイム伝送を確認するものだったが、期待通りの性能を示した。
技本が平成8年度に開発を終了したFFOSは、その後、陸自と富士重工などにより実用試験が続けられ、13年度から量産機の調達が開始された。
システムは無人ヘリのほか、トラックなどに車載した各種地上装置で構成される。これらにはヘリをコントロールする統制装置、飛行状況を追尾する追随装置、ヘリポートとなる発進・回収装置、野外整備にあたる整備支援装置、機体運搬車両、作業車などからなる。
システムの中核を担う無人ヘリは、大きさが全長3・8メートル、全幅1・2メートル、全備重量275キロ。最大約135キロの速度で飛行が可能だ。
同機は陸自の野戦特科部隊が装備する203ミリ、155ミリ榴弾砲や多連装ロケットシステムの射程をカバーできるよう50キロ以上の縦深観測能力をもち、航続時間は3時間以上に及ぶ。これにより同機は敵部隊が進出しているとみられる地域を上空から索敵し、地表の状況を刻々と赤外線もしくはテレビ画像により指揮所に伝送する。
映された地上の座標も同時に示され、敵の集結場所が判明した場合、すぐさま火砲部隊が射撃を開始できる。射撃後の敵の残存状況、退避のための移動状況なども無人ヘリにより映像として伝送されるため、指揮官はその後の第2次攻撃、追撃などを即決することが可能になる。
FFOSの量産初号機は3月末、大分県の湯布院駐屯地に陸自方面隊として初めて実配備される。運用するのは西方特科隊302観測中隊で、各特科部隊の観測支援に運用される。
同システムは沿岸部に接近した不審船などの偵察をはじめ、人の近づけないNBC(放射能・生物・化学)災害やテロの現場確認など多様な事態にも転用が可能なことから技本は15年度から、より長時間の飛行が可能な「新無人偵察機システム」の開発に着手した。
新システムはFFOSのシステムに所要の改善を加えて開発するもので、長距離からの画像情報の収集が可能なものとする。同様の無人偵察機システムは欧米各国も開発を進めており、
米軍はすでにイラク戦争にも多数の無人機を投入、大きな実績を収めている。
302観測中隊に初配備されるFFOSは、今後の自衛隊の無人機運用の初ケースともなるだけに、その戦力化が注目される。


 
 
 2月26日付


<世界の新兵器>
対レーダー・ミサイル「AARGM」(米・独)
赤外線画像で精密誘導



米海軍のFA18戦闘攻撃機から発射された先進対放射誘導ミサイル「AARGM」

従来、地上の対空レーダーの脅威に対して対放射(Anti-Radiation)誘導ミサイルが使用されてきた。その代表的なミサイルが高速度推進ロケットを用いた「ハーム (HARM)」であるが、敵の対空レーダーから照射を受けた時直ちにミサイルを発射する必要があるため、シーカーには受動型広帯域アンテナ(例えばスパイラルアンテナ)や広帯域受信機が搭載されている。
しかし、広帯域性ゆえにレーダー放射源の測角精度が低く、正確に追尾を維持し続けることが困難であったり、レーダー照射をストップされると目標をミスすることが多かったため、その性能に問題があった。そこで、米国、ドイツ、イタリアは共同でHARMの精密航法向上プロジェクトを立ち上げ、GPS支援慣性誘導をミサイルに付加することにした。これにより、レーダー照射が途中でストップされた場合でもHARMが目標の近傍へ着弾することが保証されることになった。しかし、この段階ではまだ精密攻撃能力を保証するものではなかった。
HARMの性能不足、高価格および信頼性問題から、米海軍とドイツは次世代の先進対放射誘導ミサイル「AARGM(Advanced Anti-Radiation Guided Missile)」の開発に資金を充当しようとしている。この「AARGM」は、たとえ敵のレーダーの送信が停止した後でも防空レーダーを見つけることが可能な複合モードシーカーを持つラムジェット推進兵器として設計されるものである。米国は受動型レーダーとミリ波(MMW)シーカーの組み合わせ、ドイツは受動型レーダーと長波長赤外線画像(IR2)シーカーの組合せを選択した。
ドイツの開発担当者によればIR2シーカーはMMWシーカーより次の点で有利であると主張している。(1)耐ECM特性に優れている(2)敵のレーダ送信機上部を蔽う電波吸収特性を有するネットの適用による形状偽装によってMMWは欺瞞されやすいが、IR2シーカーは実際の画像を処理するため欺瞞され難い。一方、MMWシーカーの擁護者は、IR2シーカーはラムジェットミサイルの高速熱環境における画像劣化に見舞われると主張している。これに対し、ドイツの開発担当者は、これらの物理現象は理解されており、シーカー性能を維持するための補完が可能であると反駁している。
このほかのAARGMの特徴は、指向性弾頭、可変推力ラムジェットの付加がある。試験は2年前に始まり、この間、ミサイルは雲や霧の中においても機能するよう、長波長赤外線シーカーの能力実証試験などが飛行プロファイルの支援を受けながら続けられている。
ドイツ空軍の対レーダー・ミサイル搭載母機「トーネード」はHARM(2発)の代わりに4発のAARGMが搭載可能とされている。
 柴田 実(財)防衛技術協会・客員研究員

 

 
 
 2月26日付


<防衛トピックス>

国  内
ホンダとGEが提携

本田技研工業(ホンダ)は2月16日、米国のゼネラル・エレクトリック社(GE)と小型ビジネスジェット機用ターボファン・エンジンの共同事業化について調印した。自動車メーカーであるホンダは1986年から小型ジェットエンジンと機体の研究をスタートし、99年から推力1000〜3500ポンドまでのHF118エンジンの開発に着手、2003年12月には自社製ビジネスジェット実験機=写真=に搭載して飛行試験を開始した。今回のGE社との共同事業はHF118エンジンの型式認定取得に向けての準備、量産化、営業活動などについて提携がなされた。



海  外
高圧電流で無力化

イラクに展開中の米憲兵隊は、暴徒化した捕虜の鎮圧用に高圧電流により相手を無力化させる非致死性拳銃「X26」を初めて使用、効果を確認した。
同拳銃は引き金を引くと先端から電線の付いた2本の針が飛び出し、目標に刺さると5万ボルトの高圧電流を流して相手を倒す。電流は神経組織と筋肉を一次的に麻痺させるが、後遺症は生じないとされる。
米テーザー社製のX26はすでに警察などに採用されているM26をコンパクトにしたモデルで、有効射程は約20メートルという。

伊陸軍に暗視装置

イタリア陸軍はスウェーデンのエイムポイント社に小銃等用の暗視眼鏡「Comp M2」を総計2万4000台発注した。同暗視装置は米軍などの特殊部隊がすでにアフガニスタンやイラクで使用。射手が両目を開けたまま使用できるほか、視力差の影響を受けないよう輝度などを設定できる。同サイトの重量は約200グラムで、水深25メートルまでの防水に対応している。

 

 
 
 2月26日付


<16年度防衛費>
重要施策を見る(3)海自正面


海上自衛隊の16年度予算(政府案)は歳出が1兆1059億円で対前年度比1・9%(210億円)減。新規後年度負担は正面が2944億円で1%(28億円)、後方は2468億円で1・4%(34億円)各増となっている。主要装備は艦艇が海自初の全通甲板型ヘリコプター搭載護衛艦(1万3500トン)、スターリングエンジンやX型舵採用の潜水艦(2900トン)、掃海艇(570トン)の各1隻を新規調達。航空機はMCH101掃海・輸送ヘリ(仮称)の2機目とSH60K哨戒ヘリ7機を整備する。

ヘリ搭載の最大艦
新規調達 同時4機運用が可能

海自は16年度防衛力整備の基本方針として▽現中期防に示された重点事業を推進するとともに、全体として質の高い海上防衛力整備に努める▽大量破壊兵器の拡散、テロなど非対称脅威の顕在化をはじめとする新たな安全保障環境に対応しうる防衛力の整備▽米国の技術開発の進捗状況を受けて弾道ミサイル防衛の整備に着手▽現在進められている防衛力のあり方検討を踏まえ、厳しい財政事情などを勘案、引き続き経費節減、業務運営の効率化、合理化の一層の徹底を図る──を挙げている。
この方針を受け、
(1)情報・指揮通信能力とヘリの運用・整備能力を向上させた護衛艦(DDH)
(2)水中持続力等を向上させた潜水艦(SS)
(3)高性能機雷対処能力を向上させた掃海艇(MSC)
(4)対潜水艦能力・多用途性等を向上させた哨戒ヘリSH60K
(5)掃海具の小型化に対応するとともに、護衛艦への離発着も可能な中型新掃海・輸送ヘリMCH101──などを整備する。

