東北方が大規模防災訓練
官民1万6千人参加
宮城県沖地震に備えた東北方初の大規模実動訓練で、警察・消防と協力して津波で大量に押し寄せた木材を取り除き被災者を捜索する9高特大隊員(10月31日、岩手・釜石市の平田埋立地で)
陸自東北方(宗像久男総監)の平成20年度方面震災対処訓練「みちのくALERT2008」が10月31、11月1日の両日、宮城・岩手両県下で行われた。(関連記事は3面)
30年以内の発生確率が99%(文科省・地震調査研究推進本部長期評価)と予想される宮城県沖地震への総合対処能力向上を目的とした方面初の防災実動訓練で、東北6県の6、9師団など方面隷下全部隊と即応集団(朝霞)、12ヘリ隊(相馬原)など陸自の他方面隊、海・空自、統幕の計約9840人と車両約2110両、航空機37、艦船2が参加した。
訓練は31日早朝、「宮城県沖を震源とするM8・0の地震が発生し、仙台市等で震度6強を観測。三陸沿岸部に津波が襲来し死傷・被災者多数発生」の想定で開始。参加諸部隊は情報収集から部隊展開、人命救助、民生支援まで一連の部隊行動を宮古市、釜石市、気仙沼市、南三陸町など沿岸部を中心とした2県の78カ所で2日間にわたって演練した。
今回、新たな試みとして(1)自衛隊のテレビ会議システムを使った方面総監(仙台)、6師団長(多賀城)、9師団長(岩手・遠野総合運動公園)、宮城、岩手県知事(各県庁)との同時テレビ会議の実施(2)各機関のヘリが撮影した伝送映像の集約と共有(3)生存者の呼吸に反応する電磁波生存者探査装置(民生品)を使った人命救助の検証(4)GPS携帯とインターネット端末による部隊位置の表示(5)共通地図ソフトの活用ーが行われたほか、「模擬記者」を派出して現場での報道対応も訓練に加えられた。
期間中、22市町の各自治体、住民をはじめ、東北防衛局、国交省東北地方整備局、第2管区海上保安本部、両県警・消防、日赤各支部、災害派遣医療チーム(DMAT)、日本救助犬協会、NTT東日本、東北電力など35機関の人員約5910人も車両約180、航空機6、艦船5とともに参加し、自衛隊と共同で負傷者や孤立住民の救出・輸送、炊き出しなどを行った。
総参加規模は人員約1万6000人、車両約2290両、航空機43機、艦船7隻で、自衛隊関係だけでも平成3年8月に北海道で行われた「ビッグレスキュー」の約4400人を大きく上回る自衛隊最大級の防災訓練となった。