防大卒業式で麻生首相「自らの防衛努力 重要」
53期445人ら巣立つ
防衛大学校(五百旗頭真校長、神奈川県横須賀市)の卒業式が3月22日、同校記念講堂で行われ、麻生首相をはじめ小泉元首相ら来賓、家族約1000人が出席、本科53期、理工学研究科前期課程46期、同後期課程6期、総合安全保障研究科11期の卒業生計約540人の門出を祝福した。麻生首相は訓示で「日本の平和と安定の確保には日米同盟のさらなる強化と、日本自身の防衛努力が極めて重要」と述べ、卒業生に対し「自衛官はわが国外交の重要な部分を担う“外交官”。日本の防衛と、国際社会の平和と安定は表裏一体をなすというグローバルな視点を常に忘れず任務に励んでほしい」と激励した。

麻生首相らが見守る中、壇上で五百旗頭校長から卒業証書を授与される防大53期生(3月22日、同校記念講堂で)
「深い教養を」 と岡本行夫氏
式典は午前10時すぎ開式、首相への栄誉礼と国歌斉唱に続いて五百旗頭校長が本科卒業生、研究科卒業生一人ひとりに卒業証書、修了証書を授与。木村孟大学評価・学位授与機構長が本科と研究科卒業生の各代表に学位記を授与した。
五百旗頭校長は式辞で、初代の槙校長が掲げた「広い視野、科学的思考、豊かな人間性」に触れ、「どんな職種であれ、その職種なしに日本の安全が成り立たないことを認識し、一つの場、一つの任務に全力を挙げて取り組む姿勢が大切。諸官が21世紀の困難な安全保障を立派に担うことを確信している」と述べた。
次いで麻生首相が登壇、「日本の独立と平和を守る上で国民が最後のよりどころとするのは防衛省・自衛隊。常に国民とともにあり国民を守り続けていくという自衛隊の原点を忘れず、困難を乗り越える勇気を持って任務を遂行してもらいたい」と訓示した。
浜田防衛相も「諸君がこれから歩む道は多くの課題や困難が待ち受けているが、それはわが国の安全と国民の安心のために崇高で世界平和に貢献するもの。今後も不断の精進を重ね、いかなる難局をも克服し得る精強な自衛隊を作り上げてほしい」と述べた。
来賓代表として外交評論家の岡本行夫氏が祝辞に立ち、「日本が自由民主主義国家で世界第2の経済大国という理由だけで重要な地位を占めた時代は終わった」と述べ、「深い教養と大きな視野で世界に通じる平衡感覚を持ち、不断に国際情勢に目を向け、日本のあり方に思いを馳せて時代の戦略を考えてほしい。新しい世界の中で国を守る皆さんの任務は圧倒的に重要。勇気を持って新しい時代に立ち向かってほしい」と激励した。
この後、本科の金沢佳也学生が答辞を述べ、学生歌を斉唱して式典を終了。引き続き任命・宣誓式が行われた。航空機の祝賀飛行は荒天のため中止となった。
今回の卒業生は本科53期が陸上要員197(うち女子12)、海上98(同6)、航空101(同10)、留学生14、非任官者35(同5)の計445人、理工学研究科前期は陸24(同5)、海12(同1)、空16(同1)、事務官等4、留学生5、民間1の計62(同7)人。同後期は陸2、空4、技官2、留学生2の計10人。総合安全保障研究科は陸8(同1)、海3(同1)、空4、事務官等1(1)、留学生2、他官庁等2の計20(同3)人。