〈艦艇〉16年度計画艦艇は1万3500トン型ヘリ搭載護衛艦、2900トン型潜水艦、570トン型掃海艇、260トン型と50トン型の支援船各1隻の計5隻。総トン数(基準排水量)は1万7280トン、調達総額は約1845億円で、うち後年度負担は約1743億円。
護衛艦は20年度に除籍予定の3護群旗艦「はるな」の代替。ヘリ運用中枢艦としての能力を大幅に向上させた海自初の全通甲板型護衛艦で、哨戒ヘリ3機を搭載。必要に応じて掃海・輸送ヘリ1機を加えて運用する。1万3500トンの基準排水量は3月に就役する補給艦「ましゅう」型と並び海自最大。最大速力は約30ノット以上、全長195メートルの飛行甲板ではヘリ4機の同時運用が可能。
主要装備は高性能20ミリ機関砲CIWS2基、短SAM・アスロック兼用のVLS装置一式、魚雷発射管2基。レーダーシステム、水上艦用ソーナーシステム、電子戦装置、情報処理装置などを装備し、情報・指揮通信能力を大幅に向上させる。
潜水艦は20年度に除籍する「はるしお」の代替。ディーゼル・スターリング電気推進エンジンを搭載し、水中航続時間の延伸を図るほか、艦尾の4枚舵を従来の十字型からX型にし、水中運動性能を向上させている。いずれも海自初。
掃海艇は19年度除籍の「ひこしま」の代替で、水中航走式機雷掃討具(S10)を装備。艇の前方遠距離にS10を展開させ、要員を危険にさらすことなくホーミング機雷など高性能機雷の捜索、処分ができる。S10は機雷処分具S7の後継。
支援船2隻はいずれも曳船(YT)。
16年度に除籍する艦艇は潜水艦「たけしお」、掃海艇「ひめしま」「もろしま」、補給艦「さがみ」、練習艦「あきぐも」、交通船2隻と機動船3隻。

〈航空機〉SH60K哨戒ヘリ7機とMCH101新掃海・輸送ヘリ1機を調達。このほか、EP3電子戦データ収集機1機の改善も行う。調達総額は約536億円で、後年度負担は約489億円。
SH60KはSH60Jを改良し、対潜、夜間捜索、不審船対処、輸送などの能力を強化したもので、調達3年度目。MCH101は掃海具の小型化に対応した中型ヘリで、MH53E大型掃海・輸送ヘリの後継。エンジン3基を積み、優れた航空性能と安全性、最大5・7トンの搭載能力、3トンの機外吊下能力を持つ。キャビン容積も大きく、機内での作業性もアップする。
16年度に除籍される航空機はSH60J哨戒ヘリ4機。

 〈16年度取得分〉▽艦艇=12年度計画4600トン型護衛艦「さざなみ」、同2700トン型潜水艦「たかしお」、13年度計画510トン型掃海艇「みやじま」「あおしま」、同13500トン型補給艦「おうみ」
 ▽航空機=SH60J哨戒ヘリ3機、UH1A救難飛行艇1機

 

 
 
 2月26日付


イラク支援群
本隊クウェート到着
群長ら第1波140人
大使夫妻出迎え 米キャンプで訓練

第1次イラク復興支援群の群長・番匠幸一郎1佐以下本隊第1波約140人は2月21日、北海道千歳市の空自千歳基地から政府専用機で出発、翌22日午前(日本時間同日午後)クウェートに到着、米軍のキャンプ・バージニアに入った。数日間、車両の走行訓練などをした後、サマワで先発隊と合流、支援活動を開始する。一方、支援群の装備などを輸送する海自輸送部隊(指揮官・椋尾康広1輸隊司令)の大型輸送艦「おおすみ」(8900トン、艦長・阪上広治1佐、乗員約150人)と同艦を護衛する護衛艦「むらさめ」(4550トン、同・地蔵謙介2佐、乗員約180人)が同20日、北海道・室蘭港を出港した。2艦は3月中旬クウェートに到着の予定。空自の派遣輸送航空隊はクウェートのアリ・アルサレム基地を拠点に引き続きC130H輸送機の飛行訓練を実施、月内にも空輸任務を開始する見通しだ。



政府専用機でクウェートに到着、出迎えの日本大使夫妻から花束を贈られる番匠支援群長と、隊旗を掲げタラップを降りる第1波の隊員(2月22日、ムバラク空軍基地で)

「国民は応援、感謝」見送り式で浜田副長官

番匠群長以下の本隊第1波約140人は2月22日午前7時(日本時間同日午後1時)前、政府専用機でクウェートのムバラク空軍基地に到着、同機から番匠群長を先頭にベレー帽と迷彩服姿の隊員が次々と降り立った。同基地には駐クウェートの樽井澄夫大使夫妻らが出迎え、大使夫人の三枝子さんから番匠群長に花束が贈られた。
この後、同基地で記者会見した番匠群長はアラビア語、英語、日本語で「イラクの再建をお手伝いするために参りました」とあいさつし、「任務を前にして身の引き締まる思い。人道復興支援を早く開始し、イラクの人たちに日本人の心を伝えたい」などと語った。
番匠群長は同日、日本大使館とクウェート国防省をそれぞれ表敬した。
第1波はこの後、米軍のキャンプ・バージニアに入った。同キャンプの支援で数日間、車両の走行訓練などを行ってサマワ入りに備える。
これに先立ち本隊第1波は21日午前11時半すぎ、陸自東千歳駐屯地を隊員らに見送られバスで出発。空自千歳基地で午後1時から浜田副長官をはじめ防衛庁幹部、先崎陸幕長、方面総監、各師団長らと隊員家族を交えて会食、懇談し、しばしの別れを惜しんだ。
この後、同3時から304格納庫で見送り式が行われ、整列した隊員の前で番匠群長が浜田副長官に出国を報告。副長官は「イラクでの活動が始まって1カ月、派遣された諸官が身をもって示してくれたことにより、多くの国民は自衛隊が人道復興支援に従事していることを理解してくれるようになった。国民は諸官の活動を心から敬意をもって応援し、感謝している。任務完遂を祈る」と激励のあいさつを述べた。
次いで番匠群長が「全員無事に帰ってきます」とあいさつ。隊員は一列縦隊で行進、盛んな見送りを受けてバスに乗り、エプロンで政府専用機に搭乗。同5時17分、同機はクウェートに向け離陸した。

緊急事態想定し訓練 輸空隊

クウェートのアリ・アルサレム空軍基地に拠点を置く空自「イラク復興支援派遣輸送航空隊」(隊司令・新田明之1佐以下約190人)は、イラク国内への初任務開始を前に、2月15日から緊急事態などを想定した態勢移行訓練を行っている。
輸空隊広報班が発行するイラク派遣隊新聞「アッサラームアレイコム」(アラビア語で「こんにちは」)などによると、訓練は、隊司令が当直幹部に緊急事態など突発的な状況を付与、人員呼集のあと指揮所活動を開始、C130H輸送機の運用を含めた実動訓練を行うというもの。
同訓練は最大風速20メートルという砂嵐の中でも予定通りに行われている。


 
 
 2月26日付


海自部隊も室蘭出港



家族らの盛んな見送りを受けて出発する輸送艦「おおすみ」(2月20日、室蘭港で)

イラク派遣の陸自部隊装備品などを輸送する海自派遣海上輸送部隊の大型輸送艦「おおすみ」と護衛艦「むらさめ」が2月20日、北海道・室蘭港を出港、クウェートに向かった。
部隊は同14日に「おおすみ」が呉、16日に「むらさめ」が横須賀をそれぞれ出港。同18日午前、室蘭港に入港した。「おおすみ」は同日中に車両約70両など物資の積み込みを終了した。
出港当日は吉川大湊総監、香田護艦隊司令官をはじめ室蘭市関係者や家族約150人の見送りを受け、午前8時40分すぎ「むらさめ」、同50分ごろ「おおすみ」が離岸、イラクの隣国・クウェートに向けて出発した。
古庄海幕長は部隊の出国に当たって「椋尾司令以下約330人の隊員一人ひとりが気負わずに各人の持ち場を守り、任務を完遂することを確信している」とコメントした。
派遣部隊は3月中旬クウェートに到着。物資を下ろして4月上旬帰国の予定。

