8月の朝雲ニュース

8/28日付

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富士総火演
雨中、機甲部隊が突撃
各職種協同の戦闘を展示
初公開 狙撃銃の的中に嘆声



陸自恒例の夏の公開展示訓練「富士総合火力演習」が8月24日、静岡・東富士演習場畑岡地区で行われた。大雨にもかかわらず約2万人の見学者がスタンドを埋め、国内最大規模の実弾射撃訓練を見守った(写真はいずれも8月24日、静岡・東富士演習場畑岡地区で)


諸職種協同の戦闘展示で、戦果拡張の後、煙幕弾を一斉発射して攻撃を締めくくる陸自90式戦車


戦闘展示の序盤でUH1多用途ヘリから地上に下り、偵察用オートバイで素早く目標地点に向かう隊員


へリボーン攻撃でCH47J輸送へリから次々とリペリング降下し、要点確保に向かう隊員


主要装備品を紹介する場面で、82式指揮通信車に乗り機関銃を構えながら演習地域に進入する隊員


敵陣への強行突破を前に障害処理に当たる92式地雷原処理車(前方)と、支援射撃を行う74式戦車

陸自機甲部隊を中核にした国内最大の実弾射撃訓練「平成20年度富士総合火力演習」が8月24日、静岡県御殿場市の東富士演習場畑岡地区で行われた。
雨にもかかわらず、一般公募・招待者ら約2万人が見学。林防衛相をはじめ斎藤統幕長、折木陸幕長ら防衛省・自衛隊の首脳陣をはじめ、衆参国会議員や政府関係者ら多数が訪れ、戦車・装甲車や火砲、航空機を駆使した現代戦の様相を視察した。
演習には富士教導団、中央即応集団など隊員約2400人、戦車など車両約475両、火砲約40門、航空機約20機が参加。前段では99式自走155ミリ榴弾砲、81ミリ迫撃砲、74、90式戦車、89式装甲戦闘車、01式軽対戦車誘導弾などが数百メートルから数キロ離れた目標に砲弾や対戦車ミサイルを次々と発射、命中のたびに会場から大きなどよめきが起きた。
この演習で初めて公開された対人狙撃銃の射撃展示では、狙撃銃を構えた隊員2人が約500メートル離れた人型の標的を相次いで撃ち抜き、スタンドからは「すごい」「見事だ」と感嘆の声が上がった。
雨で視界不良のため、予定されていた空自F2戦闘機の飛行と空挺部隊の自由・集団降下は中止された。
休憩時間には富士学校と東方、1師団の合同音楽隊と1特科隊の「大砲コンサート」を実施。「攻撃」の演奏に合わせて礼砲を発射、大砲の轟音と楽器の音色の絶妙なコラボレーションに見学者から拍手が沸き起こった。
午前11時25分から各職種協同の戦闘様相を展示する後段を開始。OH1観測ヘリがダイナミックな航空偵察を披露後、UH1多用途ヘリで空輸したオートバイが地上で偵察活動を開始。AH1Sヘリ2機が援護射撃を行う中、UH60JA多用途ヘリ2機とCH47J輸送ヘリ1機から隊員がリペリング降下して要点を確保すると、特科部隊や戦車の火力支援を受けた87式偵察警戒車が敵陣を強行突破。敵の逆襲を防ぐためUH1ヘリから対戦車地雷を散布する障害物構成も行われ、最後は90式戦車などの機甲部隊が突撃、戦果を拡張して演習を終了した。
終了後、降り続く雨の中、大勢の見学者は会場内に展示された90式戦車、AH64Dアパッチヘリ、89式装甲戦闘車などを囲み、さかんに写真を撮っていた。
家族で来ていた横浜市神奈川区の会社員、小森輝雄さん(36)は「子供たちに自衛隊の役割を実感してほしいと思って連れてきた。雨がひどくて非常に残念だった。今度は天気のよい日に見学したい」。この日、総火演を初めて見学したという長野市の無職男性(69)は「雨にもかかわらず頑張っている若い隊員たちを見て心を動かされた。災害派遣などで活躍している自衛隊を頼もしく思う。これからも国民のために頑張ってほしい」と話していた。