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21年度防衛費 防空能力改善など質的向上に重点
4個飛行隊近代化など 歳出0.8%減の4兆7028億円

 政府は昨年末の12月24日、一般会計歳出総額88兆5480億円の平成21年度予算案を閣議決定した。防衛関係費は4兆7028億円で、前年度に比べ0・8%、398億円減(SACO経費、米軍再編経費地元負担軽減分を除く)となった。しかし20年度補正予算案で計600億円が認められたため、減額幅では前年度より縮まった。主な項目では防衛参事官制度の廃止や防衛会議(仮称)の法律上の新設、大臣補佐官(同)の新設など政策決定機構の充実を図る組織改革をはじめ、F15戦闘機の近代化改修、21年度に態勢が整うBMDシステムの総合検証の開始や宇宙基本法の施行に伴う安全保障面での調査研究、ゲリラ・特殊部隊への対処として無人偵察機(UAV)導入、情報科職種の新設などの新規事業が要求通り盛り込まれた。一方、在日米軍再編関係経費は602億円で、うち在沖米海兵隊のグアム移転で政府支出分346億円が計上され、事業が実施に移される。

BMDを総合検証 陸『情報科」職種を新設


 21年度予算編成は、従来の事務レベル、次官折衝、大臣の復活折衝という方式とは異なり、20日の内示前に財務相と各省庁の閣僚折衝であらかた決着。復活折衝は与党を窓口に各省庁が復活要求重点事項を財務省に提出、首相が配分を決める重要課題推進枠3300億円から各省庁の施策に配分された。
 防衛省は隊舎等の整備を重点事項として要求し、歳出1億4700万円、契約ベースで61億6400万円が復活した。
 21年度防衛関係費の内訳は人件・糧食費が2兆773億円、物件費が2兆6255億円で、うち歳出化経費が1兆6911億円、一般物件費が9344億円となっている。新規後年度負担は1兆6990億円。このほか別枠でSACO関係経費112億円、米軍再編関係経費602億円がある。
 組織改革を除く主要項目では、防衛力の質的向上を図るため、防空能力の改善としてF15戦闘機の近代化改修に891億8200万円。4個飛行隊の近代化改修機を早期に完成させるため22機の改修に加え、38機分のレーダー部品を調達する。警戒監視能力の向上では早期警戒管制機の搭載レーダー・システムの改修に66億200万円。レーダー覆域の延伸とF15近代化機との連携で巡航ミサイルへの対処能力を向上させる。将来的な技術確保では先進技術実証機の機体製作に85億1200万円。
 国際平和協力活動の体制強化には169億9300万円を計上、傷病者空輸のための器材整備など装備品の改善・充実と教育・広報体制の充実を図る。
 新たな脅威や多様な事態等への対応では、弾道ミサイル防衛に1111億9900万円。21年度に自動警戒管制システム(JADGE)と地上警戒管制レーダー(FPS5)の運用開始を踏まえ、BMDシステム全体の総合検証を開始する。
 テロ・ゲリラ、特殊部隊の攻撃への対応には953億8300万円が認められ、偵察用小型無人機(UAV)の導入など情報収集能力の向上を図る。
 宇宙利用・海洋安全への取り組みには632億8100万円を充当し、宇宙開発利用の調査研究体制を充実、技本先進技術センターに宇宙技術計画室(仮称)を新設、衛星利用の統合防空システムのシミュレーション研究に着手する。海洋安全確保のための各種装備品整備には1780億5100万円。
 このほか部隊改編では、1混団の15旅団への改編、9師団をゲリラ・特殊部隊への対処を重視した師団に改編、14旅団を改編して14飛行隊を新編。また、情報機能の強化として陸自の普通科職種と並ぶ「情報科」職種を新設する。総人件費改革への取り組みでは、防医大の22年4月からの独法化が先送りとなった。
 米軍再編事業には602億円を計上。在沖米海兵隊のグアム移転のための事業室設置のほか、政府支出の「真水」事業に342億800万円、在日米軍駐留経費は4398億8500万円などとなっている。