 
 
 2月26日付


武力攻撃事態
周辺10法案を上程へ
防衛庁所管 海上輸送規制など3法

政府は2月24日、国民保護法制整備本部(本部長・福田官房長官)の会議を開き、有事の際に国民の生命、財産を守るための手続きを定める国民保護法案の要綱を了承、併せて同法以外の有事関連6法案の概要について防衛庁など各所管省庁の報告を受けた。政府は3月上旬にも武力攻撃事態に関連した条約改正・締結を含む10法案を閣議決定し、一括して国会に上程する。昨年6月の武力攻撃事態対処関連3法の成立で、内閣官房を中心に国民保護法をはじめとする個別法制の作業が進められていたが、10法案が成立すれば有事における国民保護のための法体系が整うことになる。

(防衛庁所管3法案の法制化概要)

「捕虜」の取り扱いも法制化

24日の国民保護法制整備本部の会議で報告された有事関連6法案の概要のうち、防衛庁所管は「武力攻撃事態における外国軍用品等の海上輸送の規制に関する法律案」「武力攻撃事態における捕虜等の取扱いに関する法律案」「自衛隊法の一部を改正する法律案」の3件。
「外国軍用品等の海上輸送の規制法案」は、武力攻撃事態に際して、わが国領海と周辺の公海で外国軍用品等の海上輸送を規制するため、海自の部隊が実施する停船、回航措置の手続きや防衛庁に設置する外国軍用品審判所での審判手続きなどを定める。
規制措置の内容は、防衛庁長官が武器弾薬などの外国軍用品や外国軍隊等の構成員の海上輸送を規制する必要があると認めるときに、防衛出動した海自部隊に停船検査、回航措置を命じることができるよう必要な規定を設けるほか、停船検査を実施する区域、外国政府や国連などの関係機関に対する周知、外国軍用品とそれを輸送する船舶の規制措置として、大量破壊兵器に該当する積み荷の廃棄、武器弾薬等に該当する積み荷の輸送停止、外国軍用品等の海上輸送を反復して行う可能性のある船舶の航行停止  などの規定を設ける。
停船検査、回航措置は、外国軍用品等を輸送している疑いのある船舶が実施区域を航行しているとき、停船させて積み荷などの検査を行えるようにすることや、停船検査後、積み荷の引き渡しを求め、拒絶された場合にわが国の港に回航させたり、回航した船舶と積み荷を速やかに外国軍用品審判所に送致、また、停船措置の実効性確保のため自衛官の武器使用を認める規定などから成っている。
外国軍用品審判所は、防衛庁に臨時に設置するもので、送致された船舶や積み荷の調査、留置、船舶の立ち入り検査などの権限を持たせる。これに伴う審判手続きや審決の執行規定のほか、審判で嫌疑なしとなった場合の補償措置も規定し、審判所の証拠調べや審判を妨害した場合の罰則規定も設ける。
「捕虜等の取扱いに関する法律案」は、武力攻撃事態における捕虜などの拘束、抑留に関する規定や待遇に関してジュネーブ条約第3条約など国際人道法の的確な実施を確保することを目的としており、拘束および抑留資格認定の手続き、捕虜収容所での抑留、待遇規定、部外有識者による捕虜資格認定審査会の設置、送還規定、補則、罰則など8項目で構成される。
捕虜等の拘束、資格の認定手続きでは、敵国軍隊の戦闘員などの構成員、従軍する民間商船、航空機の乗員、記者や牧師、医者など第3条約に認められている捕虜の範囲の規定、防衛出動している自衛官に対する捕虜拘束の権限の付与、連隊長、艦長などに引き渡しの後、方面総監、地方総監などに後送した捕虜の資格を認定するために必要な手続きなどを規定。
捕虜収容所での抑留、待遇などについては、3自衛隊の共同機関として臨時に設置される捕虜収容所の所掌事務の規定をはじめ、捕虜を人道的に待遇するため第3条約などの国際人道法の規定に従って営舎、食糧、被服、衛生、医療その他必要な規定を設ける、としている。また、捕虜の規律違反に対する懲戒制度も設けられる。
隊法の一部改正は、外務省が日米物品役務相互提供協定(ACSA)を改正するのに伴い、武力攻撃事態での物品役務の提供権限を新設するもの。
今国会に提出される国民保護法案と防衛庁所管の3法案以外の有事関連法案は次の通り。
 ▽米軍行動円滑化法案▽特定公共施設利用法案▽国際人道法の重大な違反行為処罰法案。このほか▽日米物品役務相互提供協定(ACSA)改正案、ジュネーブ条約第1、第2追加議定書締結の条約案の計3件。


 
 
 2月26日付


大量破壊兵器の航空阻止
11カ国が実動訓練
伊主催 空自オブザーバー参加

大量破壊兵器を運ぶ航空機の飛行や船舶の航行阻止を目的とする「拡散安全保障イニシアチブ(PSI)」宣言に基づくイタリア主催の航空阻止訓練「エア・ブレイク」が2月19日、米英など11カ国が参加して伊トラパニ空軍基地と地中海上空で行われ、空幕運用課から1人がオブザーバー参加した。
 同訓練は、昨年9月にパリで開催された大量破壊兵器拡散防止構想の会合で参加国が合意した陸・海・空による合同阻止活動の一環で、PSI宣言にのっとり、各国の国内法に基づく範囲で国際的な枠組みに従って行われた。
 訓練ではイタリア空軍のF16戦闘機や米海軍のP3C哨戒機などが実際に飛行し、大量破壊兵器を運搬している疑いのある航空機が自国領空を通航している場合などを想定、当該機に検査のための着陸を求め、空港で貨物を検査、確認されれば貨物を押収する──など一連の阻止行動を訓練した。
 空自では、昨年10月に英国主催で行われた航空阻止図上演習にオブザーバー2人を派遣している。

 


 

 

 
 
 2月19日付


<16年度防衛費>
重要施策を見る(2)陸自正面

陸上自衛隊の16年度予算(政府案)は1兆8164億円で、対前年度比463億円の減。うち物件費は5672億円で、176億円の減。新規後年度負担額は76億円減の4186億円で、内訳は正面が117億円減の2594億円、後方は41億円増の1592億円。新規事業では、情報通信機能の強化として師団等指揮システムをまず教育用で通信学校(久里浜)に整備、また生物兵器への対応能力強化のため生物偵察車(仮称)や、生物剤警報器(同)を化学科部隊に導入する。

昨年12月の安保会議と閣議で、弾道ミサイル防衛(BMD)の整備着手とともに現行の中期防衛力整備計画(中期防)の1年前倒し打ち切りと防衛大綱の見直しが決まったことで、自衛隊の防衛力整備は大きな変革期を迎えることになった。
 
この閣議決定を受けて陸自は16年度の防衛力整備として、作戦基本部隊等の改編・近代化を進めるとともに、ゲリラ・特殊部隊や核・生物・化学兵器への対応など、新たな脅威、多様な事態に対処する能力の一層の充実を図る。
 
〈中期防〉1年前倒しで16年度が最終年度となるが、正面主要装備の達成状況は次の通り(カッコ内は計画数)。
 
▽戦車68両(91両)▽火砲(迫撃砲を除く)29両(47両)▽多連装ロケットシステムMLRS18両(18両)▽装甲車97両(129両)▽AH64D戦闘ヘリ6機(10機)▽CH47JA輸送ヘリ5機(7機)▽地対空誘導弾ホーク改善用装備品0・25個群(0・25個群)▽03式中距離地対空誘導弾0・75個群(1・25個群)。
 
〈甲類〉甲類の調達総額は前年度比約42億円減の404億8400万円で、すべて後年度負担。新規事業はない。調達量は次の通り。
 
▽89式小銃3254丁▽対人狙撃銃72丁▽5・56ミリ機関銃MINIMI252丁▽12・7ミリ重機関銃141丁▽87式対戦車誘導弾発射装置14セット▽81ミリ迫撃砲L16・26門▽120ミリ迫撃砲RT6門▽99式自走155ミリ榴弾砲8両▽多連装ロケットシステムMLRS3両▽90式戦車15両▽89式装甲戦闘車1両▽軽装甲機動車157両▽96式装輪装甲車14両▽87式偵察警戒車1両▽87式砲側弾薬車1両▽99式弾薬給弾車1両▽90式戦車回収車1両▽91式戦車橋1両▽78式雪上車19両▽化学防護車2両。
 
