11月の朝雲ニュース

11/27日付

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米海兵隊のグアム移転経費
「別建て」折衝難航
財務省認めず

 防衛省は米軍再編の主要事業である在沖米海兵隊のグアム移転施設整備に来年度から本格的に取り組むため、財務省に対し予算の「別建て」か「上乗せ」を求めているが、財務省側は米軍再編経費といえども防衛経費の中で処理すべきとの姿勢をとっており、厳しい折衝が続いている。防衛省は「米軍再編は日米両政府の取り決めに基づく事業であり、既存の防衛力整備経費とは性格が違う。再編経費は別建てとするのが至当」(防政局)との考え方だが、財務省の姿勢は堅く、先行きは不透明だ。必要な予算が確保できずグアム移転が遅れれば2014年米軍再編完了の日米合意が崩れ、信頼関係に悪影響を及ぼすことになりかねないだけに、財務、防衛両省の攻防は正念場を迎えている。
 在日米軍再編に絡む主要な事業は、普天間飛行場のキャンプ・シュワブへの移設、在沖米海兵隊のグアム移転、空母艦載機の岩国基地への移駐、嘉手納飛行場以南の土地の返還などがある。防衛省はこのうち在沖海兵隊のグアム移転を21年度からの新規事業として計画、初年度の予算要求を約370億円と見積もっていた。
 同計画は平成18年5月の日米安全保障協議委員会で合意したロードマップに基づき平成26(2014)年までにグアム移転を完了するというもので、日本側が司令部庁舎、教場、隊舎、学校など生活関連施設の建設を政府支出のいわゆる「真水」事業で実施する。
 このほか政府と民間が共同出資して事業主体を設立して行う家族住宅の建設やインフラ整備があり、総額で60・9億ドル(約6700億円)を日本側が負担する。
 真水事業は28億ドル(約3080億円)を上限としており、21年度から事業に着手すると、6年間に毎年500億円程度の予算化が必要になる。
 防衛省は21年度概算要求で移転経費を正式には盛り込まず、370億円を「仮置き」として年末までの財務省との折衝で「上乗せ」する予定でいた。しかし、折衝の中で財務省は18年7月に閣議決定された経済財政運営基本方針の「防衛関係費は今後5年間、人件費を含む予算について名目伸び率ゼロ以下の水準とする」を盾に、防衛費全体を前年度以下に削り込む構えで、言外に「さらなる人員削減」を要求。
 防衛省の21年度概算要求は対前年度比2・2%増の約4兆8500億円で、20年度に比べ金額では約1000億円の増。これは平成14年度の伸び率0%、4兆9392億円をピークに6年連続でマイナスを続け、金額で約2000億円削減されたものの、拡大する自衛隊の役割や部隊運用経費の増大で、結果として積み上げ額が約1000億円増となったものだ。
 こうした中で移転経費を抱え込めば訓練をはじめ組織維持にも影響することは必至。このため防衛省は、日米合意に基づく移転経費はなんとか「別建て」もしくは「上乗せ」措置によって事業の進展を図りたい考えで、財務省と折衝を続けている。しかし、財務省側は防衛費全体を削り込む姿勢を崩していないため、両省の攻防は目下、暗礁に乗り上げた格好だ。