3月の朝雲ニュース

3/27日付

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防大卒業式
福田首相「新たな息吹たれ」
信頼回復へ改革強調


防衛大学校(五百旗頭真校長、神奈川県横須賀市)の本科52期生、理工学研究科前期課程45期生、同後期課程5期生、総合安全保障研究科10期生の卒業式が3月23日、同校記念講堂で行われ、福田首相をはじめ石破防衛相ら来賓、家族約360人が出席、卒業生の門出を祝福した。福田首相は訓示で「国民の信頼を取り戻すため、防衛省、自衛隊の改革を実行する」と述べ、卒業生に対し「国民の信頼あっての自衛隊であることを常に忘れず、自衛隊の新たな息吹になってほしい」と要望した。


式典の終了後、恒例の帽子投げで晴れの卒業を喜ぶ本科52期生たち(3月23日、防大記念講堂で)

52期424、研究科62人ら巣立つ

式典は午前10時過ぎ開式、首相への栄誉礼と国歌斉唱に続いて五百旗頭校長が本科卒業生一人ひとりに卒業証書、研究科卒業生代表3人に修了証書を授与。木村孟大学評価・学位授与機構長が本科と研究科卒業生の各代表に学位記を授与した。
五百旗頭校長は式辞で「すでに自衛隊が内外で得ている高い評価が、さまざまな事態に臨む度に本物であることを諸君が凛として明らかにするものと確信している。若き日にしっかりと術科を修め、有用な自衛官となってほしい」と要望した。
次いで福田首相が訓示し「世界は、テロとの闘いや大量破壊兵器の拡散防止をはじめとする安全保障上の新たな課題を抱えている。平和で安定した国際社会はかけがえのない財産であり、その中でできる限りの役割を果たしていかなければならない」と述べて「平和協力国家」としてのわが国の役割を強調。「わが国が国際社会の中で永く平和と繁栄を享受できるよう、その礎となり、国民を守り続けていく使命を確認し、新たな任務に精励することを切望する」と述べた。
石破大臣も訓示で、「強い抑止力を保有するために、権限を、装備をどうすればよいのか。今後、多くの部下の生命を預かる諸君が最も知ることになる」とした上で、「信頼される自衛隊を作るためにも、政治に対して意見することが自衛官の権利であり、義務でもあることを忘れてはならない」と述べた。
来賓代表として北岡伸一東京大学法学部教授が祝辞に立ち、将来のいかなる事態にも対処できるよう、歴史をひもとき教訓を求めるとともに、世界情勢を研究することの重要性を説いて卒業生を激励した。
この後、本科の広田昂大学生が答辞を述べ、学生歌を斉唱して式典を終了。引き続き任命・宣誓式が行われ、午後からは陸上競技場で陸海空の航空機計18機が祝賀飛行、在校生約1200人が観閲行進した。
今回の卒業生は本科52期が陸上要員176(うち女子9)、海上100(同5)、航空110(同6)、留学生9、非任官者29(同3)の計424人、理工学研究科前期は陸27(同2)、海13(同1)、空11(同2)、留学生10の計61(同5)人。同後期は陸1の計1人。総合安全保障研究科は陸3、海1(同1)、空7(同1)、事務官1、留学生3、他官庁等3の計18(同2)人。

防大卒業式の福田首相訓示
ゆるがせにできぬ 国の守り

 伝統ある防衛大学校の卒業式に当たり、卒業生諸君に心からお祝いを申し上げます。
 皆さんの規律正しく、凛々しい勇姿に接し、自衛隊の最高指揮官として、心強く、頼もしく思います。
 また、学生の教育に尽力された五百旗頭大学校長をはじめとする教職員の方々に敬意を表するとともに、日頃から防衛大学校にご理解とご協力を頂いている御来賓の皆様に感謝申し上げます。
 本日は、卒業生諸君が巣立ち、新たな任務につく、よい機会ですので、私の思うところを述べたいと思います。
 戦後、わが国は、自由な民主社会を築くとともに、経済成長を実現し、世界の先進国として国際社会の信頼を得るに至りました。その基盤となったのは、何よりもまず、わが国の平和と独立です。
 これを守るために、自衛隊が、変化する安全保障環境の中で、半世紀にわたり果たしてきた役割には、極めて大きなものがあり、国民も自衛隊に信頼を寄せてきました。
 昨今、世界は、テロとの闘いや大量破壊兵器の拡散阻止をはじめとする安全保障上の新たな課題を抱えています。成熟した先進国であるわが国にとって、平和で安定した国際社会はかけがえのない財産であり、その中で、できる限りの役割を果たしていかなければなりません。
 日米同盟と国際協調を基本に、世界の平和と安定、そして発展に貢献する「平和協力国家」として、わが国は、地域や世界の共通利益のために汗をかく、魅力に満ち、志のある国をめざしています。
 今も、自衛隊が、インド洋における補給支援活動、イラク及びクウェートにおける人道復興支援活動、ゴラン高原やネパールにおける国際平和協力業務を実施し、国際社会で高く評価されていることは、私の誇りであります。今後、自衛隊は、諸君の参加も得て、わが国の防衛はもとより、国際社会においても一層大きな役割を果たしていくことを確信しています。
 しかし、そのために、防衛省、自衛隊がしっかりと取り組まなくてはならない喫緊の課題があります。それは、国民の信頼を取り戻すことです。
 先般のイージス艦の衝突事故、昨年来のさまざまな問題により、長年培われてきた防衛省、自衛隊に対する国民の信頼は大きく損なわれました。いかなる状況にあっても、ひと時もゆるがせにできないのが国の守りであり、それだけに国民は、今、信頼できる防衛省、自衛隊を強く望んでいます。
 私は、この国民の期待の重みをしっかりと受け止め、防衛大臣と共に、問題点や原因を明らかにし、全力を挙げて、防衛省、自衛隊の改革を実行する決意であります。
 卒業生諸君は、この大切な時期に自衛隊幹部への道を歩もうとしていますが、国民の信頼あっての自衛隊であるということを常に忘れずにいただきたい。そして、今変わらんとする自衛隊の新たな息吹となってほしいと思います。その際、今後、諸君の基礎体力となるのは本校で受けた教育ではないでしょうか。
 初代防衛大学校長であった槇智雄さんは、戦前の士官教育の反省に立ち、本校を「人間をつくる教育」の場と位置づけ、広く深い学問と「厳正な規律」の実践による人格育成を重んじられましたが、諸君は、この教えを実践し、幹部として成長されることを期待してやみません。
 卒業生諸君、わが国が国際社会の中で永く平和と繁栄を享受できるように、その礎となり、常に国民と共にあり、国民を守り続けていくという使命を確認し、新たな任務に精励されることを切望します。
 諸外国からの留学生の皆さん、本校留学を通じて育まれた友情の絆を大切にし、祖国と国際社会のために御活躍されることを期待します。
 結びにあたりまして、諸君の今後のご活躍と防衛大学校のますますの発展を祈念し、私の訓示とします。
 皆さん、卒業おめでとう。