〈乙類〉車両、通信器材など乙類の調達総額は約695億円で、このうち約645億円が後年度負担。新規事業では情報通信機能の強化で師団等指揮システム1式(約9億円)の整備着手がある。これまで進められてきた陸幕システムと各方面隊指揮システムの近代化に続くもので、まず教育用の1セットが通信学校に設置される。
 
生物兵器への対処では、化学科部隊などに生物偵察車4両(1両約3億円)と生物剤警報器4組(1組約1億円)の調達がある。生物偵察車は生物剤雲(エアロゾル=空気中に生物剤などが浮遊している状態)を検知し、主要な生物剤の識別ができる。生物剤警報器は複数の固定型検知部と警告部で構成され、検知部が生物剤雲を検知すると警告部が警告を出す仕組みだ。
 
〈航空機〉総額309億円で、このうち298億円が後年度負担。内訳は▽AH64D戦闘ヘリ2機▽OH1観測ヘリ2機▽UH60JA多用途ヘリ1機▽UH1J多用途ヘリ2機、▽CH47JA輸送ヘリ1機。
 
〈誘導弾〉総額は542億円で、そのうち524億円が後年度負担。
 
〈弾薬〉総額727億円で対前年度比22億円の減。

 〈16年度取得分〉(1)甲類▽89式小銃3397丁▽対人狙撃銃62丁▽9ミリ機関拳銃27丁▽5・56ミリ機関銃MINIMI267丁▽12・7ミリ重機関銃141丁▽87式対戦車誘導弾発射装置21セット▽81ミリ迫撃砲L16・26門▽120ミリ迫撃砲RT6門▽96式自走120ミリ迫撃砲2門▽99式自走155ミリ榴弾砲7門▽多連装ロケットシステムMLRS3両▽87式自走高射機関砲1門▽90式戦車17両▽89式装甲戦闘車1両▽軽装甲機動車150両▽96式装輪装甲車31両▽87式偵察警戒車1両▽87式砲側弾薬車1両▽99式弾薬給弾車1両▽90式戦車回収車1両▽91式戦車橋1両▽78式雪上車18両▽化学防護車2両
 
(2)航空機▽OH1観測ヘリ2機▽UH60JA多用途ヘリ2機▽UH1J多用途ヘリ3機▽CH47JA輸送ヘリ2機▽LR2連絡偵察機1機
 
(3)誘導弾▽81式短距離地対空誘導弾2セット▽93式近距離地対空誘導弾7セット▽91式携帯地対空誘導弾39セット▽96式多目的誘導弾システム2セット▽01式軽対戦車誘導弾170セット。


 
 
 2月19日付


復興支援の資機材輸送
「おおすみ」が出発
護衛の「むらさめ」と
室蘭─クウェート 車両70両など運ぶ



家族らの盛んな見送りを受けて出港する「おおすみ」(2月14日、呉基地Fバースで)

イラク人道復興支援特措法に基づき、イラクに派遣される陸自本隊の車両や装備品を輸送する海自派遣海上輸送隊の椋尾康広1佐(第1輸送隊司令)以下、大型輸送艦「おおすみ」(8900トン、艦長・阪上広治1佐、乗員約150人)と同艦の護衛に当たる第1護衛隊の護衛艦「むらさめ」(4550トン、同・地蔵謙介2佐、乗員約180人)が2月14日、16日に相次いで母港の呉と横須賀を出港した。「おおすみ」は北海道・室蘭港で車両約70両などを搭載後、20日ごろ、同港から「むらさめ」の護衛でクウェートに向かい、3月中旬到着の予定。これにより陸海空3自衛隊がそろってイラク復興支援活動に従事することになる。一方、イラク・サマワに展開している陸自イラク復興業務支援隊は、復興支援のための事前調整や宿営地整備など、本隊受け入れの準備を着々と進めている。また、クウェートの空自派遣輸送航空部隊も輸送任務の開始に備えて連日、慣熟飛行訓練を実施している。

呉、横須賀で出港行事



「おおすみ」乗員を前に「イラク復興へ責任果たそう」と訓示する石破長官

「おおすみ」の出港行事は2月14日午後1時すぎから呉基地Fバースで行われ、石破長官、嘉数政務官をはじめ、石川統幕議長、古庄海幕長、牧本自艦隊司令官、小串呉総監、林陸、星野空幕副長ら防衛庁・自衛隊幹部、中川自民党国対委員長ら国会議員、小笠原呉市長ら自治体関係者、派遣隊員の家族やOBなど計約400人が出席した。
 
派遣部隊指揮官を務める第1輸送隊司令の椋尾康広1佐以下約150人が整列する中、石破長官が訓示。平成3年、ペルシャ湾での掃海任務に同基地から「はやせ」「ゆりしま」が出港したことに触れながら、長官は「世界のため、イラクの人々のため、日本のため、危険だからこそ自衛隊が行く。この任務を成し遂げなければ、サマワの人々の期待に応えることも、国益に資することも、日本国の責任を果たすこともできない。必ずやり遂げてくれると確信する」と述べた。
 
来賓の激励あいさつの後、最後に椋尾司令が「派遣海上輸送部隊は、ただいまから出港し、イラク人道復興支援活動に従事する陸上自衛隊の車両等を輸送します。無事大任を果たし、桜の花の咲くころ、総員元気に帰国致します」と出国を報告。呉音が「軍艦マーチ」を奏する中、乗員は次々と「おおすみ」に乗り込み、家族やOBらが打ち振る日の丸の小旗に見送られ、午後2時5分離岸、陸自物資を積み込むため、北海道・室蘭に向かった。
 



「むらさめ」乗員に「世界平和のため頑張ってほしい」と訓示する浜田副長官

一方、「むらさめ」の出港行事は16日午後3時半すぎから、海自横須賀基地吉倉桟橋で行われ、浜田防衛庁副長官、古庄海幕長、玉沢元、中谷前防衛庁長官ら国会議員や派遣隊員の家族など計約700人が見送りにかけつけた。
 
浜田副長官は訓示で、「諸官が輸送する車両などにより、いよいよ本格的な支援活動が始まる。イラクの人々のため、世界平和のためにがんばって欲しい」と述べ、派遣隊員を激励した。
 
地蔵艦長は「国際貢献の場が与えられ、乗員一同誇りとやりがいを感じている。日ごろの訓練の成果を発揮し、護衛任務を全うします」とあいさつ。午後3時53分、「むらさめ」は室蘭港に向け出港した。
 
同艦は洋上で121空(館山)所属のSH60J哨戒ヘリ1機を搭載、18日に室蘭港に入港、20日には物資の搭載を終えた「おおすみ」とともにクウェートに向け出港の予定。

資機材総量は8000トンに

陸幕は2月12日、第1次イラク復興支援群がイラク・サマワなどで使用する資機材の総量を公表した。宿営地用物資や武器弾薬を含む6831品目、67万2840点で、総量は約8000トンに上る。このほか、軽装甲機動車、装輪装甲車などの車両約200両となっている。
 
これらを現地に運ぶには大型コンテナ約1100個が必要で、これまでにコンテナ26個分と車両約60両がロシアの大型輸送機7機で順次空輸されている。
 海自の大型輸送艦「おおすみ」も車両などを積み室蘭からクウェートに向け出発するが、残る資機材は3月下旬にかけ現地入りする陸自部隊に合わせ、順次現地に送られる。

サマワでロケット弾が撃ち込まれる
 

イラク・サマワ市の中心部で2月12日午前4時45分(日本時間同11時45分)ごろ、ロケット弾が撃ち込まれ、民家に穴が空いたほか、近くの家の窓ガラスが割れたが、けが人はなかった。
 
現地警察の調べでは、ロケット弾は長さ約50センチの鉄パイプ製で、2発が着弾した。市街地から約4キロ離れた空き地で発射装置が見つかった。
 
イラク復興業務支援隊から陸幕に入った連絡によると、部隊が宿営しているオランダ軍宿営地は市街地から離れているため爆発音などは聞こえず、人員・装備にも異常はない。

 

 
 
