8月の朝雲ニュース

8/7日付

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お疲れさま「しらせ」
南極観測支援25年
横須賀で自衛艦旗を返納


自衛艦旗返納行事で「君が代」が奏される中、艦尾の自衛艦旗が乗員によって静かに降ろされた(7月30日、海自横須賀基地で)


整列した「しらせ」乗組員の前で、自衛艦旗を半田総監に返納する品川艦長

わが国の南極地域観測を支援してきた海自砕氷艦「しらせ」(品川隆艦長、1万1600トン)の自衛艦旗返納行事が7月30日、海自横須賀基地で行われた。式典では、歴代の艦長や来賓らが見守る中、乗員の手で艦尾に掲げられていた自衛艦旗が降ろされ、艦長以下約100人が下船、折りたたまれた自衛艦旗が品川艦長から半田謙次郎横須賀総監に戻され、「しらせ」は25年にわたった砕氷艦の任務にピリオドを打った。今後の南極地域観測支援は来年就役する2代目「しらせ」が引き継ぐ。

航行距離90万キロ
2万4千トン運ぶ

半田総監は訓示で、「25年にわたり、南極観測隊員や物資を輸送、さらに屋外観測や基地発展の作業支援等の業務を無事故で完遂し、国家事業である南極地域観測事業の発展に大きく貢献してきた」と述べて「しらせ」の功績をたたえるとともに、「最後の乗員として勤務した諸官には『しらせ』の輝かしい伝統を見事に引き継ぎ、有終の美を飾ったことに敬意を表する」と品川艦長以下の乗員をねぎらった。
この後、「しらせ」に搭載され、南極観測の人員・物資輸送などを担ってきたS61Aヘリが「しらせ」に別れを告げるかのように上空を旋回、乗員が帽振れで見送った。
「しらせ」は「宗谷」「ふじ」に続く3代目の砕氷艦として昭和57年就役。以来、計25回におよぶ南極地域観測協力に従事。輸送業務などを通じて観測拠点の開設に大きな役割を果たしたほか、平成10年には厚い氷に阻まれ航行できなくなったオーストラリアの観測船「オーロラ・オーストラリス」を救出。昨年度は南極海で、スペイン漁船の急病人を診察するなどの実績を重ねた。
これまでの25回の観測支援では計約90万キロを航行、生活物資や観測器材など約2万4000トン、観測隊員約1400人を運び、日本の南極観測活動に大きく貢献した。
今後、「しらせ」の船体部分は払い下げられる予定で、現在、事業所など4団体が名乗りを上げている。

「アイス・シーマンシップ」発揮できた
初代艦長・佐藤保元将補
就役から除籍までの25年間、事故もなく任務を無事完遂できたのは、歴代の乗組員が「アイス・シーマンシップ」を遺憾なく発揮したからだと思う。「しらせ」本当にお疲れさま。「ハッピー リタイアメント サンキュー ベリマッチ」と言ってあげたい。

「2代目」も経験を引き継いでほしい
6代目艦長・久松武宏元1佐

自衛艦旗が降ろされるのを見た時、最初の航海で当直長として艦橋に立ち、「しらせ」が初めて厚い氷を割った“ファースト・キス”が走馬灯のように思い出された。2代目「しらせ」でも、歴代乗組員の経験とノウハウを引き継ぎ、南極観測支援を支えてほしい。

安心できる船だった除籍は名残惜しい
9代目艦長・茂原清二元1佐

船務長から艦長まで「しらせ」で計8回南極に行っているので除籍は名残惜しい。先代の砕氷艦「ふじ」より力強く、安心できる船だった。船内もアットホームな雰囲気で、乗組員たちがお互いに足りないところを補って困難な任務を遂行してきたことが印象深い。