再発防止対策会議
「不祥事の教訓、共有を」
識者から厳しい指摘
防衛省は7月28日、第5回「事件・事故の再発防止・抜本的対策検討会議」(議長・石破大臣)を開き、軍事アナリストの小川和久氏と作家の杉山隆男氏からそれぞれ意見を聞いた。
著書『兵士に聞け』などの取材で自衛隊に詳しい杉山氏は、「今回のさまざまな不祥事は防衛省にとって一種の敗戦、戦わずして敗れた。過去の不祥事の戦訓が生かされていない。護衛艦『あたご』の事故は信じられないものだ。『なだしお』の教訓を知ろうともしなかったのではないか」と指摘。実際に潜水艦に1週間同乗した経験などから、潜水艦乗員が「なだしお」事故を教訓として法律上の義務を超えて安全航行に注意を払っていたことを紹介。
また、防衛省の人的検討委員会の委員として全国の部隊を視察した印象を「不祥事の原因、対策というものを各現場は考えているが、共有されていない。陸海空の垣根を越えた共有が非常に乏しい印象。ネットワークの時代であり、共有化はいくらでもできる。ぜひやるべき」と述べた。
小川氏は、前提として「自衛隊は即応能力がかなり欠落している。これを改善する努力が根本として大事」と強調。不祥事の再発防止について、常在戦場の意識の必要性や危機管理組織としての基本動作を常にチェック、洗い出された問題点に対し弥縫策に終始するのではなく徹底する必要などを挙げ、「組織論は大事だが、こうした取り組み抜きに組織論を語っても限界がある」と述べた。
また、具体例について触れ、守屋事案などでは次官に護衛をつけていれば逸脱行為は起こりにくかったこと、「しらね」の火災では、戦闘中に起こっても火を消せないのでは負けであり、基本動作ができていない象徴−−などと厳しく指摘した。
事件・事故の発生後の対応では、「広報や募集、援護は防衛省・自衛隊にとって平時の第一線という位置づけで人を投入し、思想をもって組織・人事を組み立てていく必要がある」などと述べた。