防衛省とシンガポール国防省との防衛交流に関する覚書(全文)
本覚書は、日本国防衛省とシンガポール共和国国防省(以下合わせて「両国防衛当局」といい、個別に「防衛当局」という。)との間で作成されたものである。
日本国とシンガポール共和国は、国際平和協力活動及び海上の安全保障等の防衛分野で多くの関心を共有すること並びに両国防衛当局間の関係の発展が両国間の相互理解と信頼関係を増進させ、アジア太平洋地域及びそれを越える地域の平和と安定に資することを認識し、両国防衛当局は、ここに以下の意図を表明する。
1 両国防衛当局は、以下の防衛交流を実施する意図を共有する。
(a)ハイレベル交流
(@)日本国防衛大臣とシンガポール共和国国防大臣との間の定期的な会合の実施
(A)日本国防衛事務次官とシンガポール共和国国防次官との間の定期的な会合の実施
(B)日本国自衛隊統合幕僚長とシンガポール国軍司令官及び日本国各自衛隊幕僚長とシンガポール各軍司令官との間の定期的な訪問の実施
(b)実務レベル交流
(@)安全保障・防衛問題に関する次長・副次官級の防衛当局間協議の定期的な実施
(A)日本国自衛隊統合幕僚監部とシンガポール軍統合参謀本部との間の幕僚間協議の定期的な実施
(B)日本国陸上自衛隊とシンガポール陸軍との間の幕僚間協議の定期的な実施
(C)日本国海上自衛隊とシンガポール共和国海軍との間の幕僚間協議の定期的な実施
(D)日本国航空自衛隊とシンガポール共和国空軍との間の幕僚間協議の定期的な実施
(E)日シンガポールITフォーラムの定期的な実施
(c)部隊間交流
(@)各訓練についての相互の同意を前提に、各防衛当局が開催する訓練又は多国間訓練への参加(オブザーバー参加を含む。)
(A)日本国自衛隊とシンガポール軍との間の部隊間交流の実施(日本国海上自衛隊及びシンガポール共和国海軍との間の艦艇の相互訪問時における訓練を含む。)
(d)教育・研究交流
(@)両国防衛当局教育機関の学生間の交流の実施
(A)両国防衛当局教育機関及び研究機関の代表間の交流の実施
(e)共通の関心事項についての意見交換
(@)協力進展のための知識共有を目的とした、様々なレベルにおける共通の関心事項についての意見交換の実施(次の分野を含む。)
・地域情勢
・化学、生物、放射線及び爆発物(CBRE)防護
・訓練方法及びその開発
・人道支援活動・災害救援(HADR)
・海外での活動に備えた訓練及び関連の活動
(f)国際的な活動における協力
(@)国際平和協力活動における協力の促進(平和支援活動及びHADRを含む。)
(A)国際社会に対する脅威に対処するための活動における協力の促進(海賊対処及び拡散に対する安全保障構想(PSI)を含む。)
(g)多国間協力
(@)ASEAN地域フォーラム、西太平洋海軍シンポジウム及びその他の地域的協力等の多国間の枠組みにおける協力の強化(災害救援及び海上の安全保障における協力を含む。)
(A)いずれかの防衛当局が主催又は後援する多国間ワークショップ、会議及びセミナーへの積極的な参加(日本国防衛省が主催するアジア太平洋地域における共通の安全保障課題に関する防衛当局高級事務レベル会合及び東京ディフェンス・フォーラム、並びにシンガポールにおいて開催されるIISSアジア安全保障会議(シャングリラ会合)を含む。)
2 両国防衛当局間の協力は、上記に限定されるものではない。両国防衛当局は、将来の双方の判断により、他の分野における防衛協力について検討し、実施することができる。
3 両国防衛当局は、各々自国の国内法令に従って、また、他方の防衛当局の要望を十分踏まえつつ、防衛協力の過程で取得された情報が、適切に管理されること、及び情報提供する防衛当局の事前の同意無しには第三者へ提供されないことを確実にする意図を表明する。
4 両国防衛当局は、本覚書が法的拘束力のある権利又は義務を生じさせないこと、並びに上記に掲げた活動が自国の法令及び予算の範囲内で実施されることを認識する。
5 両国防衛当局は、何時でもこの覚書を見直すことが可能であり、また、双方の書面による同意により、この覚書を改定することができる。