SHIRASE旅立つ
母港・横須賀から“第2の人生”の地、千葉・船橋へ
引き渡し式 横監幕僚長ら見送り 「娘を嫁がせるよう」

自衛隊関係者ら多くの見送りを受けて母港・横須賀をあとにする先代「しらせ」(写真はいずれも2月10日、吉倉桟橋で)

除籍により無線機や舵などの機材を取り外された先代「しらせ」は、タグボートに曳航されて離岸していった

先代「しらせ」引き受け先のウェザーニューズ社が用意した氷の彫刻の同艦レプリカなどに見入る人々
ウェザーニュース社…環境を考えていくシンボルに
日本中の子供たちに南極への夢を育んできた「しらせ」は退役と同時に元砕氷艦「宗谷」「ふじ」と同様、記念艦として余生を送るものと考えられていた。ところが維持費の高さのため引き取り先が決まらず、一時はスクラップ処分も覚悟。
しかし、「しらせ」の存続を求める声が全国から寄せられ、政府の南極地域観測統合推進本部が再度公募した結果、気象情報会社のウェザーニューズ社(本社・東京)が引き取ることに決まった。同社では「気候変動・地球環境に関する情報をグローバルに交信していく実践の場」とする考えで、艦名も「SHIRASE」に変更された。
引き渡し式はこの日、吉倉桟橋で行われ、畑田実横須賀地方総監部幕僚長ら隊員、南極観測を所管する文部科学省職員、ウェザーニューズ社員ら約200人が出席。畑田幕僚長は「まさに娘を嫁がせるような心境。SHIRASEとしての新たな船出は関係者の一人としてとてもうれしい」とあいさつ、文科省海洋地球課の丸山修一課長補佐も「新たな活躍の地へ第1歩を踏み出す先代『しらせ』のさらなる進化と発展を祈念しています」と述べた。
これに対しウェザーニューズの石橋博良会長は「オールジャパンで環境を考えていく我が国のシンボルとして、第二の船出を立派に成し遂げていくことを皆様にお約束します」と語った。
この後、タグボートに曳かれて同艦は出港、横須賀音楽隊の「蛍の光」が流れる中、隊員たちは慣れ親しんだオレンジの船体を帽振れで見送った。
「SHIRASE」は横浜の三菱重工業本牧工場で船体検査や補修を受けた後、3月下旬までに船橋港に移動し、5月2日に「グランドオープン」の予定。
同社によると副艦長には75歳でエベレスト登頂を果たした三浦雄一郎氏が着任し、船橋港での一般公開のほか、千葉港や幕張沖にも移動し、地球環境問題について広く情報を発信していく予定という。
(横須賀)