パキスタン洪水 陸自ヘリ部隊など派遣 被災地で人員・物資空輸

海自輸送艦「しもきた」の後部ヘリ甲板に着艦、脚部分をチェーンで固定された陸自1ヘリ団のCH47JA大型輸送ヘリ(8月24日、横須賀沖で)
北沢防衛相は8月20日、防衛会議を開き、パキスタンの洪水災害救援のため国際緊急援助隊法に基づき待機態勢にあった陸海空自衛隊に実施命令を発出した。政府は同9日にパキスタン政府からヘリコプターの派遣要請を受け現地調査団を派遣、救援内容を検討していた。派遣部隊は陸自「パキスタン国際緊急航空援助隊」(石崎敦士4後支連長以下約200人)、海自「同海上輸送隊」(輸送艦「しもきた」、佐々木俊也1輸隊司令以下約160人)、空自「第1パキスタン同空輸隊」(金渕朋康2空佐以下約150人)で、21日以降、順次現地に向け出発した。北沢防衛相は防衛会議で「パキスタンの洪水被害は甚大であり、防衛省が持っている知見、装備をフルに活用して支援したい」と述べた。
「しもきた」とC130でヘリ輸送
北沢防衛相は19日に岡田外相と自衛隊による国際緊急援助活動の実施について協議した後、折木統幕長に国緊隊の派遣準備を指示。これを受け同日、先遣調査チーム(笠松誠1陸佐以下21人)が現地に向け出発。待機態勢にあった陸海空自衛隊部隊もそれぞれ派遣準備に入った。
陸自は待機部隊の4師団が石崎4後支連長以下約200人、4飛行隊(目達原)のUH1多用途ヘリ3機とヘリ団のCH47JA大型輸送ヘリ3機で航空援助隊を編成。隊長以下約50人は21日、福岡駐屯地で行われた隊旗授与式の後、福岡空港から民航機で出発、翌22日夜、カラチを経由、活動の拠点となる同国中部パンジャブ州ムルタンのパキスタン陸軍飛行場に到着した。残る要員は週内にも順次、民航機で現地入りの予定。部隊は空自C130輸送機で運ばれるUH1ヘリと、輸送艦「しもきた」で海上輸送されるCH47JAヘリの到着後、ムルタン飛行場の半径約200キロの地域で人員・救援物資、医薬品などの輸送に当たる。
一方、陸自のUH1ヘリ3機を空輸する「第1パキスタン国際緊急援助空輸隊」は23、24、25の3日間にわたり、C130H各2機ずつにUH1ヘリなどを搭載、陸自高遊原分屯地(熊本空港)から出発した。
C130Hは6機とも27日までにムルタンのパキスタン陸軍飛行場に到着。本体とローターなどを別々に空輸してUH1ヘリ計3機は現地で組み立てられ、早ければ月内にも活動を開始する。
海自1輸隊の佐々木司令以下、輸送艦「しもきた」による「パキスタン国際緊急援助海上輸送隊」は23、24の両日、陸自1ヘリ団(木更津)のCH47JA大型輸送ヘリ2機を横須賀沖で搭載した。24日には木更津から飛来したCH47が「しもきた」乗員の誘導で同艦の後部ヘリ甲板に着艦する様子が報道陣に公開された。ヘリはローターがはずされ、防錆シートにくるまれて甲板にチェーンで固定された。海自輸送艦にCH47が実任務で搭載、輸送されるのは平成17年のインド洋津波被害に伴う国緊隊活動以来2回目。
「しもきた」は26日に横須賀を出港、9月中旬カラチ到着の予定。3機目のCH47は9月上旬にもロシアのアントノフ大型輸送機でパキスタンに運ぶ計画で、CH47計3機の活動開始は9月中旬になる見込み。
派遣されるCH47は多様な環境下での運用性、安全性向上のため、燃料タンクを大きくして航続距離を延ばすなど改良が重ねられた“国際活動仕様”となっており、万一に備えてチャフフレア装置もついている。
このほか、同国の関係機関などと調整に当たる統合運用調整所も現地に開設、部隊の活動を支援する。