自衛隊関係の全機、特別点検
三菱重整備のF2炎上
誤配線と断定
愛知県・名古屋空港で昨年10月31日、三菱重工業により定期整備を受けていた空自F2戦闘機が離陸に失敗、炎上した事故で、防衛省の事故調査委員会(委員長・森岡高東海防衛支局長以下約30人)は1月23日、三菱重工業側の作業員が機体の機首上下方向の姿勢変化を検知する「ピッチレートジャイロ」と横回転方向を検知する「ロールレートジャイロ」の二つの機器の配線を逆に接続した誤配線による整備ミスと断定する最終報告を発表した。
それによると、(1)作業を実施した三菱重工業の作業員・検査員のいずれもレート・ジャイロにかかわる配線の識別・確認を十分に実施していなかった(2)経験の浅い作業者等に対する指導・監督が不十分だった(3)作業手順書等の記載が一部不明確だった(4)配線の識別が容易でなかった(5)誤配線防止のための設計上の工夫が作業員に認識されていなかった(6)地上揺動試験が採用されていなかった−−ことが判明。
このため防衛省は、三菱重工業にこれらの改善を中心とした事故の再発防止策の速やかな策定を求めるとともに、再発防止策の確実な実行を確認した上で、中断している航空機の製造と社内飛行試験を含む修理作業を再開させる。
三菱重工業では、誤配線による事故の疑いが強まった11月15日以降、東海防衛支局の監督指導の下で、事故発生時に製造・修理過程にあったF2をはじめとする自衛隊関係の全機体約110機の配線・配管、機器類の誤接続・誤取り付け可能部位の目視点検と、地上揺動試験を実施している。これらの特別点検を終えて異常がないことが確認された機体は、飛行試験を行った後に自衛隊側への引き渡しが再開される。
操縦桿接合部をネジで固定
F2順次飛行再開
3空団(三沢)所属のF2戦闘機が1月21日、三沢沖の太平洋上で訓練中に操縦桿の根元部分を折損した事故で、空自は同型機全75機の飛行を一時中断して当該部位の点検を行っていたが、空幕は同24日、操縦桿のグリップ部分の樹脂と金属の接合部の密着度が低下して金属部に過大な荷重がかかったことが原因とする調査結果を発表した。
空自では直ちに保有しているF2全75機の操縦桿のグリップを7本のネジ(スクリュー)で固定する緊急措置を取り、同25日以降、措置が完了した機体から順次飛行を再開した。