プロ管隊員・佐藤多江子2尉
世界的なセキュリティー管理者資格を取得
空自から2人目
「非常に心強く、誇り」と上司
空自唯一の兵器システムに関するソフトウエア専任部隊・航空総隊プログラム管理隊(隊司令・鎌田成俊1空佐、入間)勤務の佐藤多江子2空尉(38)=第1プログラム隊=がこのほど、「セキュリティプロフェッショナル認定資格制度(CISSP)」の国内1000人目の取得者に認定された。CISSPは米国のNPOが認定するIT分野の情報保全関連の国際的な資格で、空自では同僚の斉藤貴史2空尉(33)に続いて2人目の有資格者となった。

「CISSP」取得までの苦労などを話す空自プロ管隊の佐藤(右)、斉藤両2空尉(9月17日、空自入間基地で)
同僚斉藤2尉に続く
佐藤2空尉がCISSP認定試験の合格を知ったのは7月9日。帰宅後、夫の剛さん(58)=空自OB=から「米国からメールが来ている」と言われパソコンに駆け寄った。資格認定団体からの合格通知だった。「かなり、うれしかったですね」と笑顔で話す。
同2尉が勤務する第1プログラム隊はCOTS(汎用品のハード・ソフト類)を使った指揮システムを構築する機会の増加から、想定されるサイバー上の脅威に対抗するセキュリティー技術の研究を任務のひとつとする部隊。平成15年から同隊に勤務する佐藤2尉は同僚たちと手探りの研究を続ける中、自分に足りないのは実際に事象が発生した際の対応経験だと感じるようになり、知識を得るため部外の研修セミナーなどに多数参加。たまたまある会場でCISSP資格の存在を知った。
CISSPは情報セキュリティーについて高度で包括的な知識・技能を持つ専門家であることを認定する国際標準のひとつともいえる資格制度で、国防総省や国土安全保障省などの米国政府機関で雇用や昇任の基準に採用している。
認定試験はアクセス制御、暗号学、関係法令など10分野に関する250の設問に答え、700点以上(1000点満点)の得点と5年以上の関連業務経験や資格保持者からの推せんなどが必要。合格後も3年間で120単位以上の教育単位を取得しないと認定は継続されない。
問題集など一切なし
「情報セキュリティーの第一線で働く部外の人たちに比べ、自分の能力がどれほどのものか確認してみたかった」と、今年3月に受験を決めた。しかし、過去の問題集など一切なく、これまで受けたセミナーの内容を総まとめし、6月末の試験本番を迎えた。同隊ではすでに同僚の斉藤2尉が4月に同資格を取得していたが、試験に関する内容は規定で口外が一切禁止されており、斉藤2尉も励ますしかなかった。佐藤2尉は「6時間もある試験は受けるだけで疲労困ぱい。まったく手ごたえもなかったので、合格が信じられなかった」と声を弾ませる。
自衛隊では4人目
CISSPの防衛省・自衛隊関係の有資格者(9月8日現在)は4人で、うち2人が佐藤、斉藤両2尉だ。
佐藤2尉は山口県出身。海上航空学生のいとこから自衛隊の魅力を聞き、「米国の大学に進学することも考えた末」平成4年に2空士で入隊。美保、府中各基地で地上無線整備員、飛行管理員で勤務するうち、次第に勤務の面白さに目覚め、幹部自衛官への昇任を果たした。
斉藤2尉は一般曹候補生で平成5年に入隊後、航空中央業務隊で給与計算のプログラム入れ替えなどに約7年従事、業務が性に合っていたこともあり、プログラム幹部を志望、今回の資格取得につながった。佐藤2尉は「国防に不可欠なシステムに直接携われるのは誇りに思う」、斉藤2尉も「戦闘組織である空自の根幹システムに携われるのが最大の魅力」と、2人とも現職に生きがいを感じているようだ。
今回の“ダブル取得”に隊司令の鎌田成俊1空佐は「当部隊はバッジシステムとそれに連接するシステム全体の運用プログラムをマネジメントしているが、近年システムのネットワーク化が高度に進み、セキュリティーの問題は切り離せなくなっている。非常に心強く、誇りに思う」と話している。