 2月19日付


ゴランPKO
17次隊が編成完結

石破防衛庁長官は2月16日、陸自に対し「17次ゴラン高原派遣輸送隊」の編成・派遣命令を発出した。これを受け4師団(司令部・福岡)は同日、福岡駐屯地で17次隊の編成完結・隊旗授与式を行った。同隊は20日以降出発、3月6日までに現地に展開を完了する。
 
編成完結式は16日午前9時半すぎから駐屯地体育館で行われ、中島政務官、山崎内閣府PKO事務局次長、林陸幕副長ら来賓、家族約360人が出席、17次隊員43人が整列する中、隊長の遠藤充3佐が派遣部隊の編成完結を報告した。
 
次いで同11時半から隊旗授与式が行われ、中島政務官から遠藤隊長に隊旗が手渡された。政務官は訓示で「中東に石油の9割を依存するわが国にとり、この地域の安定は国益にかなう。わが国の平和と繁栄を維持するには国際的な平和維持活動への積極的な貢献が求められている」と、派遣の意義を強調した。
 
家族を含めた壮行会の後、隊長以下の第1波23人が駐屯地を出発。遠藤隊長らは防衛庁で出発のあいさつをした後、20日、現地に向け出発する。第2波は3月5日に出発の予定。
 
これに先立ち政府は1月16日の閣議で、中東ゴラン高原の国連兵力引き離し監視隊(UNDOF)に派遣している自衛隊部隊の派遣期間を16年9月30日まで6カ月間延長することを決め、実施計画の変更と関係政令の一部を改正した。昨年暮れの国連安保理でUNDOFの活動期間が今年6月末まで延長されたことによる。

 

 
 
 2月19日更新


防大、防医大で合格発表
防大52期 理工1104人、人社198人
防医大31期231人

防衛大学校(横須賀市)と防衛医科大学校(所沢市)の16年度合格発表が2月12日、両校で行われ、防大は本科52期に1302人(前年度1247人、推薦入校を除く)、防医大は医学科31期に231人(同185人)が合格した。(合格者氏名は5面)
 防大の専攻別合格者は理工学専攻が男子1016人(前年度971人)、女子88人(同83人)で計1104人(同1054人)。人文・社会学科専攻が男子174人(同173人)、女子24人(同20人)で計198人(同193人)。
 
専攻別の受験者数は理工が男子7275人(同7601人)、女子1277人(同1264人)、人・社が男子3460人(同3556人)、女子1635人(同1461人)で、総受験者数は男子1万735人(同1万1157人)、女子2912人(同2725人)の計1万3647人(同1万3882人)。受験倍率は理工男子が7・2倍(同7・8倍)、同女子が14・5倍(同15・2倍)。人・社男子が19・9倍(同20・6倍)、同女子が68・1倍(同73・1倍)。全体で男子は9倍(同9・8倍)、女子は26倍(同26・5倍)だった。受験者は前年度より約200人減り倍率も微減したが、人・社女子などの"狭き門"は例年通りだった。
 
防医大の男女別合格者は男子187人(前年度154人)、女子44人(同31人)。受験者数は男子3820人(同3882人)、女子1467人(同1509人)の計5287人(同5391人)。受験倍率は22・9倍(同29・1倍)で、受験者が前年度より約100人減り、合格者も微増した分、倍率が減少した。

 

 
 
 2月19日付


朝雲4賞
ゴラン15次隊が受賞
最優秀記事賞 国分駐、初の最優秀送稿賞

平成15年の「朝雲4賞」が2月12日、防衛庁で開かれた朝雲賞選考委員会で決まった。「朝雲4賞」は前年1月から12月までの1年間に陸海空部隊・機関等から本紙に送られてきた記事、写真、所感文などを「送稿賞」「記事賞」「写真賞」「個人投稿賞」の4部門に分けて表彰する制度。
 
「送稿賞」は昨年1年間に最多の304件の記事を送稿した国分駐屯地が初の最優秀送稿賞を獲得した。送稿件数が300件を超えたのは平成に入ってからでは初めて。以下、陸自10、海、空自、地連各3の部隊・機関が送稿賞を受賞した。国分に次ぐ陸1位は仙台駐屯地、海1位は舞鶴地方隊、空1位は3年連続で新田原基地、地連1位は4年連続で新潟地連だった。
 
「記事賞」は、シリアとイスラエルの対立のはざまで引き離されているドゥルー族の結婚に際し停戦ラインを越えて嫁入り道具の運搬を引き受け、2度と実家に帰れないつらい挙式に立ち会った陸自第15次ゴラン高原派遣輸送隊の「悲しい愛の片道切符」が最優秀賞。ほかに陸、空、地連各2、海1の5部隊・2機関の7件が優秀賞に決まった。
 
「写真賞」は、第3次東ティモール派遣施設群の女性隊員がディリ市内の幼稚園を慰問した際、現地の女児に口紅を塗ってあげる情景が最優秀賞に。このほか陸2、海3、空2の7部隊7件が優秀賞に選ばれた。
 
「個人投稿賞」は平成12年6月、美保沖に墜落、殉職した空自C1輸送機の乗員5人の検視と遺体修復に当たった美保基地衛生隊長・岩崎秀哉2空佐の手記「量り得ぬ悲しみ」が最優秀賞を獲得。ほかに陸3、海1の隊員と家族1、部外2の7件が選ばれた。
 
なお、昨年1年間の「朝雲」あての送稿件数は陸自1989件、海自573件、空自327件、地連2056件、その他の機関等74件の計5019件で、前年より約8%増えた。4賞に選ばれた部隊・機関、個人には後日、表彰状と記念品が贈られる。

 
 
 2月19日付


クウェートから、カタールから・・・
留守宅に近況次々と
空自が万全の支援体制 国際電話も週30分
「安心した」と家族



留守宅に届けられた写真の1枚。クウェート空軍アリ・アルサレム基地で食事中の空自派遣隊員(1月29日)

「お父さん元気?」「元気だよ」─。イラク復興支援でクウェートのアリ・アルサレム空軍基地に派遣されている「イラク復興支援派遣輸送航空隊」の隊員全員にこのほど国際電話が可能なプリペイド式「コーリングカード」が配布され、日本の家族と週に1人30分間、通話ができるようになった。
 
空幕厚生課に設けられた留守家族支援本部には、現地の生活の様子を伝えるスナップ写真がインターネット回線で続々と送られてきており、各基地の留守家族支援支部を通じて直接家族らに配られている。
 
派遣隊員はクウェート、カタール合わせて約200人。空幕の留守家族支援本部(厚生課長・広中雅之1佐以下6人)が窓口となり、各基地の厚生小隊や厚生班に置かれた留守家族支援支部を通じて全国津々浦々の留守家族らに写真など現地のナマ情報を伝えている。全国で支援に携わる約200人の隊員が各家庭を回ってリクエストなども丁寧に聞いて回っている。
 
送られてくる写真はカフェテリアでの食事風景からベッドの置かれた隊舎内部の様子、PX(売店)まで、派遣隊員の日常を伝えるもので、スペイン軍から招待を受けた"パエリヤパーティー"など、基地内に駐留する各国軍との交流風景なども含まれている。
 
こうした現地の写真に接して、家族からは「元気でやっているようだ」「安心した」との声が上がっている。
 現在、現地ではEメール環境など家族連絡網の整備や、スポーツを中心とした福利厚生面を急ピッチで整えており、日本から近く、家族からの追送品も送られる予定だ。
 
空幕厚生班長の安芸一1佐は「留守家族支援は最も重要な任務のひとつ。遠く中東の地で頑張る隊員と家族をつないでお互いの心配を少しでも軽減させ、隊員に後顧の憂いなく任務にまい進してもらえるよう努力したい。過酷な条件下で長期任務が予想される中、今後は双方のニーズを踏まえ適切に対応していきたい」と話している。

 

 
 
 2月19日付


自衛官・即応予備自の定数変更
設置法と隊法改正案を提出

政府は2月6日の閣議で自衛官定数(陸自は常備自衛官)と即応予備自衛官員数(陸自)の変更に関する防衛庁設置法と自衛隊法の各一部改正案を決め、国会に提出した。いずれも平成16年度業務計画で法改正を要する事項。
 
〈自衛官定数の変更=設置法改正〉陸自15万7828人(現行より2093人減)、海自4万5842人(同3人増)、空自4万7361人(同75人増)、統幕2149人(同155人増)の計25万3180人(同1860人減)に変更。
 
