3月の朝雲ニュース

3/26日付

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日中防衛首脳会談
交流促進や対海賊情報交換
10項目の合意発表

 浜田防衛相は3月20、21の両日、中国・北京を訪問し、梁光烈国防相、呉邦国全国人民代表大会常務委員会委員長と相次いで会談、地域の安全保障情勢などで意見を交換、防衛交流をさらに活発化させることで一致するとともに、ハイレベル相互訪問の継続的な実施や政策部門間での意思疎通、ソマリア沖の海賊対策に関する情報交換など10項目について合意内容をまとめた「共同プレス発表」を公表した。
 梁国防相との会談で浜田防衛相は、中国の国防政策について、対外説明を増やして透明性向上に努めていることや、経済成長に伴って人件費を含めた国防費が増加することに理解を示した上で、国防予算の内訳や軍事力整備の現状などを具体的に情報公開することが地域の平和と安定、相互理解の促進の観点から重要と指摘、さらなる透明性の向上を求めた。
 一方、梁国防相は、地域の安全保障情勢が大きく変わってきているとして、金融危機やテロ、海賊問題、災害などを挙げて、「そうした事態に中国は国際協力を強化して共に取り組む必要がある」との考えを示した。日中の防衛交流については、昨年の胡錦涛主席との日中首脳会談で合意した戦略的互恵関係を深化する上で防衛交流は重要との認識を示し、過去2年間の交流の進展を評価した。
 その上で梁国防相は、ハイレベル交流の継続、政策対話、陸自と陸軍の部隊レベル交流などを提案。また、ソマリア沖での海賊対策では「中国は諸国と情報交換して平和と安定を守りたい。日本とはどのような協力ができるか事務レベルで協議できると考えている」と述べた。
 軍事費の問題については、「軍事費増加が懸念されているようだが、必要のない懸念。中国は防御的な政策を採っている」として、中国が装備面で立ち遅れていること、国防支出はこれまでも公表してきていること、中国は国土が広く、人も多いことなどを強調。
 また、浜田防衛相が中国の空母建造について発言したことに対し、梁国防相は「中国は広い海域があり海を守る責任も任務も重い。海軍はまだ力が弱く、発展する必要がある。世界の大国の中で空母を持っていないのは中国だけ」と述べた。
 呉邦国全人代常務委員長との会談では、浜田防衛相が北朝鮮のミサイル発射問題について「例え人工衛星であれ、わが国は発射された場合、国連安保理決議に違反するという立場」と述べ、中国が北朝鮮に自制を促すよう求めた。
 これに対し呉委員長は「朝鮮半島の平和と安定は、日中の共通の利益」と述べるとともに、「人工衛星の問題は関係諸国が冷静かつ適切に対応することが必要」と述べた。

日中防衛交流 共同プレス発表

 浜田・梁日中防衛相会談の「共同プレス発表」に盛り込まれた主要な交流の内容は次の通り。
 1 ハイレベル相互訪問を継続的に実施。梁光烈国防相の年内の訪日。
 2 年内に日中防衛当局間協議を東京で開催。
 3 同協議を基礎として政策部門の意思疎通を強化、PKO、自然災害対処、海賊対策等の共通課題を意見交換し、とくにソマリア沖アデン湾での海賊対策活動での情報交換等、可能な協力を推進。
 4 陸海空幕僚長の2009年度内の訪中。
 5 日中防衛当局間の海上連絡メカニズムを早期に確立するための協議を継続して実施。09年上半期に東京で第2回共同作業グループ協議を開催。
 6 艦艇の相互訪問を引き続き実施。中国海軍艦艇が年内に訪日。
 7 年度防衛交流計画の実行を推進する実務者レベル協議を強化。統幕を含む各軍種間の幕僚対話の実施を検討。
 8 人民解放軍大軍区と陸自方面隊間の交流実施を検討。
 9 各種枠組みにおける佐官級、尉官級交流を引き続き実施。
 10  中国国防大学、軍事科学院と防衛研究所、人民解放軍南京理工大学、大連艦艇学院等の院校と防衛大学校間の交流を推進し、研究、教育部門の交流強化。