東京でシーパワーダイアローグ
海洋安全保障めぐり日米の研究者ら討議
海洋秩序に関する諸問題を話し合う国際会議「第2回・日米シーパワーダイアローグ」が7月22、23日の両日、東京・芝の東京プリンスホテルで開催された。昨年、日米両国で海洋基本法、新海洋戦略がそれぞれ発表されたのを背景に、両国の有識者が資源開発や環境保全、安全保障などの海洋問題を民間レベルで討議して共同宣言にまとめ、日米の協力・同盟関係強化に役立てようと海洋政策研究財団(秋山昌廣会長)が主催した。全3回の予定で、第1回は今年3月、米ワシントンで開かれている。
今回の会議には柳井俊二(国際海洋法裁判所判事)、ジェームス・E・アワー(ヴァンダービルト大・日米研究協力センター所長)氏など日米の研究者ら約60人が参加。「海洋の開発と管理」「海洋の治安と防衛」の2テーマについて分科会で討議し、集約された意見の概要が23日夕のオープンフォーラムで公開された。
フォーラムの冒頭、秋山会長が、「日米両国は海洋国家同盟として21世紀のシーパワーを確立し、諸問題解決のためリーダーシップを発揮して新たな海洋秩序構築に向けて進むべき」とあいさつした。
続いて村田晃嗣同志社大教授(安全保障政策論)が今回の討議の意義と成果を説明し、「海洋の乱開発と環境悪化を前に、日米が海洋文化を守り環境保全に努める『品性』をどう保ち高めるか、海賊問題、PSIなど治安と防衛の連携、それらをめぐる日米の政策統合など、拡散しがちな多様な関心を今後どのように統合していくかが重要」と述べた。
この後、在日米海軍司令官のジェームズ・D・ケリー海軍少将が基調講演を行い、マラッカ海峡などシーレーンの重要性、アジア・太平洋地域での第7艦隊の展開例などを示しながら、「航行の自由を守るため海自、米海軍の艦艇が目に見える形で存在するのが同盟関係と関与の能力を知らせるシグナル」と述べた。
続いてアワー氏の司会でパネルディスカッションが行われ、阿川尚之教授(慶大総合政策学部長)、マイケル・オースリン博士(AEI=米国シンクタンク)、柳井氏がそれぞれ会議の感想を述べた。
終了後、別室でレセプションが開かれ、来賓の中川秀直衆院議員(自民党・元党幹事長)があいさつし、海洋基本法成立に関する日本財団(笹川陽平会長)と同研究財団の尽力に触れた後、「米国は海軍力と海外経済市場ネットワークを展開する世界最大の海洋国家であり、日本は高い海洋科学技術力と海外市場を持つ海洋立国。海洋で生じている諸問題の解決には日米が共同でリーダーシップを発揮すべきで、本会合は日米同盟の再構築を導く可能性を有している」と述べた。