〈即応予備自衛官員数の変更=隊法改正〉9004人(同1336人増)に変更。


 
 
 2月19日付


16日から 自殺防止へ強化期間
異動のシーズンに焦点
心情把握などを徹底

防衛庁は2月16日から3月19日までの約1カ月間を「メンタルヘルス強化期間」として自殺防止運動を展開する。昨年11月に統幕、陸海空自衛隊を対象に「強化月間」を試行しているが、今回は内局や施設庁を含む防衛庁の全機関を対象にしている。
 
防衛庁は昨年4月以降、自衛官の自殺が前年を上回るペースで発生したことから同7月、自殺事故防止対策本部を設置、各種施策を行ってきた。今回は3月の定期異動シーズンをとらえて上司が異動予定者などを中心に面接などを行い、隊員の心情把握を徹底する狙いで強化期間を設けた。
 
期間中は市ヶ谷地区をはじめ陸自の海田市駐屯地、海自の佐世保地区、空自の三沢基地でそれぞれ「うつ病」に関する講演を計画しているほか、部内外のメンタルヘルスに関係する相談先を記載したカードを作成、26万隊員全員に配布したり、中隊長など部下を指導する立場の隊員向けに、隊員への接し方マニュアルの小冊子などを配布する。
 
このほか、面接などによる心情把握の徹底、隊員指導時のカウンセラーや医官などとの連携強化、部内カウンセラー等の指定の確認、部内外のカウンセラー制度の広報、部外電話相談窓口の広報などを徹底して実施する。これら施策の実施結果は、各機関の長から人教局長に報告される。
 
講演予定は次の通り。いずれの会場も隊員なら誰でも聴講できる。
 
▽市ヶ谷地区=3月1日(月)▽海田市駐屯地=3月11日(木)▽佐世保地区=3月3日(水)▽三沢基地=3月9日(火)


 

 

 
 
 2月12日付


イラク復興支援
先発隊がサマワ入り
宿営地整備など本格化

陸自第1次イラク復興支援群の本隊第1陣となる先発隊(隊長・清田安志1佐以下約90人)は2月8日、クウェートから第1波約60人と車両20数台がイラク南東部ムサンナ県サマワ市のオランダ軍宿営地に到着、先遣隊と合流した。続く先発隊第2波も車両20数台で同10日午前、サマワ入りした。先発隊の到着により宿営地整備、人道復興支援の調整作業が本格化する。一方、クウェート空軍基地を拠点に物資空輸の準備を進めている空自イラク復興支援派遣輸送航空隊は9日から、空輸任務に備えてC130H輸送機による慣熟飛行訓練を開始した。



クウェートからイラクに入り、サマワのオランダ軍キャンプ・スミッティに到着した先発隊第1波の車両と出迎える佐藤正久先遣隊長(2月8日)

民間車両、相次ぎ故障
第2波到着1日遅れる

陸幕に入った連絡によると、先発隊は2月4日のクウェート到着後、米軍のキャンプ・バージニアに宿営、別便で空輸された施設器材の点検、車両機動訓練などを行い、8日午前5時(日本時間同11時)、清田隊長以下の第1波約60人が軽装甲機動車、装輪装甲車、トレーラーなど車両20数両で同基地を出発した。
途中、国境付近で燃料を補給、同8時20分過ぎ国境を通過、イラク領内に入り、国道などを北上して同日午後5時3分(同11時3分)、サマワ市のオランダ軍宿営地キャンプ・スミッティに到着した。
同宿営地の訓練センター広場に整列した清田先発隊長らは、出迎えた佐藤正久先遣隊長から「到着を心から歓迎する。イラクの人々の明るい未来のため、ともに頑張ろう」と歓迎のあいさつを受けた。
宿営地には内外の報道関係者約70人が詰め掛け、清田隊長ら第1波の到着を取材。中には移動中の部隊の車列に割り込むマスコミもあった。
到着の報告を終えた清田先発隊長は記者団の質問に答えて、「イラクの再建のためイラクの人々と一緒に汗を流すことができるのは喜び」などと、サマワに第一歩を印した所感を述べた。
一方、先発隊の第2波は翌9日午前5時に車両20数両でクウェートの米軍基地を出発。ところが途中で施設器材を積んだ民間業者のトレーラー数両がパンクや故障、国境までの経路を間違えるなどで予定が大幅に遅れた。
国境を通過したのは同日午後零時半ごろで、イラク領内に入ってからもトレーラーのタイヤがパンクするなどしたため、同日中に目的地のサマワに到着できず、100キロ手前のキャンプ・シッダで一夜を明かした。
翌10日は車両の点検後、午前9時に同キャンプを出発、同10時50分(日本時間同午後4時50分)、サマワのオランダ軍宿営地に到着した。

予定地に古い地雷 

防衛庁は2月4日、サマワの陸自復興支援群宿営予定地付近で、古い対人地雷1個が発見されたと発表した。地雷が見つかったのは2日午後零時40分ごろで、宿営予定地取り付け道路の整地作業現場。
先遣隊が直ちにオランダ軍に通報し、同軍が爆破処理した。

自衛隊のイラク派遣を国会承認 

イラク復興支援特措法に基づく自衛隊の派遣承認案が2月9日、参院本会議で自民、公明両党などの賛成多数で可決、承認された。
これに先立ち、参院イラク支援・武力攻撃事態特別委員会は同日午前、参考人質疑に続いて午後から小泉首相らが出席して締めくくりの総括質疑を行い採決した。この後、15年度補正予算案、わが国独自の北朝鮮などへの経済制裁を可能にする外国為替・外国貿易法(外為法)改正案などとともに参院本会議に緊急上程され、賛成138、反対103で可決された。
衆院では1月31日の本会議で自衛隊派遣が承認されており、この結果、イラク復興支援特措法に基づく国会承認の手続きは終了した。

 

 

 
 
 2月12日付


クウェートで飛行訓練開始
空自輸空隊



空輸任務に備え慣熟飛行を行う空自輸空隊のC130H輸送機(2月9日、クウェートのアリ・アルサレム空軍基地で)


イラクへの支援物資空輸などを行う空自「イラク復興支援派遣輸送航空隊」(隊司令・新田明之1佐以下約190人)は2月9日(日本時間同日)、拠点としているクウェートのアリ・アルサレム空軍基地とその周辺空域でC130H輸送機による慣熟飛行訓練を開始した。
この日は85号機が午後1時(日本時間同7時)から約3時間、同基地の管制を受けながら周辺空域を飛行、管制用語等の確認を行うとともに、連続離着陸訓練などを行った。今後、段階的な訓練を経た上で空輸任務を開始する。

 
 
 2月12日付


<16年度防衛費>

重要施策を見る(1)全般


防衛関係費を含む平成16年度政府予算案の審議が通常国会で始まった。16年度防衛費は中期防衛力整備計画(13〜17年度)の1年前倒しによる打ち切りと、これまで研究段階だった弾道ミサイル防衛(BMD)システムの整備着手が特徴。また、国民の安全・安心の確保のための各種事態への対応をはじめ、統合運用態勢の充実など、前年度より1・0%減とかつてない厳しい予算削減の中で、メリハリをつけた重点施策を盛り込んでいる。以下、「全般」を皮切りに、陸・海・空の各「正面」と、「後方」「人事・処遇」「研究開発」「基地対策」について、16年度防衛費の重要施策を展望する。

 〈歳出と後年度負担〉歳出総額は前年度より1・0%、501億円減の4兆8764億円で、2年連続のマイナス。内訳は人件・糧食費2兆1654億円(前年度比2・4%、534億円減)、歳出化経費1兆7458億円(同2・1%、381億円減)、一般物件費9652億円(同4・5%、414億円増)。
 後年度負担は既定分1兆1586億円(同1・8%、218億円減)、新規分1兆7767億円(同0・9%、150億円増)。正面装備に関する支払い繰り延べ措置は前年度の483億円から220億円に減った。為替レートは1ドル110円。

