防衛省、10年ぶり意識調査
「セクハラの認識浸透」
防止教育が効果
防衛省は4月21日、セクシュアル・ハラスメント(セクハラ=性的嫌がらせ)防止に係る防衛省・自衛隊での意識調査の結果を公表した。昨年4月にセクハラ防止に関する雇用主の義務規定を強化した改正男女雇用機会均等法等が施行されたのを受け、同8月に男女計2000人を対象にアンケート方式で実施したもので、平成10年6月に次いで2回目の調査。それによると、カラオケでのデュエット強要などが「セクハラ行為」とする回答が前回調査より大幅に増え、男女ともにセクハラに対する認識が高まったことを示したほか、性的関係の強要、性的なからかい等を受けたとする回答が前回の2分の1以下に減少、セクハラ防止教育の効果が浸透していることも分かった。ただ、被害の相談窓口を利用した人は少なく、信頼できる相談制度の確立が課題となっていることをうかがわせている。
セクハラ行為は10年前の半分に
調査は、内局、陸海空自衛隊、施設庁、防大など各機関別に無作為に抽出した男女各1000人ずつ計2000人を対象として実施、1996人が回答した。
調査項目は、「どのような行為を受けた場合にセクハラと思うか」「セクハラを受けた行為はどのようなものがあるか」など18項目(前回13項目)で、いずれも選択式とした。
前回調査では「自衛隊においてセクハラと思う状況・行為等は何か」など、自衛隊特有の質問が盛り込まれていたが、今回はセクハラ行為の一般的な質問と、11年4月の訓令施行後のセクハラ防止対策や相談制度の認知度などを探る質問に主眼が置かれた。
「どのような行為をセクハラと思うか」との質問には、ほとんどの女性が「性的関係の強要」98・1%、「性的内容の電話・手紙等」97・3%、「性的な噂を流す」90・9%、「わざとさわる」90・7%など、性的欲求に根ざした行為を挙げている。これは前回と同じ傾向で、男も同じ項目の順で挙げている。
「職場で受けたセクハラ行為」では、「容姿・年齢・結婚等を話題」とするものが29・9%(前回58・9%)ともっとも多く、「他人がセクハラを受けるのを見て不快」が25・4%(同55・8%)、「性的からかい・冗談等」が23・9%(同64・4%)、「お酌の強要」が20・3%(同59・8%)と、軒並み前回調査の数値を半減させており、それだけセクハラ行為が職場で減っていることをうかがわせている。しかし、「性的関係の強要」は3・4%(同18・7%)、「性的内容の電話・手紙等」が7%(同21%)と数は減っているものの、悪質なセクハラが依然存在している。
これらの行為を受けた際の「最終的にとった対応は何か」との質問には、「消極的な行動」が74%(同73%)で、具体的には「結果的に受け入れた」「無視した」「軽く受け流した」「行為者(達)を避けた」というように職場への気兼ねが働く傾向がみられた。
逆に「積極的な行動」をとった人は20%(同24%)で、「行為者(達)にやめるように頼んだ」「他の人々に言うと警告した」「実際に他の人々に言った」「上司等に報告して改善を求めた」としている。
一方、セクハラ防止教育などの施策について、「受けたことがある」と答えた人は女性86%、男性93%で、セクハラ防止教育が着実に実施されていることをうかがわせた。苦情相談窓口や相談員の存在についても、「知っている」人は女性79%、男性71%いたものの、相談員を活用したことが「ない」と答えた人は女性96%、男性99%と、ほとんど利用されていないことが分かった。その理由として「部内の相談員だから」57・4%と、相談体制のあり方がネックとなっていることをうかがわせた。