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4/10日付

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防研「東アジア戦略概観08」
「宇宙開発」など中国に焦点
軍近代化さらに進展
空母建造計画など 海軍力の強化も指摘


防衛研究所は3月26日、昨年1年間に東アジアで起きた安全保障上重要な事象や中長期的な課題などを研究者の立場から分析した年次報告「東アジア戦略概観2008」を発表した。平成8年いらい12回目の刊行。

08年版では、中長期的な課題として、とくに国力増進の著しい中国の宇宙開発問題を取り上げて分析する一方、国・地域別の章では、北朝鮮の核兵器、核計画の放棄をめぐる6者会合の推移、胡錦涛体制の確立によって活発化する中国外交と建軍80周年の人民解放軍、ASEAN憲章を採択した東南アジア諸国の動向、経済成長に支えられる形で軍の再建を進めるロシアなどを取り上げている。日本については在日米軍再編合意後の政策課題、豪や印との安全保障協力の展開、自衛隊の国際平和協力活動の課題などを論じている。
焦点の中国の宇宙開発に関する分析では、2003年10月に有人宇宙船「神舟」の打ち上げに成功し、3番目の有人宇宙活動国になって以来の動向に注目。「07年1月に弾道ミサイルで自国の衛星を破壊する実験に成功、同10月には月面探査衛星を打ち上げ、さらに宇宙ステーション計画をたてるなど、次々と新しい宇宙開発分野に乗り出しつつある。宇宙開発技術を国防のための重要な分野と位置づけている」と指摘。
その一方で、宇宙への兵器配備の禁止を一貫して主張して最大の宇宙軍事活動国の米国をけん制しているとし、「米国への軍事的対抗手段であると同時に、自国軍のC4ISR(指揮・統制・通信・コンピューター・情報・監視・偵察)の構築や国内発展の重要な手段、国威発揚の一手段」と、中国の宇宙開発の動向を分析している。
国別の分析でも中国について、昨年10月の第17回党大会で胡錦涛色を強めた「科学的発展観」が党規約に書き込まれ胡体制が一層強化されたと指摘。軍事面で「情報化条件下の局部戦争」を戦うための統合の模索や空母建造計画が示唆する海軍の強化など、人民解放軍の近代化がさらに進展しているとしている。
ロシアについては、軍の装備の更新や演習が確実に実施され、極東では新たな原子力潜水艦基地の建設を計画するなど、「軍事力の回復を志向している」点に注目。「国防産業を強化するための武器輸出が拡大されており、特に中東諸国、東南アジア諸国に対する動きが活発」と指摘している。
日本の章では、次期戦闘機の選定に触れ、「決め手は、防空域の広大さに鑑み、戦闘機の巡航速度、一部の周辺国が展開する可能性が高いAWACSを無力化できる能力を備えていること」などとしている。
豪、印との安全保障協力の拡大・深化については、米国を中心とする2国間同盟の組み合わせやASEANフォーラムのような多国間枠組みを補完する形で、「アジア太平洋地域の複雑な安全保障問題に対応する能力を高めることになろう」とみている。