 〈中期防〉第1、2、3年度と同じ達成率で、4年間の累計は約80%。うち、正面は16年度約20%で、累計約77%(契約ベース)。

 〈編成〉▽内局=(1)BMDの政策上の諸課題に対処する体制を強化するため防衛局防政課に「弾道ミサイル防衛室」(仮称)(2)緊急事態への対処体制を整備するため防衛局運企課に「緊急事態対処企画室」(同)をそれぞれ新設。
 ▽陸自=(1)「大綱」による新たな体制移行事業で8師団(司令部・熊本)を近代化改編。軽装甲機動車、軽対戦車誘導弾、近距離地対空誘導弾の導入などと戦車大隊を3個中隊編成から4個中隊に増強して機動力と火力を向上。24普連(えびの)などに即応予備自衛官を導入、普連などの整備員を集約・統合して師団の補給整備体制を改善(2)「大綱」の体制移行事業で2混団(司令部・善通寺)の旅団化改編事業に着手し、駐屯地整備のための土地取得など。17年度に改編を予定、編成計画は検討中だが、1個普連の新設などで定員は現行の約2000人から約3000人に増強(3)西方の情報処理体制を整備するため「西部方面情報処理隊」(仮称、健軍、約30人)、情報収集機能を強化するため「西部方面通信情報隊」(同、同、約70人)(4)サイバー攻撃などへの陸自対処機能強化に「システム防護隊」(同、市ヶ谷、60人)  をそれぞれ新編。
 ▽海自=(1)呉・江田島地区の衛生体制整備のため江田島病院を廃止し、呉病院を新設。診療13科目、ベッド50床(2)エアクッション艇(LCAC)の効率的な運用のため1輸隊(呉)隷下に「エアクッション艇隊」を新編。
 ▽空自=(1)支援集団(司令部・府中)の業務多忙に対処するため「航空支援集団副司令官」(2)小牧飛行場の管制業務が国交省から防衛庁に委託されるため「小牧管制隊」(約90人)  をそれぞれ新設。

 〈訓練・演習〉▽陸自=(1)陸幕長統裁の陸上自衛隊演習(5年ごと)(2)北方機動特別演習は東北方の1個師団(3)誘導弾部隊の米本土での年次射撃はホーク17個中隊、SSM6個連隊(4)米国における射撃訓練は戦車、対戦車ヘリ、重MAT各4とMLRS3(5)米国における実動訓練(ハワイ)はゲリラや特殊部隊の侵入対処などに1個普通科中隊。
 ▽海自=(1)海上自衛隊演習は図演、自衛艦隊総合訓練は実動(2)米国派遣訓練は隔年のリムパックで護衛艦など5隻と航空機9機を派遣(3)遠洋練習航海は練習艦・護衛艦3隻で中・南米方面へ(4)外洋練習航海は飛行幹部課程が護衛艦2隻、部内幹部課程が3隻でともに東アジア方面へ(5)護衛隊群の訓練は各群4回と大規模災害対処、P3Cの群訓練は各群3回を実施。
 ▽空自=(1)総隊総合演習(2)米空軍空中給油機の支援によるF15の空中給油訓練(3)高射部隊の派米年次射撃訓練はペトリオット12個高射隊、6個指揮所運用隊と1個基地防空隊(携SAM)が初参加
(4)米空軍演習(コープサンダー)にF15を6機、E767を1機と携SAM追随訓練用器材6を派遣。
 ▽共通=(1)日米共同統合演習(実動)、自衛隊統合防災演習(2)日米共同指揮所演習、日米共同実動演習。

 〈BMD諸施策の推進〉(1)BMDシステムの整備=海上配備型上層ウエポンシステム(イージス艦1隻の改修、SM3ミサイルの調達)、地上配備型下層ウエポンシステム(ペトリオット1個群の改修、PAC3の調達)(2)バッジシステム改修・将来のBMDシステムに関する研究等=指揮統制・通信システム(バッジシステムにBMD対処機能の付加)、日米共同技術研究(将来の海上配備型システムの日米共同技術研究、わが国の防空システムのあり方に関する総合的調査研究、多国間BMDカンファレンスへの参加)

 〈各種事態への対応〉▽ゲリラや特殊部隊の侵入への対応=(1)沿岸部などの警戒監視・情報収集(2)侵入者らの捜索、重要施設などの防護(3)侵入者らの捕獲・撃破(4)警察との連携強化。
 ▽不審船への対応=(1)不審船の発見・分析(2)停船のための対応(3)停船後の対応(4)海保庁との連携強化。
 ▽核・生物・化学兵器による攻撃への対応=特に生物兵器対処では必要な各種機能の充実に取り組む。
 ▽各種災害への対処=各種災害に適切に対処できる態勢を整備。

 〈統合運用の充実〉(1)新たな統合運用態勢への移行に向けた検討=調査研究体制の充実・強化のため統幕校の研究員増員、統合無線機の研究、態勢移行に向けた検証のための指揮所演習など(2)統合訓練などを通じた統合運用能力の強化。

 

 
 
 2月12日付


「さみだれ」がインド洋へ
テロ対処艦艇交代

海自4護隊(呉)の護衛艦「さみだれ」(艦長・川波辰男2佐)は2月15日、テロ特措法に基づきインド洋で米英軍などへの協力支援活動を行っている海自派遣部隊11次隊の護衛艦「あけぼの」(同・山口彰二2佐)と交代のため、呉を出港する。「さみだれ」のインド洋派遣は2回目。
11次隊と12次隊の交代は1艦ずつ行われており、1月23日には11次隊の護衛艦「ひえい」(同・下出隆敏1佐)と交代するため、護衛艦「みょうこう」(同・村田隆斉1佐)が舞鶴を出港している。

 
 
 2月12日付


東ティモール撤収まで3カ月
施設器材など譲与

防衛庁は2月3日、陸自東ティモール派遣施設群が現地で使用している道路建設用器材の一部を東ティモール民主共和国政府に譲与した。
同国政府からの要請で「経済および技術協力のため必要な物品等の外国政府等に対する譲与等に関する法律」に基づき譲与したもので、施設器材のグレーダー1、油圧ショベル2、ブルドーザー4、バケットローダー2、資材運搬車1などとなっている。
同国政府への資機材の譲与は、施設群の部隊規模削減に際し、同国政府から社会基盤整備や国民の福祉増進のため民生品の資機材の一部を譲与してほしいとの要請に基づくもので、15年3月には道路建設用器材やプレハブ式建物、同年10月にもプレハブ式建物106棟を譲与している。
東ティモールでのPKO活動は14年2月15日に国際平和協力業務の実施計画が閣議決定された後、同年3月2日から陸自施設群の派遣を開始。現在、西方主力の4次隊(群長・川又弘道1陸佐以下405人)が派遣されている。
国連東ティモール支援団(UNMISET)は今年5月20日で活動を終了する予定で、これまでに逐次勢力を削減。自衛隊も15年3月の3次隊に交代する際、680人から522人に、同年10月の4次隊に交代の際、522人から405人にそれぞれ削減している。


 

 

 
 
 2月5日付  



イラク復興支援群 先発隊が出発
本隊に隊旗を授与
群長に番匠1佐 旭川で編成を完結

イラク人道復興支援特措法に基づき、イラクに派遣される陸自第1次イラク復興支援群(群長・番匠幸一郎1陸佐以下約550人)の編成完結・隊旗授与式が2月1日、北海道・旭川市の陸自旭川駐屯地北体育館で行われ、午前の編成完結式に続き、午後から小泉首相をはじめ政府・与党幹部、地元自治体関係者、派遣隊員の家族ら約900人が見守る中、石破防衛庁長官から番匠群長に隊旗が授与された。小泉首相は訓示で「諸君はイラク人が希望を持って自らの国を再建しようとする手伝いに行く。イラクの人々から評価され、歓迎される仕事を立派に果たしてくれると確信している」と、派遣の意義を述べて隊員を激励した。この後、本隊のうち宿営地設営や警備要員からなる先発隊の約90人が3日午後2時40分、空自千歳基地から政府専用機でクウェートに向け出発した。先発隊は同地の米軍基地で訓練を行った後、サマワに入り先遣隊と合流する。一方、物資空輸支援を行う空自の派遣輸送航空隊本隊のC130H輸送機3機は1月30日、クウェート空軍基地に到着、先遣要員やカタールの運航調整要員も含め、空輸任務に携わる約200人全員が現地入りを完了した。



壇上で石破防衛庁長官(左)から隊旗を授与されるイラク復興支援群長の番匠幸一郎1陸佐(2月1日、旭川駐屯地で)

