10月の朝雲ニュース

10/29日付

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相模湾で2009観艦式
新政権下で初の式典
副総理訓示 使命の自覚、要望

  自衛隊記念日中央行事の「2009観艦式」が10月25日、相模湾で行われ、ソマリア沖海賊対処や弾道ミサイル防衛など多様な任務にあたる海上自衛隊の高い練度を政府関係者や一般乗艦者の見守る中で披露した。この日は東アジアサミットに出席の鳩山総理に代わり首相臨時代理の菅副総理が観閲官として「くらま」に乗艦。自民党以外の政府首脳が観閲官を務めるのは平成6年の村山富市首相(旧社会党委員長)いらい15年ぶり。中央行事ではこのほか24日に防衛大臣感謝状贈呈式と殉職隊員追悼式がそれぞれ市ヶ谷地区で行われた。


 観閲官の菅副総理らを乗せ単縦陣で航行する観閲艦「くらま」と、後方は随伴艦「こんごう」「あぶくま」(10月25日、相模湾で)


 「くらま」艦上の菅副総理と、左へ北沢防衛相、榛葉副大臣、楠田政務官、右へ赤星海幕長、杉本自艦隊司令官(10月25日)

40隻31機、整然と受閲


 海自観艦式は昭和32年いらい26回目で、防衛省への移行後は初。艦艇40隻、航空機31機、人員8000人が参加したが、前線の影響で雲が厚く垂れこめるあいにくの悪天候で、観閲飛行の一部は中止された。
  観閲艦「くらま」は午前9時、北沢防衛大臣、榛葉副大臣、楠田政務官、中江事務次官、折木統、火箱陸、赤星海、外薗空各幕僚長らと、国会議員など招待者400人を乗せ、小雨の降る横須賀を出港。政権交代を受け、議員は圧倒的に民主党が多く24人が乗艦、自民党は改革クラブ、新党日本、新党大地と同じで乗艦した議員は1人だった。三浦半島沖で菅副総理搭乗のSH60K哨戒ヘリが「くらま」に着艦、女性隊員では初めて、永田恵2尉(27)が儀仗隊長として観閲官への栄誉礼・儀仗の指揮をとった。
  外洋は荒れ模様で、式の始まる正午に雨はほぼ止んだが、北北東の風14メートル、気温15度と肌寒く、風浪(波)3、うねり1、視界15キロと近年にない荒れた洋上ページェントとなった。
  灰色の海に受閲部隊の旗艦「あしがら」など艦艇20隻が姿を見せて観艦式が始まると、菅副総理は観閲台から、登舷礼式で敬礼する受閲艦の乗員に対し、胸に手をあて答礼した。両部隊間の距離は200メートルで双方22キロの速度ですれ違った。
  最新のヘリ搭載護衛艦「ひゅうが」、ソマリア沖海賊対処任務から戻った「さざなみ」と続き、最新型の潜水艦「そうりゅう」はX舵を見せて浮上航行。その後、ペルシャ湾で自衛隊初の海外任務を担った掃海部隊、インド洋補給支援に参加した補給艦、イラク復興支援で陸自部隊をクウェートに運んだ輸送艦など、海自の歴史を切り開いてきた艦艇が次々に登場。最後は海保庁巡視船「やしま」が勇姿を披露した。
  続く観閲飛行ではP3C哨戒機、新型のUS2救難飛行艇、MH53E掃海ヘリなどが上空を航過、陸自ヘリ団のCH47J輸送ヘリ3機も登場した。
  次いで各艦艇は回頭して訓練展示海面へ。「はたかぜ」などが祝砲発射後、大湊地方隊から参加の「ゆうばり」などが対潜ロケット弾を発射、着弾海面に大きな水柱が立つと観客からどよめきが起きた。潜水艦は浮上・潜航を披露し、「ひゅうが」はヘリ発艦シーンを展示。最後にエアクッション艇2隻とミサイル艇が40ノット(74キロ)の高速で観閲部隊を追い越し、IRデコイを花火のように空に発射して走り去った。
  一方、航空部隊はUS2が超低速飛行、P3Cは対潜爆弾投下とミサイルを欺瞞するIRフレアーの発射で展示を終えた。
  この後、菅副総理が訓示し、「グローバル化が進展する中、自衛隊の活動の場は海外に広がっている。わが国が長く平和と繁栄を享受できるよう使命を深く自覚し任務に精励を」と述べた。
  副総理は午後2時前ヘリで離艦、各艦はそれぞれ音楽演奏などを行いながら4時過ぎまでに帰港した。
  この日は約20カ国の武官35人が乗艦、内外の記者145人も式典を取材。21、23日の予行と合わせ計2万6000人が観艦式を見学した。