宇宙基本法の成立
安全保障分野の利用“解禁”で
早期警戒衛星に道
防衛分野の宇宙利用に道を開く「宇宙基本法案」が今国会で成立、8月にも施行される。昭和44年5月に衆議院の宇宙開発・利用の基本に関する決議で、宇宙開発は「平和目的に限り」とした、いわゆる「非軍事」とされていらい安全保障分野での宇宙利用が堅く閉ざされたままだったが、議員立法による同法の成立は、防衛省が進める弾道ミサイル防衛システムの整備にも少なからず影響するだけに、今後の体制整備が注目される。
同法は宇宙開発利用に関する施策の総合的、計画的な推進が目的。基本理念として条約や国際約束に従い、憲法の平和主義の理念に則って国際社会の平和と安全の確保、わが国の安全に資することなどを規定。その上で、安全保障分野での宇宙開発の推進をうたっている。
このため、内閣に宇宙開発戦略本部(本部長・首相)を設置するとともに宇宙基本計画を作成、同計画に基づいて総合的に宇宙開発政策を推進する。
宇宙戦略本部は副本部長に官房長官のほか、宇宙開発担当大臣を置き、本部員にはすべての国務大臣を充てる。事務処理は当初、内閣官房で行うが、法律の施行後1年を目途に内閣府に移し、法施行後2年以内を目途に、宇宙活動の規制などに関する法制を整備する。
一方、防衛分野での利用については、「科学技術の水準や国際情勢などに照らしてその都度判断するべきもの」(提案者の一人、河村建夫衆院議員・自民)、「今後は専守防衛の範囲内で防衛目的の宇宙開発利用が可能となる」(桜田義孝議員・自民)など、早期警戒衛星を導入する場合でも同法との関係では可能との考え方が大勢だ。
このほか、国際緊急援助隊や自衛隊の国際協力活動のための専用の通信衛星保有なども可能になるものとみられる。