北部方面隊主力で編成された第1次イラク復興支援群の隊旗授与式は2月1日、陸自旭川駐屯地で行われ、小泉首相、石破防衛庁長官、川口外相、中川経済産業相ら政府首脳をはじめ、安倍自民党幹事長、神崎公明党代表ら与党幹部、石川統幕議長、陸海空幕僚長、内局官房長、運用局長ら防衛庁・自衛隊幹部、菅原功一旭川市長ら自治体関係者、派遣隊員の家族など計約1500人が出席した。
式場の駐屯地北体育館内は、両側に隊員の無事帰国を願う黄色のハンカチを背広のポケットに入れたりハンドバッグに結んだ人々をまじえ、来賓や家族が着席。
派遣隊員はグリーンのベレーとネッカチーフ、肩と背中に日の丸を付け、手には小銃、腰には銃剣を付けて行進しながら入場。それぞれ給水隊、施設隊、衛生隊、本部管理中隊、警務隊などの順に並び、予備隊員約100人を含む約600人が整列した。
正午すぎ開式。まず小泉首相と石破長官に対し栄誉礼が行われ、引き続き壇上で石破長官から番匠群長、続いて群から独立して任務に当たる警務隊長に真新しい白色の隊旗が授与された。
次いで部隊の最前列に戻った番匠群長が長官に対し、イラク派遣への準備完了を報告した。
続いて小泉首相が訓示、「イラクが民主主義の国になり恩恵を受けるのは世界であり日本。だからこそ、イラクの復興支援を失敗させるわけにはいかない。口だけでなく行動で示してくれるのが皆さん方。日ごろの厳しい訓練を積み重ねた隊員諸君が立派に任務を果たし無事帰国することを心から祈念する」などと述べた。
続いて石破長官も「国連の要請に基づいて、助けを求める人々に手を差し伸べるのはどうしても必要なこと。中東の安定のための仕事は、諸官にしかできない崇高な任務」と訓示、隊員を激励した。
この後、写真撮影や、家族、来賓を交えての派遣隊員激励会が駐屯地内の隊員食堂で行われた。
式に出席した旭川市の菅原市長は、地元から隊員を送り出すことについて「隊員はサマワの人たちに信頼され、任務を達成して帰ってくると確信している」などと語った。


    ◇


第1次イラク復興支援群の本隊第1陣となる先発隊(隊長・清田安志1佐以下約90人)が2月3日午後2時40分、政府専用機で空自千歳基地からクウェートに向け出発した。現地時間の4日、クウェート入りし、別便のアントノフ輸送機で運ばれた装甲車両などを受け取り、慣熟訓練を行った後、先遣隊が活動中のイラク・サマワに入って宿営地設営などに着手する。
先発隊はイラク復興業務支援隊要員の清田1佐、第1次支援群副群長の藤原修2佐以下、施設、警備要員の約90人で、同日午前10時40分、陸自東千歳駐屯地で沿道に並んだ隊員ら1600人の盛大な見送りを受けバスで出発、千歳基地に到着後、家族と昼食。午後零時半から基地内の格納庫で見送り行事に臨んだ。
式には浜田防衛庁副長官、先崎陸幕長ら約800人が出席。清田1佐が出国報告をした後、浜田副長官があいさつし、「宿営地の整備により本格的にイラク復興支援が始まる。イラクの人々、そして世界のために頑張ってほしい。政府として万全の態勢で諸君を支えていく」とはなむけの言葉をおくった。

 

 
 
 2月5日付



空自本隊 現地入りを完了
中旬から空輸開始



C130H輸送機でクウェートに到着、大使館関係者や先遣要員の拍手に迎えられる空自派遣輸空隊司令の新田1佐ら(1月30日、アリ・アルサレム空軍基地で)

イラクへの支援物資空輸などを行う航空自衛隊の「イラク復興支援派遣輸送航空隊」(隊司令・新田明之1佐以下約190人)の本隊第2陣約50人が1月30日午前11時半(日本時間同日午後5時半)すぎ、C130H輸送機3機で相次いでクウェートのアリ・アルサレム空軍基地に到着した。エプロン地区では樽井澄夫駐クウェート大使ら大使館関係者をはじめ、先遣要員と本隊第1陣の隊員ら計約60人が日の丸を掲げて新田1佐らを拍手で出迎えた。
3機は1月26日に小牧基地を出発後、給油のためウタパオ(タイ)、マレ(モルジブ)、アブダビ(アラブ首長国連邦)を経由してクウェートに到着した。
新田1佐は報道陣に対し「初めて人と物がそろった。"これからやれるぞ"と期待している。ミサイルや対空砲火の脅威はあるが、準備を重ね、組織として飛行の安全確保を推し進めたい」と語った。この後、新田1佐らは基地内の空自居住地区の宿舎や事務所、米軍施設などを視察した。
第2陣の到着で、昨年末から現地で本隊の受け入れ準備に当たってきた先遣要員約40人と、1月23日に政専機で到着した本隊第1陣110人と合わせ、現地派遣要員約200人全員がそろった。このうち約10人は米軍司令部のあるカタールのアル・ウデイド空軍基地内に設けられた空自の空輸計画部(部長・溝口博伸1佐)で各国軍と運航調整に当たる。
派遣輸空隊は今後、ミサイル回避などの慣熟飛行訓練を行い、2月中旬にもクウェートのアリ・アルサレム空軍基地を拠点に、イラク国内のバスラ、バグダッド、バラド、モスル各空港に食糧や医薬品など支援物資の空輸を開始する予定。

 

 
 
 2月5日付


16日から日米指揮所演習

15年度日米共同統合演習(指揮所演習)が2月16日から同26日まで、市ヶ谷駐屯地と在日米空軍横田基地などで行われる。
日本防衛のための自衛隊・米軍の共同対処要領、周辺事態に際しての自衛隊の対応と日米協力による指揮幕僚活動を演練し、共同統合運用能力の維持・向上を図るのが目的で、昭和60年度以来、今回で14回目。
参加部隊は自衛隊側が統幕議長を統裁官に、統幕事務局、情本、内局、陸海空各幕、各方面隊、ヘリ団、自艦隊、各地方隊、航空総隊、支援集団などから人員約1100人、米側は在日米軍司令官を統裁官に、在日米軍司令部、同米陸軍、同米海軍、7艦隊司令部、在日米空軍、同海兵隊などの約1300人。

 
 
 2月5日付


石破・アーミテージ会談
イラク派遣の自衛隊に
米、全面協力約す

石破防衛庁長官は、2月2日、来日中のリチャード・アーミテージ米国務副長官と防衛庁で会談し、「全力を尽くしてイラク復興支援を成功させたい。情報提供など引き続き支援をお願いしたい」と、米国の協力を要請した。これに対しアーミテージ副長官は「全力を尽くしあらゆる方法でしっかりやっていきたい。(CPAの)ブレマー大使にも何でも協力するよう伝える」と強い言葉で協力を約した。
会談には石破長官のほか飯原防衛、西川運用両局長、堀江国際担当参事官、得田統幕事務局長ら、米国はアーミテージ副長官のほか、カレン・ライダー国務副長官特別補佐官、ベーカー駐日米大使、デビット次席公使らが出席。
席上、石破長官は1日に北海道でイラク派遣部隊の隊旗授与式などを行ったことを話し、「日本は人道復興支援を中心に活動する。その意義は日米同盟の信頼関係強化に資するとともに、国連の要請に真剣にこたえることであり、イラク自身の復興に役立ち、わが国にとっても重要な中東の平和と安定につながり国益となるものだ」と述べた。
これに対しアーミテージ副長官は「イラクの復興のために全力を尽くしたい。今後の政治プロセスは昨年11月15日に合意した今年7月1日の統治権移行方針の下、進めていきたい。いずれにしても国連の関与を得てやっていくことになる」と述べた。
また、イラクの最近の治安情勢について副長官は、「襲撃の回数は減っているが、攻撃がより巧妙化している。現在の方向に不満を持つ人たち、外国のテロリストといった者が状況の進展を妨げようとしている」との分析を述べ、「石油の生産、電力の復旧、水の供給など、イラク国内のインフラ整備は順調に進捗している」と述べた。
日本の防衛政策に関連して石破長官は「今、安全保障環境の変化の中で日本の防衛力のあり方をどのように進めるかを庁内で検討している。米国との協力関係をどう構築していくかなど、今後も米側とよく連絡を取りながら進めていく」と述べ、国務副長官も「米側も全く同じ考えだ」と応じた。
これに関連して長官は「沖縄の問題は、わが国政府として負担軽減を望んでいる」として米側の考慮を要望。アーミテージ副長官は「十分承知している」と述べた。