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7/22日付

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空自初 女性ヘリ機上整備員が誕生 那覇救難隊 大神由羽3曹

 あこがれだった救難隊FEの制服姿でUH60J救難ヘリを背に写真に収まる大神由羽3曹(空自那覇基地で)

 空自で初めての女性ヘリコプター機上整備員(FE)がこのほど誕生した。那覇救難隊(隊長・森部樹司2佐)の大神由羽(ゆう)3曹(27)で、「利益のためでなく人のために働きたい」という職業観と大学で学んだ気象の知識を生かせる職場を求めて空自に入隊。ヘリ整備員として勤務する中、救難の現場で働くFEが将来の目標となり、救難教育隊(小牧)FE課程に入校して基礎的な知識と技能を習得。昨年12月に現在の部隊勤務になり、今年5月、晴れてFE検定に合格した。

悩んだ針路…大学で台風研究…母親の助言
利益のためではなく人のために “働く先輩隊員”に共感

技量向上へ猛訓練

 空自は救難団隷下部隊だけが回転翼機を持ち、千歳、百里など10個救難隊がUH60J救難ヘリ、三沢、入間など4個ヘリ空輸隊がCH47J輸送ヘリを運用する。各機には機長、副機長とともに機上整備員(フライト・エンジニア=FE)が搭乗し、機器の状態確認や燃料計算などのほか、救難隊なら救助用ホイストも操作する。22年7月現在、約80人のFEがいるが、女性のFEは教育課程への入校例も含めて大神3曹が初めて。
  現在、大神3曹は那覇救難隊飛行班に所属。連日、洋上で訓練用目標を探したり、実際にホイストを使って吊り上げるなど救難隊FEに必要な技量向上の訓練に打ち込んでいる。同3曹は「ホイストを操作していると物理的な重さと人の命を預かる責任感の重さを同時に感じる。より冷静、確実に行動できるよう頑張っているつもり。でも、まだまだ勉強の毎日」と話す。実際の救助任務は未経験だが、目標に一歩ずつ近づいている実感と機内から垣間見る空の美しさが相まって感極まる瞬間もあるという。
  昭和57年大分県中津市生まれ。高校3年で進路に悩んでいると、空自のイベントによく参加する母親の敦子さん(54)が「一例だけど」と自衛隊の話をした。当時は「そんな道もあるのか」程度の興味しかなく、平成13年、台風の研究をするため琉球大理学部に進んだ。卒業前、「利益のためでなく人のためになる仕事に就きたい」と思案中、母の助言を思い出し自衛隊の入隊案内を取り寄せた。「国や人を守る仕事は自分の職業観に合っている。空自なら大学で学んだ知識を生かせる」と志願を決意。母も父の芳隆さん(56)も「しっかりやってこい」と応援してくれた。
  最初は下から学びたいと曹候補生で18年3月入隊。防府南で基礎教育後、1術校でヘリ整備員課程を履修し、12月、百里救難隊に。先輩隊員たちの働きぶりを見て「全員一丸になって働く熱い情熱のある場所」だと感じ、ヘリの知識を生かして救難現場で働けるFEを目指し21年5月、救難教育隊(小牧)のFE課程に入校。12月から那覇勤務に。
  「教育課程でヘリを始動させる通常手順を初めて自分が読み上げ、それに従ってパイロットが操作してローターが回転したときは『始まったんだ』と感動した。当時も今も、自分が女性だとの理由で辛い思いをしたことはないが、周囲の方々の支えのおかげで今の自分がある」。思い詰める性格ではないが、肩に力が入りすぎた日は「時間があれば長風呂でストレッチ」で心身をほぐすという。
  森部隊長は「新人を迎えた部隊はどこも活気付く。全員が大神3曹を一人前に育てたいと思っている。今はまだ余裕がないだろうが、いずれ女性ならではの細やかな気遣いで遭難者や要救助者に対応できるようになってほしい」と話している。