7月の朝雲ニュース

7/17日付

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空自の女性救難ヘリパイロット描く映画「空へ〜救いの翼〜」
高山侑子さん主役に抜擢
MU2墜落で殉職した故・高山曹長の長女

平成17年のMU2救難捜索機の墜落事故で殉職した新潟救難隊の故・高山和士空曹長(当時37)の長女で、昨年女優デビューした侑子さん(15)がこのほど、空自の女性救難ヘリパイロットを描く角川映画「空へ〜救いの翼〜」(手塚昌明監督、今年12月公開予定)の主役に抜擢された。侑子さんは現在、石川県の小松基地で共演の三浦友和さんや木村佳乃さんらと撮影に臨んでおり、7月12日、同基地で行われた記者会見で「これもひとつの運命。映画を通じて父の仕事、自衛隊の仕事を多くの人に分かってもらえたら」と意気込みを語った。


角川映画「空へ〜救いの翼〜」のクランクインで会見、UH60J救難ヘリの前でポーズを取る高山侑子さん(左から3人目)ら(7月12日、小松基地で)

同映画は空自と海自の全面協力の下、空自の女性救難ヘリパイロットの成長ぶりを描く物語で、小松救難隊を舞台に8月下旬までロケが続けられる。原作はバンダイビジュアルのアニメ「よみがえる空−RESCUE WINGS」だが、映画化にあたって大幅にストーリーが書き換えられた。
空自には輸送機などを中心に現在、15人の女性パイロットがいるが、救難ヘリパイロットはまだ誕生していない。高山さんが演じるのは、そんな“女性初”となる救難ヘリパイロットの主人公、川島遥風(はるか)3尉だ。救難隊長の菊田靖雄2佐役に三浦友和さん、飛行班長の鷹栖美那3佐役に木村佳乃さん、海自護衛艦の艦長役に中村雅俊さんらベテラン陣が脇を固め、さまざまな人間模様を描く。
クランクインから6日目を迎えた7月12日。小松救難隊のエプロン地区には地元メディアや在京スポーツ紙の記者やカメラマンなど約20人が集まった。強い照り返しの中、“出演機”となる迷彩塗装のUH60J救難ヘリ87号機が駐機し、パイロットスーツに身を包んだ高山さんをはじめ、三浦さん、木村さん、井坂俊哉さん、渡辺大さんの出演者が機体をバックに勢ぞろいした。
さっそくこれまでの感想を聞かれた高山さんは緊張からか、「ヘリの乗り方、降り方が難しい」とはにかんで言葉を詰まらせたが、三浦さんがマイクを取って「まだ15歳なんですみません」と会場を笑わせながら、「小松基地と浜松基地の方々の心からのご協力、ご指導に感謝。“映画に協力してよかった”と皆さんに思っていただける作品にしたい」とあいさつした。
高山さんについての印象は、「ヘルメットをかぶったフル装備の彼女を見てとても凛々しく、女の人がこんな風に見えるんだと思った」(三浦さん)、「芯の強さが見えた」(木村さん)、「オンオフの切り替えがすごい」(井坂さん)、「周りに気を遣って頑張っている」(渡辺さん)。
高山さんは実年齢より8歳年上の役にチャレンジするが、本人も「よく年上に見られる」と話す通り、周囲の不安を吹き飛ばすようにはつらつと撮影をこなしている様子。手塚監督は「緊迫感、迫力とともにハートフルな映画になると思う」と意欲をのぞかせた。
救難員(メディック)だった父の和士さんは、平成16年の新潟・福島豪雨で災害派遣され、ホイストで洪水の中に飛び込み、窓から屋内に入るなどして被災者を救出、新潟県中越地震でも命がけで被災者の救助に当たった。そんな父親の姿をビデオで見て育ったという侑子さん。「人を助ける仕事を誇りに思っていた父。その父が救難任務で使っていた形見のカラビナを身につけて撮影に臨んでいます。人命救助という尊い仕事を多くの人に知ってもらえたら」と決意を述べた。
会見後、出演者は石野小松基地司令、飯田空幕総務部長らと共に記念撮影を行い、小松救難隊長の原田豊1佐は「救難隊の任務を広くPRできれば」と期待を寄せていた。