SM3発射試験
迎撃失敗、日米で原因分析
ハワイ沖で「ちょうかい」
標的の弾道ミサイルに向けて海自イージス艦「ちょうかい」から発射されたSM3ミサイル(11月20日、ハワイ・カウアイ島沖で)
海自として2回目となるSM3ミサイル発射試験がイージス艦「ちょうかい」(7250トン、艦長・山本克也1佐以下乗員約290人)によって11月20日(現地時間19日)、ハワイ・カウアイ島沖で行われ、ミッドコース段階を飛翔する標的ミサイルの探知・識別・追尾と、それに続くSM3の発射・目標捕捉・最終段階までの誘導は順調に行われたが、標的には命中しなかった。原因について現在、日米間で詳細な分析を行っている。
今回、弾道ミサイル防衛(BMD)整備の一環として実射試験に臨んだのは2護群6護隊(佐世保)所属の「ちょうかい」。昨年12月、初のSM3実射で迎撃に成功した1護群(横須賀)の「こんごう」に続くもので、「ちょうかい」は米国の施設でBMD機能を付加する改修工事を終えた後、SM3の実弾を搭載し、カウアイ島沖での実射試験に臨んだ。
今回は昨年と異なり、事前に標的の発射時間が知らされないという、より実戦に近い形式で行われた。
海幕の武居智久防衛部長や米ミサイル防衛庁の幹部らが見守るなか、20日午前11時21分(現地時間19日午後4時21分)、標的がカウアイ島から発射され、沖合いを航行中の「ちょうかい」が飛翔する弾道ミサイルをミッドコース段階で探知、直ちに識別・追尾を行い、約3分後、前甲板の垂直発射機からSM3を発射した。SM3は目標を捕捉し、標的を直撃するコースで飛翔したが、大気圏外での弾頭破壊には失敗した。
これについて赤星海幕長は25日の定例会見で、「『ちょうかい』のBMDシステムおよび乗員ら人的不具合によるミスはなかった。原因は今後、日米間で詳細な分析が行われるが、それが完了するまでにはしばらく時間がかかると思う」と述べた。
今回の「ちょうかい」へのBMD能力付加により、海自BMD艦は2隻態勢に拡大、また、空自もターミナル段階で迎撃を担うPAC3の整備を1高射群(司令部・入間)が推進している。今後、海自はイージス艦4隻体制のBMD化を進めるとともに、命中精度を高めるための施策も推進する。
増田事務次官は20日の会見で、「システムの信頼性は十分にあり、ミサイル防衛システムの整備のスケジュール等に影響を与えることはない」と述べ、斎藤統幕長も同日、「迎撃は失敗したが、全体としては探知や追尾もよく成されており、成果はあった」と語った。