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ヘリ搭載大型艦「ひゅうが」拝見 統合司令部から災害対処まで 多様な機能を完備 海自初の全通飛行甲板を持ったヘリ搭載護衛艦「ひゅうが」(1万3950トン、艦長・山田勝規1佐以下約340人)が3月18日に就役し、1護群1護隊に配備された(前号既報)。以下は母港・横須賀で報道陣に初公開された「ひゅうが」の全容。 1護群1護隊に配備され横須賀に初入港するDDH「ひゅうが」。全通の飛行甲板と右舷側に寄せられた上部構造物の形状がよく分かる(写真はいずれも3月18日、海自横須賀基地で) 飛行甲板の後部。細い白線で囲まれたエレベーターは、ローターを展張させたままのSH60哨戒ヘリを艦内に収容できる 飛行甲板下のヘリ格納庫。3000トン級の護衛艦がすっぽり入る広さで、整備用の各種作業車両も楽に収納できる 広い飛行甲板を一望のもとに見渡せる「航空管制室」。洋上の管制タワーとして複数のヘリ運用の中枢を担う 特大のモニターが設置された「多目的区画」。万一の際には3自衛隊の統合指揮所や洋上防災本部の機能を果たす 医務室内の手術区画。インターネットを通じ専門医から指示を受けながら手術する「遠隔医療システム」も完備 ヘリ運用から災派まで、多様な任務を担う「ひゅうが」の艦橋。各種モニターが多数設置されているのが特徴 海自護衛艦の艦名はこれまで気象・天象・山岳などから取られてきたが、「ひゅうが(日向)」には初めて宮崎県の旧国名が付与された。 旧海軍の航空戦艦「日向」(3万5200トン)は航空機を22機搭載できた戦艦で、大正12年の関東大震災では東京・品川で被災者の救助活動にも従事、太平洋戦争中は戦略輸送作戦「北号作戦」などで活躍した。 「ひゅうが」はこの“先代”の伝統を引き継ぎ、航空機運用能力と災害対処機能が格段に高められた護衛艦となっている。 全長197メートルの甲板上には四つのヘリ・スポットがあり、同時に4機の発着が可能。甲板下には航空機の整備格納庫があり、2基のエレベーターで短時間に航空機を昇降させることができる。 同艦は通常、SH60K哨戒ヘリを3機搭載するが、必要に応じSHなら最大11機の搭載が可能。さらにMCH101掃海・輸送ヘリをはじめ、陸・空自のCH47型大型輸送ヘリなども運用できる。 このため、上部構造物の後部には“洋上管制タワー”の役割を担う「航空管制室」が設けられ、ヘリの安全な飛行作業を可能にしている。艦内には「搭乗員待機室」もあり、クルーは大型モニター画面を見ながらブリーフィングを受けられるようになった。 ヘリ格納庫は護衛艦「はつゆき」型(3050トン)1隻がすっぽり収まる容積を持ち、ここには整備・補給用にクレーン車、高所作業車、フォークリフト、牽引車、電源車、消防車、甲板掃除車も搭載されている。国際緊急援助活動時には「高速輸送艦」として活用することもできそうだ。 航空機運用を最優先した設計となったため、艦砲や対艦ミサイルは装備せず、個艦としての対水上打撃力はないが、搭載するSH60Kヘリは魚雷、対潜爆弾のほか、対艦ミサイル「ヘルファイア」や機銃の搭載も可能で、搭載するヘリが母艦の能力を補うことになる。 「ひゅうが」の担うもう一つの機能が情報中枢艦としての役割だ。情報機器の完備された「多目的区画」はテニスコート大の広さがあり、正面には特大モニター3面、後方に大型モニター5面が設置され、防衛省や自衛艦隊司令部などとテレビ会議も行える。 ここには一度に100人が収容でき、3自衛隊の統合司令部のほか、大災害発生時には洋上防災本部としての機能を担う。 また、同区画は被災者の収容や治療活動も可能。同艦医務室には手術室もあり、医官が自衛隊中央病院の専門医からインターネットで指示を受けながら外科手術のできる「遠隔医療システム」も装備されている。 従来艦にない多様な機能を持つ「ひゅうが」について山田勝規艦長は、「本艦は自衛隊のあらゆる任務に対応できる。早く戦力化させて、国民の皆様の期待に応えたい」と抱負を語っている。