ハイチ国緊隊 3ヵ国5ヵ所に展開
統合連絡調整所 初体験の多数拠点

帰国した国緊隊の女性隊員に駆け寄って、抱きしめる出迎えの家族(2月18日、広島空港で)

広島空港に帰国、入国審査を終え「祝任務完遂」の横断幕が掲げられた花道を笑顔で進む国緊隊員(2月18日)
陸自のハイチ国際緊急医療援助隊の撤収に伴い、1月中旬から米フロリダ州マイアミのホームステッド空軍基地など3カ国5カ所を拠点に関係機関との調整に当たっていた統合連絡調整所の要員計約30人が2月18日、帰国した。うち約20人が防衛省での帰国行事に臨み、マイアミで統合連絡調整所長を務めた山下隆康1空佐(47)=統幕運用2課運用調整官=と、統合連絡調整所ハイチ班長を務めた塩川壮1空佐(44)=統幕運用2課国際協力室=の2人がインタビューに答えた。
山下1空佐は、「急なミッションだったが、迅速、効果的に対応できた。われわれは支えるチームであり、基本計画もなく3カ国5カ所にまたがって作戦を展開し、新しいことばかりでとまどいながらも、各班が頑張り、特にハイチに飛んだ塩川が現地を仕切って素晴らしい作戦を支えてくれた」と述べた。
塩川1空佐も「地震直後にハイチ入りし、現地のクレオール語が分からず、治安もあまりよくない中、被災者のために自衛隊としてできる精一杯の努力をした。街には被災者があふれ、活動する場所すら見つけるのが大変だった」と語った。
自衛隊はこれまで統合運用の観点から、平成16年のインドネシア津波被害の国際緊急援助活動で、タイのウタパオなどに統合連絡調整所を設置した経験があるが、今回は米マイアミ、ワシントンDC、ハイチのポルトープランスとレオガン、ドミニカ共和国と3カ国5カ所に拠点が分散した。この点について山下1空佐は、「3カ国5カ所の展開地の掌握が大変で、そこに的確に指示を出して滞りなく必要なモノを必要な時に届けることに腐心した」という。
さらに山下1空佐は、「日本では考えられないほど通信状態が悪く、活動を支える後方拠点が数カ国にまたがるなどこれまでにない経験をした」として、「ハイチ、ドミニカ、アメリカと言語も生活習慣も違う中、飛行機による補給は毎日国際便を飛ばしているようなもので、最初はどうしていいか分からず、やってみると非常に複雑で、それをいかに簡単、速やかに実施するかに専念した。調達任務では自分たちで(全て)探さなければならない場面も多く苦労した。マイアミから1時間離れているホームステッド空軍基地からのC130H輸送機などによる空輸と、ドミニカから10時間以上かかる陸上輸送の両方をうまく組み合わせた初めての経験」と、厳しかった任務を振り返った。