海賊対処法施行 新法下で活動開始
海警行動は終結 1、2次隊が交代
政府は7月24日の安全保障会議と閣議で、ソマリア沖の海賊対策について、同日付で施行された海賊対処法に基づく自衛隊の対処要項と海賊対処行動を承認した。これを受けて浜田防衛相は自衛艦隊司令官に対し、ソマリア沖アデン湾で航行中の船舶を海賊行為から防護する活動を命じるとともに、現在、アデン湾に派遣されている第1次海賊対処水上部隊による海上警備行動の終結命令を発出した。これにより自衛隊の海賊対処は、日本関係船舶しか護衛できなかった自衛隊法82条の「海警行動」から外国の船舶も防護できる海賊対処法に基づく活動に切り替わり、同29日から新法に基づく護衛任務が始まった。浜田防衛相は命令発出後の定例会見で「1次部隊は日本国民の生命・財産の保護という重要な責務を十分果たした。2次部隊も海賊対処法に基づき、すべての国の船舶を、より適切、効果的に警備できるようになる」ことを強調した。
対処要項など承認
海賊対処法に基づいて定められた対処要項では、ソマリア沖アデン湾の海賊事案多発は懸念すべき事態と指摘した上で、海賊行為への対処は一義的には海上保安庁の任務だが、わが国から遠く、海賊が重武装していること、海保庁が諸外国海軍との連携行動の実績がないなどから、海賊対処法の規定による海賊対処行動により、自衛隊の部隊を派遣し必要な行動をとる、としている。
海賊対処行動を行う海上区域は、ソマリア沖アデン湾と限定し、部隊の規模として、護衛艦部隊は人員約400人(交代時は約800人)と、同護衛艦に対する補給支援はテロ特措法に基づきインド洋に派遣されている補給支援部隊が当たること、ジブチを拠点とする航空機部隊の約150人(同約300人)と、人員や整備器材を航空輸送するための部隊約90人と規定。
装備は護衛艦2隻(交代時は4隻)、補給支援活動の艦船のほか、航空機はP3C哨戒機2機(同4機)、必要に応じC130H輸送機など3機以内。そのほか、自衛隊員、装備品の安全確保など警護、海賊対処に必要な装備で、活動期間は7月24日から22年7月23日までの1年間としている。
その他重要事項として(1)自衛隊は、海賊対処行動の実施に必要な情報に関し、関係行政機関と相互に密接に連絡をとる(2)海上保安官は護衛艦に同乗し、必要となる警察活動を行う(3)自衛隊は、諸外国の軍隊その他の関係機関と情報協力をはじめ必要な協力を行う―と規定している。
同対処要項を受け、浜田防衛相が発出した海賊対処行動に関する自衛隊行動命令は、(1)自艦隊司令官に対し、ソマリア沖アデン湾において航行中の船舶の海賊行為からの防護と、このために必要な警戒監視、情報の収集と提供の実施(2)護衛艦2隻による派遣海賊対処水上部隊と、派遣海賊対処航空部隊の編成(3)補給支援活動部隊に対しては水上部隊への燃料補給、空自支援集団司令官への空輸隊編成と所要の物資等の航空輸送の実施(4)陸自各方面総監、即応集団司令官、海自各地方総監などに所要の支援の実施などを命じている。